Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

2018-01-01から1年間の記事一覧

『アイラブトーキョー』

勇敢さだけでは物足りない 街を歩く足取りたち すり減るラバーソール 恋人たちの繋がれた手のぬくもりだけがリアリティ 書店の店頭に置かれた書籍は風と埃に立ち向かう 素晴らしいものはいつだって 足蹴りされて見落とされていく 不思議なことだけどそれはき…

『心と体と』『馬の骨』試写

西川美和監督と樋口毅宏さんのコメントが並んでいた。 朝一で新宿のシネカリテで『心と体と』を観賞。長編デビュー作「私の20世紀」でカンヌ国際映画祭カメラドール(最優秀新人監督賞)を受賞したハンガリーの鬼才イルディコー・エニェディが18年ぶりに長編…

『ラッカは静かに虐殺されている』

UPLINKにて13時の回を鑑賞。朝に「防衛省が公表した自衛隊イラク派遣時の「バグダッド日誌」がブログっぽくエモい「書籍化しようよ」」というのがTwitterやFacebookで見かけたのもあって、シリアが舞台でイスラム国と戦っている市民ジャーナリストたちのド…

『クソ野郎と美しき世界』感想

「クソ野郎と美しき世界」観客動員15万人突破!稲垣、草なぎ、香取が感謝のコメント https://natalie.mu/eiga/news/278104 15万人突破すごい、おめでとうございます!ですね。さっきまでいつも行くカフェのカウンターで常連さんと話をしていて、この映画の…

娘たち

娘たちは集団で歩いていました 誰かが歌を口ずさむとみんなで歌い出します 旋律が娘たちの新しいI.D.です 進んでいくと一人の娘が集団から離れていきます 隣を歩いていた娘が心配しみんなに訴えました 他の娘たちはみんな外れていってものは もう放っておく…

『ザ・スクエア 思いやりの聖域』

『ザ・スクエア』先行上映&リューベン・オストルンド監督と菊地成孔さんトーク、司会は森直人さん。昨日観た『ラブレス』もだけど、エグってきますね〜。笑えない状況になるからつい笑ってしまうけど、起きる出来事で選ぶ事により悪化する事態、傍観者である…

『ラブレス』

前作『裁かれるは善人のみ』が凄かったので(ダメージが)アンドレイ・ズビャギンツェフ監督最新作『ラブレス』をば。『週刊ポスト』のミニコラム連載「予告編妄想かわら版」でこの作品を取り上げた時に書いたのはこんなものでした↓。 『父、帰る』でヴェネツ…

『リッケンバッカー』

昼間の休憩時間に12階のビルから一階まで降りて そこから本屋まで歩く ヘッドフォンからはシャッフルした曲が聴こえて 昼食を食べようと僕と同じようにいろんなところから 湧き出た人たちの青山通り くるりの『ロックンロール』が流れ出して なぜか親友の…

『歩道橋』

死者が夕暮れの歩道橋の上で 眺めている景色というものの意味を ホイールがわずかに歪んだ自転車のチェーンのたるみ 手を繋いだ恋人たちは明日はゴミの日だと知っている 日曜日の死者は月曜日になっても死者のまま スマホを見ながら歩いている生者の行進です…

『クソ野郎と美しき世界』

『クソ野郎と美しき世界』初日完成披露舞台挨拶生中継付き上映をTOHOシネマズ渋谷にて鑑賞。二日前の0時過ぎてオンラインでチケットとろうとしたらすげえ速さで埋まっていくから期待値すごいんだな、やっぱり新しい地図は応援の熱がすごいと思ったんだけど…

『ペンタゴン・ペーパーズ』

スピルバーグがトランプ政権が誕生して製作を早めたという作品だけど、今の日本の現状が嫌でも浮かんでしまう。もう、ニクソンが安倍なんじゃねえかっていう。これを観て勇気付けられた報道関係の人が多いと思いたい。報道と国家権力と民主主義についての話…

『ちはやふる 〜結び〜』

『ちはやふる 結び』の準クイーンの子は『3月のライオン』のひなた役の清原果耶さん。賀来賢人がかなりいい役で、かるたクイーンの松岡茉優は今回あまり見せ場がなくコメディリリーフな出方。 『ちはやふる 上の句』が青春映画としてかなり完璧な構図で二千…

『ラッキー』

今日、アップリンクで観た映画『ラッキー』は今の所ぶっちぎりで今年の僕の中で一位です。端的に言って素晴らしすぎませんか、この作品。 『週刊ポスト』の「妄想予告編かわら版」で書いていたのもあったのだけど、『週刊プレイボーイ』の映画評で高橋ヨシキ…

『素敵なダイナマイトスキャンダル』

実母がダイナマイト心中を図ったという強烈な体験を持つ雑誌編集者・末井昭の自伝的エッセイを柄本佑主演、「パビリオン山椒魚」「南瓜とマヨネーズ」の冨永昌敬監督によるメガホンで映画化。母・富子が隣家の息子とダイナマイトで心中した末井青年。18歳で…

『わたしたちの家』

ユーロスペースにて鑑賞。アンコール再上映ということだったので、評判高かったのだろう。名前は聞いていたのでなんとなく観に行ってみた。一件の家で二つの生活というか世界があるという感じ、どちらが現実で妄想かフェイクかもわからないし、現実と現実な…

『レディ・バード』試写

「フランシス・ハ」「20センチュリー・ウーマン」などで知られる女優のグレタ・ガーウィグが、自身の出身地でもある米カリフォルニア州サクラメントを舞台に、自伝的要素を盛り込みながら描いた青春映画。「フランシス・ハ」や「ハンナだけど、生きていく!…

『アイスと雨音』

ユーロスペースにて鑑賞。松居大悟×MOROHA。中止になってしまった演劇の舞台を軸に、映画と舞台の中間みたいな作品。そこにドキュメンタリー的な一発撮りの要素が加わることで層が重なる。現実と創作のハイブリッド、混ざり合った作品であり舞台で行われるは…

『ブラックパンサー』『15時17分、パリ行き』

映画の日に『ブラックパンサー』をTOHOシネマズ渋谷にて。満席とは行かなかったが12時の回でわりと埋まっていた。何人かの集団できている感じもあったし、海外の旅行者なのか在住している人なのかはわからないが外国の人も何人か見かけた。 もっとラップと…

『シェイプ・オブ・ウォーター』『アイ、トーニャ』試写

公開初日、TOHOシネマズ渋谷の朝一の回で『シェイプ・オブ・ウォーター』鑑賞。主人公のイライザの顔が途中で変わる、それがすごくエロチックで、作品はファンタジーであるけどセクシーさがあって素晴らしかった。顔が変わるのは単純に、水に関するシーンで…

『恋する惑星』『天使の涙』爆音上映

新宿ピカデリーにて『恋する惑星』『天使の涙』の爆音上映に行く。今になって、『恋する惑星』『天使の涙』観るとメンヘラDQN犯罪者しかいないような気がした。あと爆音でやる意味ってそんなになかったような気がした。 ウォン・カーウァイ監督は女性が掃除…

『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』

TOHO シネマズ渋谷にて12時半の回を鑑賞。年齢層はかなり高めでだいぶ埋まっていた。『空海』もはや猫映画ぐらい猫出まくりといった印象。空海(染谷くん)と白楽天(日本語吹き替えは高橋一生)コンビが謎を解決していくはずなんだが、どうもその感じがあ…

<メルマ旬報>『朗読劇 銀河鉄道の夜』南相馬公演

古川日出男さんの新著『ミライミライ』が早い所では書店で並び始めた。去年の今頃は『新潮』で連載中であり、古川さん自身もUCLAで日本文学の短期授業のために渡米されていた。去年中に単行本になるのかと思っていたが、デビュー20周年の2月に出ると言わ…

『ビガイルド』

公開初日の朝一でTOHOシネマズ新宿にて『ビガイルド』を鑑賞。やっぱりソフィア・コッポラ作品合わないなあ、と思う苦手意識はなんなんだろう。南北戦争時の女性だけの閉じられた空間に北部の負傷した兵士がやってきて、女たちの欲望というか男性がいること…

『サニー/32』

公開初日、バルト9にて初回を観賞。男性客が多かったか、北原さんファンなのだろうと思うのだが、たぶん推しだった人たちなのだろう。作品の構造としては(ネット)アイドル×浅間山荘事件みたいな気がした。『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の若松孝二…

『リバーズ・エッジ』

映画『リバーズ・エッジ』を公開初日にTOHOシネマズ渋谷で観る。 観ながらつくづく感じたことは岡崎京子さんという漫画家は、手塚治虫が戦後に漫画に持ち込んだまんが・アニメ的リアリズムだったり「アトムの命題」におけるキャラクターの傷つく身体、24年組…

『14時17分』『犬猿』『ゲット・アウト』

9日、神谷町のワーナーブラザーズの試写室でクリント・イーストウッド監督『15時17分、パリ行き』を観る。後悔は3月1日。『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』とイーストウッド監督作品は実話モノが続いている。今作のウリとなるのは主人公の…

『blank13』

監督・齊藤工 原作・はしもとこうじ 脚本・西条みつとし出演・高橋一生(松田コージ)、松岡茉優(西田サオリ)、斎藤工(松田ヨシユキ)、神野三鈴(松田洋子)、大西利空、北藤遼、織本順吉、村上淳、神戸浩、伊藤沙莉、川瀬陽太、岡田将孝、くっきー、大…

『羊の木』

監督・吉田大八 原作・山上たつひこ/いがらしみきお 脚本・香川まさひと出演・錦戸亮(月末一)、木村文乃(石田文)、北村一輝(杉山勝志)、優香(太田理江子)、市川実日子(栗本清美)、水澤紳吾(福元宏喜)、田中泯(大野克美)、松田龍平(宮腰一郎…

『スリー・ビリボード』

1月25日、アップリンクで見逃した映画特集で2017年に劇場で見逃した『ありがとう、トニ・エルドマン』を観る。ハリウッドでリメイクすることも決まっている。父と娘の物語。娘が心配すぎる父は「トニ・エルドマン」と名乗り彼女の近くに神出鬼没に現…

『ブラスト公論』&『嘘を愛する女』

20日に南相馬に『朗読劇 銀河鉄道の夜』の公演を観に行っていた。常磐線で仙台まで電車で行ってから新幹線で東京駅まで。そのまま八重洲ブックセンターで開催の徳間文庫『ブラスト公論 増補文庫版 誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない』発売記念トーク…