Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『恋』

家に帰り玄関前で鍵を出すと、
隣のアパートの換気扇からピーマンの匂いがして、
いくつかの料理が浮かぶんだけどピーマンの緑色が
残像みたいに浮かんできて、
匂いがそれを立ち上がらせてくる。
匂いが喚起させる色彩とか記憶とか想い出とか
冬の冷たい空気の中でより輪郭が濃くなる。
輪郭だけが濃い。