Spiral Fiction Note’s diary

ライター&「monokaki」編集部スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「週刊ポスト」で「予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

『羊の木』


監督・吉田大八
原作・山上たつひこいがらしみきお
脚本・香川まさひと

出演・錦戸亮(月末一)、木村文乃(石田文)、北村一輝(杉山勝志)、優香(太田理江子)、市川実日子(栗本清美)、水澤紳吾(福元宏喜)、田中泯(大野克美)、松田龍平(宮腰一郎)、中村有志(雨森辰夫)、安藤玉恵(内藤朝子)、細田善彦(田代翔太)、北見敏之(月末亮介)、松尾諭(須藤勇雄)、山口美也子(志村妙子)、鈴木晋介(神崎良作)、深水三章(目黒厚)、川瀬陽太

桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督が錦戸亮を主演に迎え、山上たつひこ原作・いがらしみきお作画の同名コミックを実写映画化したヒューマンミステリー。寂れた港町・魚深にそれぞれ移住して来た6人の男女。彼らの受け入れを担当することになった市役所職員・月末は、これが過疎問題を解決するために町が身元引受人となって元受刑者を受け入れる、国家の極秘プロジェクトだと知る。月末や町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は明かされなかったが、やがて月末は、6人全員が元殺人犯だという事実を知ってしまう。そんな中、港で起きた死亡事故をきっかけに、町の住人たちと6人の運命が交錯しはじめる。月末の同級生・文役に木村文乃、6人の元殺人犯役に北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯松田龍平と実力派キャストが集結。「クヒオ大佐」の香川まさひとが脚本を手がける。(映画.comより)


 TOHOシネマズ渋谷にて12時過ぎの回を鑑賞。7割ぐらい埋まっていたような。錦戸ファンだけではなく、わりと年齢層も幅広く、男性客も多かったのでキャストと監督が吉田大八さんだったからだろうか。まあ、設定が重そうだし、そうなるのかもしれない。
 やっぱり犯人はお前か!っていう展開は正直どうでもいいというか、そうなるだろうってキャスティングなんで気にならない。ただ、主人公の月末は言わば巻き込まれていく役割なんだけど、どうも彼に感情移入できない。あまり感情を出さない役ってのもあるのかもしれない。月末は同級生だった地元に戻ってきた文にまだ想いがあるのに、あまりそこも焦点が当たりづらい。そのために、松田龍平演じる宮腰との三角関係みたいな状態においても感情が出ないし、他人事みたいになってしまう。

 これは六話ぐらいのドラマで各キャラクターのバックボーンを描いた方がよかったんじゃないかなあと思った。それぞれの元殺人犯の物語があったほうが不穏感とか出てくるし、犯罪を犯した人が更正するすることの難しさや周りの環境や受け入れられるかどうかって問題がもっと鮮明に浮かび上がるんだろうけど、そこがめっちゃ弱いから、元殺人犯たちそれぞれの葛藤とかもっと見たかったなって思った。

 元殺人犯という異物とでも言える存在を受け入れるということ、宇宙人でもなんでもいいのだけど、大きな意味で普通ではないという人たちのメタファーとしても物語に扱われる存在だ。あるいは移民のメタファーとして、元々住んでいる人たちと新しくやってきた価値観だとか何もかも違う人とどう共生するかという問題を孕んでいる作品ではある。ただ、その皮膚感覚的に怖いとか理性では同じ人間だし受け入れようみたいなことが両面にあって、せめぎ合うわけだけど、それがやっぱり弱い。

 木村文乃がギター女子でシューゲイザー系な音を鳴らすのに萌えるやつはいそうだけど。関係ないけど、『SPEC』続編の『SICK'S 恕乃抄』は木村文乃&松田翔太コンビって噂をネットで見た。『アンナチュラル』4話を見たら、『ケイゾク』が見たくなって昨日の夜にAmazon primeで一話から見始めたんだけど、『ケイゾク』て来年でテレビ放送から20年か...、経たなあって。中谷美紀&渡部篤郎戸田恵梨香&加瀬亮、の流れだけど、主人公で生きてるのは中谷美紀演じた柴田だけだっけ。