Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ブラスト公論』&『嘘を愛する女』


 20日に南相馬に『朗読劇 銀河鉄道の夜』の公演を観に行っていた。常磐線で仙台まで電車で行ってから新幹線で東京駅まで。そのまま八重洲ブックセンターで開催の徳間文庫『ブラスト公論 増補文庫版 誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない』発売記念トークショー&サイン会に行く。『ブラスト公論』のことは知っていたけど、きちんと読んだことがなかったので今回の文庫版とトークショーが読むいい機会になった。

ブラスト公論 増補文庫版 誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない』
http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198942977




 トーク終わりで5人皆さんのサインを入れてもらう。
 終わって帰ってから思ったのは、宇多丸さんをはじめとする5人のトークのあの感じがすごく良くて、僕らの世代でもこういう感じのトークとか対談するようなものがあればなということだった。

 今だと、数人でトークするとかになるとYouTubeだったりポッドキャストとか生配信したりするってのが主流なんだろうけど、文章になっているものもやっぱりいいと思った。僕だと小説とか読んでて、その次を読む間に息抜き代わりにインタビュー本だとか対談本を読んだりする。会話だけの文章ってわりとサクサク読めるし、そういうものを読むと次の小説も読みやすかったりもする。
 今日のトークイベントでも感じたけど5人だからこそのリズムとか、受けごたえやキャラクターの噛み合う感じってのはその人たちだけの独自なもの。それを文章にするのはそのリズムを大事にするテクニックとかもちろんいるわけなんだけど。

 サインの時に宇多丸さんに名刺を出してご挨拶した。宇多丸さんと近い方々にお世話になっているのに、お会いしたことはなかった。宇多丸さん50歳にまだなってないぐらいだろうから、5人の皆さんもそのぐらいなんだと思う。この本はもともと『blast』というヒップホップ専門音楽雑誌のコーナーだったわけで、今だと雑誌でこういう企画はほぼないだろうし、ウェブでは多少あったりするのだろうけど、僕らぐらいの30代半ばの人がこうやって集まってある意味ではどうでもいい話をする、みたいなものがあったら面白いなって思った。誰かやってくれないだろうか、本当に。
 何年か後に変わってる部分とか変わらない部分とか環境の変化とかってそれぞれの人生が反映されるのも、人生の素晴らしさでもあり残酷さでもあったりするのだろうし、そういう面白さってやはりあると思うから。
 『ブラスト公論』の文庫版読みはじめたばっかりだけど、宇多丸さんが「俺、フックアップ魔だから。フックアップに次ぐフックアップ。」と言われていて、本当そうだよなって思った。ジェーン・スーさんとか一気に世に出た感じある。最初は『タマフル』に出て面白い人だなって思ったけど、今やTBSラジオで番組を持ってるラジオパーソナリティーになっているし、それってすごいことだ。そうやってフックアップされる人はそういう場所にいるかその人に認められているとか気にかけてもらってる。で、フックアップされてもみんなが力を出せるわけでもないし、そういうことがそれぞれにあるから面白いわけで。その伏線すらも未来で回収したりすることがあったりする。水道橋博士さんの言われるところの星座だよなあ。



 『嘘を愛する女』の映画の中での長澤まさみ&高橋一生の出会いが2011年3月11日だったので、あの日以降の脱原発&憲法9条改正反対浮気や不倫、離婚問題について小説とか映画で描かれた作品があったけなあ、とぼんやり観ていた。
 川栄李奈ゴスロリメイドみたいな役だけど、がっつり女優さんになったなあ。AKB卒業生で一番女優さんとして成功してる人だろうし、この先も女優さんとしてやって行くんだろうな、あのおバカキャラを封印して女優さんって感じはかつて、『ごっつええ感じ』に出ていた篠原涼子を思い浮かべるけど、あの系統って感じでいいのかもしれない。おバカキャラの時代は黒歴史ってことで、同性からも好かれる女優さんになればとんでもなく強い。めちゃくちゃ美人すぎるってこともないし、なんだかちょうどいい感じの顔だからこそできる主役級の人っていると思う。親近感的なものもないとやっぱり支持されないだろうし。
 この映画はやっぱり長澤まさみ&高橋一生を愛でる映画として楽しむ感じですかね。正直にいうとこの二人がずっとイチャイチャしてくれた方が目の保養にはなりますが。あとROBOTが制作とかに関わる時に感じるなにかってあるんだけど、なんだろう。フジテレビのかつてのバブル的なものの残り香というか。