Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「空気」と「世間」と「レントゲン」とあと何か

 昨日月曜は五連チャン後の休日で日曜から2日続けての映画。久しぶりの新宿で、バルト9にて「 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー」「侍戦隊シンケンジャー 銀幕版/天下分け目の戦」同時上映を友人のH氏と観た。


 その前にバルト9だと副都心線新宿三丁目が便利なので使って、頼まれてた雑誌を買いに店を回ったがなかった。地上に出て紀伊国屋本店に行った。で、二階をうろついたら新刊コーナーのとこの新書で鴻上尚史著『「空気」と「世間」』ってのがあって手に取った。


 鴻上さんの著者は「孤独と不安のレッスン」しか読んでなかったけどそれがとても「世間」というものがどう日本社会を支配していたのかとか僕に取って疑問だった部分の回答をくれたような本だった。


 で新書を手に取った時にそういえばこの本店で「TBSラジオ 文化系トーク系ラジオ Life」のイベント「「ツナガリ」の現在”出会い過剰”の時代の希望」があったなって半年前だっけな。なんかそういうのもあって買った。


「ツナガリ」の現在”出会い過剰”の時代の希望@紀伊国屋ホール
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20090108


 H氏が土曜日に予約したら3Dの方にしたと、まあ「侍戦隊シンケンジャー」時に3Dメガネかけるっていう。で事務所でタダ券もらおうとしたらなかったから千円券買ったって、でも3D上映はプラス700円ぐらいかかったらしい。僕は千円にしてもらったのでお得。


 で、事務所ってのはJACジャパンアクションクラブ)でそういえば結局そことは今どういう関係なんすかって聞いたら「まだ所属してるよ」って言われた、付き合い長いけどそれ聞いてなかった。所属してるんだ〜。


 で、映画はタイトルのまんまでした。日曜の朝八時からしている本放送の主人公「ディケイド」の世界に、彼は「仮面ライダー」の世界を回ることができる、なんていうんだろう、パラレルワールドとして存在する各ライダー世界を自由に行き来できる。でも、鳴滝って人物からはお前は世界の破壊者だなんて言われている。結局鳴滝は何者なのか映画では明らかになっていないので本放送で明かされるのか。


Gackt - The Next Decade PV


 テレビの本放送はあと二話。映画で終わりってことではないみたいなので、映画と本放送のラストは別物と考えるべきだろう。映画は平成ライダー十周年記念とうたっているようにこれは祭りだ。ライダーカーニヴァルっすね。


 内容は特に謎が解決されるわけではない。ただディケイドが大ショッカーの策略にハマってライダー潰しをさせられていたという世界観は明かされる。まあ、内容的には黒幕というか大ショッカーのボスにより、ディケイドは大首領ではなくなり、真の記憶を思い出した彼の行動により仲間たちも離れて一人になってしまう。


 そこにディケイドになる士の妹と彼女を面倒見ていた執事?の月影が大きく影響する。妹はひきこもりで家から出れない、だが兄は旅をしに出て行ってしまった、置いていかれたなどの要素等が兄に対しての憎悪に発展し、執事の名前が月影な時点で英語にしたらこいつシャドームーンじゃねえかって思ってたらやっぱり仮面ライダー史上もっとも人気のある敵キャラであるシャドームーンが大首領として大ショッカーに君臨し彼にディケイドは踊らされていたことが判明。


 良い意味でも悪い意味でもシャドームーンを越える敵キャラが未だにいないということになるのだが。


 もともといろんな世界が融合、つまりはパラレルワールド(次元の違う異なった世界)の融合が始まりそれを食い止めるためにはその世界のライダーを倒して世界の破壊を食い止めるしかないと思っていた士は世界を旅していたこと事態が大ショッカーの悪知恵だった。地下に落とされ逃げた彼は夏みかん(ヒロインのあだ名)からも拒絶され、今まで騙されていたことから。


 大ショッカーが世界を壊し始める中でGACKT演じる結城丈二ことライダーマンに間違ったことをしたならばその責任は自分で取るしかないだろうと諭される。


 まあ、GACKTライダーマンに変身するシーンなかった。あと化粧の感じが彼の黒歴史MALICE MIZER時代を少し彷彿させた。というか彼はこのシーンのみの出演、え〜と軽めに叱咤激励&説教しにきた人みたいな扱いでした。


 で、全面戦争っていうかオールライダーvs大ショッカーなんだけど、ショッカーの隊員っていうのかヒヒーみたいな声だす雑魚キャラが人間魚雷みたに飛んで爆発したり、ごめん面白いからそれ。あと死神博士イカデビル(石橋蓮司)になって倒された時に「またね」って手振ったら笑うわ!で、日曜に観た「色即」にも出てた大杉漣さんが地獄大使っていう、なんか豪華。


 この全面戦争はお祭りだ〜って感じですね。1号二号のダブルキックとか往年ファンへのサービスもありつつ、ライダーとショッカーが入り交じって戦うっていう、アマゾンは怪人たくさんいたら混ざっちゃうから!


 で、主人公のディケイドと対峙するのはシャドームーンで圧倒的に強いのにも関わらず、なんでか? ここら辺はもはや無理矢理な自己紹介も兼ねて他の次元から次の放送の仮面ライダーWが現れてシャドームーンをぼっこぼこにして帰っていく、ええええええええ〜何今のみたいな、強すぎるんじゃねえの。


 で、大ショッカーの城っていうか巨大なアジトにオールライダーがみんなでライダーキックでそこが崩壊します。言っときますがその後のシーンで「おいおい」と。
 キックする前が右側にいて城が左側にあって、みんなでジャンプして加速して斜めにライダーキックで突っ込んで破壊していくんですよ、で城が崩壊してる次のシーンで「やったぜ」みたいに前の右側にみんないるっていう。「お〜い! 瞬間移動してるから」って。


 その後のデッカいウルトラマン的な敵キャラが出て、ディケイドも裏技でデカクなって戦うっていうなんでもあり。


 これは今週の土曜の「ウイークエンドシャッフル」の「シネマハスラー」で宇多丸さんがこの映画をどう批評するのか非常に楽しみです。きっと酷評に近いんじゃないだろうか、だって物語らしい物語ないんだもん。オールライダー見れてよかったじゃんって感じなので、所謂映画「ルーキーズ」と同じです、内容特にないんです。


 イケメン出てるからそのファンがたくさん観に行って興行収入すごいって状態であれっ? 別に映画って物語なくてもテレビの延長の見てた人だけにわかるサービス映像で客入るんだっていった宇多丸さんだったら同じ感じではないかと。


 イケメンがライダーに変わっただけの祭りですからね。ただ、重要なのはイケメンであろうがライダーであろうが客を呼べるんですよね、映画館に、特にお話になってなくてもってが問題なんですよ。


 だからこの映画、ライダーファンだったら観たらいいんじゃないのってぐらいでオススメですっ!なんて言わないことです。あと、ディケイドの本放送のオープニングでこの映画の映像が使われているんだけどそれでも特に問題ないんじゃないかって、大画面で観たいなら映画館でぐらいな感じです。で、3Dでシンケンジャーが本放送ぐらいの二十数分あって終わり、飯食って帰った。


 で家に帰ってた先週に引き続き「やりすぎコージー」の「都市伝説スペシャル」を。で途中に気になるというか男女のカップルがずっと走ってて真ん中に数字が出ててどんどん近づくと数字が減っていって単位はmmでこれ何のCMだって思ったら最後に二人抱き合って大阪城か? をバックに花火があがってサガミのコンドームのCMってわかる。


 最後にテロップで「それでも、愛に距離を 世界最薄コンドーム0.02mm」ってこのCM巧い、それでいてなんなんだろうこのCMって思って見てしまう、最後まで見て納得する。


 概要は男は福岡から、女は東京から、 その愛を確かめるため、走りました。 およそ一ヶ月に及ぶドキュメンタリーを経て、完成したCFをご覧 ください。2009年カンヌ国際広告祭フィルム部門で、日本では13年ぶりとなる金賞を受賞しました。ってほほう、凄いね。


Love Distance CF


 花火はいかにも射精のイメージなんだが、東京と福岡から走ったカップルが大阪で再会した夜にコンドーム使うかな・・・。


 「都市伝説」の中でマイケルとマドンナが取り合った伝説の日本人ダンサーの話を「ウイークエンドシャッフル」で「緊急追悼特集:西寺郷太、渾身のマイケル・ジャクソン論」をやっていたノーナ・リーヴス西寺郷太さんが出てきてビックリした。本当にマイケル研究家として業界内では有名と言うか白羽の矢が立ったんだなって。


「緊急追悼特集:決定版!西寺郷太マイケル・ジャクソン語り」
前編 http://s08.tbsradio.jp/redirect/utamaru/502878.mp3
後編 http://s08.tbsradio.jp/redirect/utamaru/502879.mp3


 「都市伝説」も面白いんだけどね、結局の所は板東英二の一人勝ちですよ、親指タイタニックのおっさんには誰も勝てやせん、やっぱり「板東英二都市伝説」をまたするかDVD化してください、お願いしますテレ東さん。


板東英二無敵説
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081021


板東英二はダストなのかスターなのか
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20090224


 で寝たけど深夜目が覚めて『「空気」と「世間」』を読んだ。この本の中では今ボクらの世界で蔓延している「空気」とは何かと考えるうちに鴻上さんは「空気」とは「世間」が流動化したものと考えることができると書いている。


 日本の「世間」と欧米人の「社会」を分けているのは一神教キリスト教の存在である事を読んだ本から参照にし、かつて欧米にも「世間」は存在したがキリスト教がそれを潰した経緯がある。「世間」とは自分に関係のある世界で、「社会」とは自分の関係のない世界であり、例では電車で友達のために席取りをするおばさんが出ていました。


 数人の友達のために席を確保するのは彼女たちの世界では彼女は気が利く、親切な人です。でも端から見れば迷惑なおばさんなのです。それはおばさんが属している「世間」しか見ていないからで、自分に関係ない人たちの「社会」をあまり気にしていない。


 これは外国の人が電車に忘れた荷物が普通にその後連絡したら見つかって日本はなんて良い国なんだって思ったのに、お年寄りに席を譲らないなんてなんてひどい国なんだって真逆の感想を持ってしまったことなどを例に挙げて、欧米人は多くの割合で席を譲るのは当然だけど日本だとそうしたら遠くに行ったりその場にいるのは気まずい感じになるのは欧米人は「社会」に属する人と自然に付き合う社交術が身に付いて、それは「世間」が約千年前になくなってすべて「社会」の人となって自然に獲得した技術で日本人はそれがないと。


 「世間」という言葉は自分と利害関係のある人々と将来利害関係を持つであろう人々の全体の総称なのである。
 「世間」の基本ルールは、1贈与・互酬の関係、2長幼の序、3共通の時間意識、4差別的で排他的、5神秘性。


 欧米では「神」が日本では「世間」が精神的にも経済的にもセーフティネットとして存在し、支えていた。しかし都市化と経済的・精神的なグローバル化格差社会によって「世間」はかなりのレベルで壊れてしまっている。結果として日本人はより不安定になり、自分を支えてくれる「なにか」を、「世間」が安定していた時代よりもさらに強く求めるようになった。


 若者の正社員がずっと同じ会社に務めて定年まで働きたいと思う割合が高くなったのは不景気だけではなく上記のことも関係しているだろうし、愛国心で他の国を攻撃、口撃するナショナリストが増えてきたのもそれらの影響だと読みながら思いました。


 アメリカ人は「神に強烈に支えられた個人主義者」でしかない。だからみんなでラーメン食いに行こうぜってなった時に日本人はパスタが食べたくてもみんなとラーメンを食べにいくが、アメリカ人はじゃあ俺パスタ食ってくるわと平気で言える。


 支えてくれる「世間」が壊れてしまった今、「共通の時間意識」が揺らいだ「世間」が残りそれを「空気」と呼んで自分たちを支えてもらおうとしている、その「空気」で手に入るのは「共同体」ではなく「共同体」の匂いだと鴻上さんは書いている。


 ひとつの共同体にしがみついてしまうとそれは「世間」になってしまう。だからこそいくつもの共同体(コミュニティ)に所属することで不安を軽くすることができるのはないかと。
 ネットも使いようでは新しい共同体を自分に合ったものを見つけるツールにもなります。この本を読んでいて「「ツナガリ」の現在”出会い過剰”の時代の希望」のイベントを思い出しました。


 どこか自分が所属する組織なり団体なりの空気に違和感を持つ人にはオススメな本です。最後に鴻上さんはいじめられている中高生に届いて欲しいとあとがきに書いています。諸事情で、だいたいの場合は会社にしろ学校にしろ金銭的な面で辞めれない、逃げれない時の対処法にもなると。


 確かにいろんな共同体にいる方が自分の殻に籠らなくてもいろんな自分を出せていけるし。「繋がり」が過剰であるからこその新しい希望って事にも繋がるのかもしれない。


 朝のニュースで板尾創路さんの長女が二歳にもなっていないのに原因不明で亡くなったと。板尾日記を毎年出たら買ってる人に借りて読んでて愛娘のことを書いていてすごく可愛くて大事なんだろうなってわかってたから、ちょっと次の板尾日記5(09年版)は読むと辛そうだ。


 あと、そういう背景を知ってしまうとしばらくは板尾さんがどれだけバラエティに出ても笑えないという状態になってしまうと思う。唯一イジれるのはダウンタウン今田・東野さんぐらいだろう。


 これでバラエティに出なくなっていくと完全に板尾さんは役者にシフトしそうなそんな気がする。


なんとなく

People In The Box - レントゲン

「空気」と「世間」 (講談社現代新書)

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孤独と不安のレッスン

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Bird Hotel

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板尾日記3

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