「フランシス・ハ」「20センチュリー・ウーマン」などで知られる女優のグレタ・ガーウィグが、自身の出身地でもある米カリフォルニア州サクラメントを舞台に、自伝的要素を盛り込みながら描いた青春映画。「フランシス・ハ」や「ハンナだけど、生きていく!」などでは脚本も手がけ、「Nights and Weekends」(日本未公開)では共同監督を務めた経験もあるガーウィグが、初の単独監督作としてメガホンをとった。カリフォルニア州のサクラメント。閉塞感漂う片田舎の町でカトリック系の女子高に通い、自らを「レディ・バード」と呼ぶ17歳のクリスティンが、高校生活最後の年を迎え、友人やボーイフレンド、家族、そして自分の将来について悩み、揺れ動く様子を、みずみずしくユーモアたっぷりに描いた。主人公クリスティンを「ブルックリン」「つぐない」でアカデミー賞候補にもなった若手実力派のシアーシャ・ローナン、母親マリオン役をテレビや舞台で活躍するベテラン女優のローリー・メトカーフが演じた。第90回アカデミー賞で作品賞ほか6部門にノミネート。ガーウィグも女性として史上5人目の監督賞候補になった。(映画.comより)
6月公開の『レディ・バード』試写鑑賞。予告を観ていたイメージだと『小説すばる』で連載してそうなのに『すばる』で連載してたねって感じがした。これでわかってくれる人だとイメージしやすいと思うのだけど、あまりいないか。展開は思ったよりも早くない。わりとワンエピソードが長いのか、90分ぐらいなのにいい意味でそれより長く感じる。テンポ良く進まないで落ち着いている感じがした。
中途半端な田舎・サクラメントの女子高生が上京する前の高校三年性の一年間、母と娘の衝突と田舎と家族について描いている。どの時代にもある普遍性のある話、かわいいのに小憎たらしい主人公が父母の庇護から飛び立つまでの物語だからか、ポスターのキャッチコピーが「羽ばたけ、自分」なんだろう。そして、2002年という時代のアメリカが舞台の背景というものも監督のグレタ・ガーウィグが83年生まれなので、自分の高校時代に近い設定なのかもしれない。
9.11が起きてイラク戦争が始まり、リーマンショックとグローバリズムの波と世界的な保守化が始まる前夜、日本だと『木更津キャッツアイ』が始まって地元まったり上京志向がなくなるのを予見していた頃にあたる。
アメリカだとNYに行きたいとか都市部に行きたいとなると親からしたらテロが起きそうとかそういう心配もあったと思う。世界中の大都市ではテロが起きるかもしれないという時代に突入していくわけだしね。
韓国映画『サニー』みたいに日本版をインディーズ系でリメイクできそうだと思う。上京ものなので、これから進学を考えている高校生にもいいだろうし、上京して少し経った大学生とか、30歳とかの世代だと懐かしさもある、親になった人だったら主人公の親目線で観れるだろうなって。
ハデさはないけど、しっかりした作品なのでヒットしたらいいなあ。