寝れない、体内リズムが崩れてます。
そんなわけで昨日は朝寝れずにそのまま起きていて外に行きました。寝れない時は日中外に出て太陽の光に当たるとなんかリズムが修正されるのか眠くなることが多いので。
本屋に行くと羽海野チカ「3月のライオン」三巻が出てました。羽海野さんは前作「ハチミツとクローバー」でファンになったのですが彼女の作品のモノローグは非常に好きです、大好きです。
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2009/08/12
- メディア: コミック
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僕は昔からモノローグ(独白)があるのが好きです。野島伸司作品が好きだったのも実はそこが大きくて、作品の冒頭や終わりに主人公の内なる言葉がナレーションとして言う、あれです。「未成年」なんかモロにそこにハマったというのがありました。
「ハチクロ」でのモノローグは泣けるというかうまくてハマりました。ストーリーも大好きですが。この作品はけっこう悲惨というか、今作「3月のライオン」はプロ将棋士が主人公の話ですが、圧倒的な才能を持つ者とそうでない者を羽海野さんは描いています。
どんなにがんばっても飛ぶ事のできない人の前でゆうゆうと飛んで一気に見えなくなる人が同じ世界にいるということ。
これはどうしようもない事実だからです。はぐちゃんや森田さんに感情移入できる人はごくごく少数です。多くの人が竹本に感情移入するのです、飛べない自分を。恋愛だと各キャラクターに感情移入はできるのですが。
どんなに足掻いても手に入れる事ができないものがあるというこの世の不条理の一つは才能と呼ばれるものなのでしょう。
「3月のライオン」は高校生にしてプロの将棋士を主人公として彼と関わる人間たちをコミカルに描きながらも、僕は将棋はほぼわからないのですが読んでいて面白いです。
羽海野作品には動物がよく出てきますが、猫がコタツに入ってたりしてます。よほど作者が猫好きなのがわかります、猫に人格ならぬ猫格すらあります。
この物語は将棋士としての成長物語でありながら、壊れた家庭と自分を可愛がってくれる心配してくれるもう一つの家族を描いているのでどう着地させるのか楽しみでもあります。 暖かい家庭はまるでコタツのようにポカポカで、壊れてしまった家庭はもはや家族として機能していない。そこでのモノローグが非常に上手い。
専門学校の時にシナリオの先生から、あとはシナリオセンターの時にモノローグはあんまり使うなと言われました。シナリオは心で思ったことをいかに行動や台詞で魅せるかというのとモノローグを使うとそれが簡単にできてしまうからという理由で。
だから下手なことをすると説明台詞っぽくなったりするんだと思います。そういう意味で僕が園子温作品に引かれたのもモノローグだったのだと思います。園作品には圧倒的なまでのモノローグが冒頭から始まります。
「紀子の食卓」「愛のむきだし」を観ればわかりますが、冒頭のモノローグで登場人物の内面は観る人に説明され、状況がわかります。あと肝心なのはモノローグはセンスが大事なのでこれがダメだとやっぱりダメになります。
園さんの場合は高校生の時に「ジーパンを履いた朔太郎」と言われたこともある詩人ですから言葉のセンスはいいわけです。
そういえば宮台さんとのトークでなんであんなにモノローグ長いのかって話の時に最初の時点でキャラクターの気持ちを観客に伝える事でその後なぜその人物がそういうことを言うのか動くのかが観る人に違和感がなくなると言われていました。
そういう効果が羽海野さんのモノローグにもあって、あとで人物が言う事や行動が読む人間にも違和感がないのです。というのは実は物語としては非常に大事な要素だろうと思います。
今作「3月のライオン」は脇役が熱いキャラも多いです。台詞も良いですね。「一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ。でないと実は誰もお前に頼れないんだ」とかね。一理ありますね。
↑以前井の頭公園の神田川の源流から神田川が隅田川に呑み込まれるというか合流する隅田川まで歩いてさらに晴美埠頭公園まで歩いた時に撮った橋の写真がマンガの中にも使われている。このマンガ隅田川付近が舞台。
スプリングバケーションEP
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20080428
「3月のライオン」がノイタミナでアニメ化するなら主題歌はぜひ秦基博さんにしてほしい。
秦 基博 / 僕らをつなぐもの
寝れなかったのは石田衣良「ドラゴン・ティアーズ」を読んでいたからなんだけど。この作品は読みやすい、うん衣良さんの作品はそれに尽きる。
シリーズが長期化してるので新鮮みがなくなってきてる、一冊で一つの大きな事件とかやってくれたほうがいいとは読みながら思った。
短編だと非常に読みやすいし時事ネタ(書いた当時の)入れているんだけど、けっこう簡単に解決しちゃってるので肩すかしになる確率が高い。 あるいは世代交代としてマコトから次世代の少年にバタンタッチとかありなんじゃないかなあとか。
確かにこの本の最後の「ドラゴン・ティアーズ」の落とし方はいかにも「I.W.G.P」シリーズの感じで好きだけども。「骨音」収録「西口ミッドサマー狂乱」を越えてるものがあれ以降ないのは残念。
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/08/07
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最近の読んだものや聴いたものの感想とかとか。
- 作者: 能町みね子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/08/04
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「チン子」付いてるけどOLしてた著者の実体験。世界は見方によってこんなにも変わるし、ちょっと笑えてしまう。
普通に生きるという感じが伝わってくる、がんばってるだとかかわいそうだとか思われたくないって。 そうだよねえ、人から勝手に苦労してるとか可哀想だと思われたい人も中にはいるだろうけど、ほっとけ普通に暮らしたいんじゃって人の方が実際は多いのかも。
今は「チン子」なくなってOLさんでもなくライターさんらしいです。
- 作者: 高月靖
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/08/04
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きっとこの本を北方謙三氏読んだら言うでしょう。 「ソープへ行け!」と。
非常に面白かった、知らない世界のことはやっぱり興味深い。僕も高級なラブドール買うならたぶん風俗に行くタイプだとは思うけど。
- 作者: 水道橋博士
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/08/01
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死を受け入れながらもできるだけ楽しい人生を送るためには肉体の維持と健康が不可欠。
まあ、楽しく生きたいから健康を無視できないわけで、博士のように行き過ぎるというか飛び越えるともはや死に対してのテロリスト。 ああ〜加圧トレーニングしてえ〜、断食で体の毒素出してえ〜と読み終わって思いました。
近所には女性専門の加圧トレーニングしかありませんでした、ガッデム!
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2009/07/24
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映画ってこんなにもすげえんだって思える内容。四時間の映画、でも観た人はみんな思う、体感時間は半分ぐらいなまでに速い、これはジェットコースター映画。
映画の醍醐味がいっぱい入ってる。アイドルのパンチラ出まくって勃起している映画だけど最後は号泣してしまう、全てが過剰なまでにむきだされて心を掴まれてしまう。
とりあえず観てほしい映画。 心から求める人がいてその人のために自分の全てを失うような行為は神聖的で狂気だ、愚かで美しい、そんな姿をユウとヨーコに見てしまう。
だからやっぱり園子温は鬼才なのだ、世界で勝負できる才能。世界の方では評価されてるのに日本で日本メディアがきちんと伝えてないだけ。
映画館で観たいと思える作品であることの正しさをもちうる作品って少なくなってるだけにこの作品に秘められた破壊力に触れて欲しい。 本当にクリエイティブなものは今までの基準をぶち壊して受け手に新しい基準を再構築させる。だから世界観が広がるキッカケをくれるもの。
「愛のむきだし」@東京フィルメックス
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20081130
「愛のむきだし」初日舞台挨拶
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20090201
- アーティスト: ACIDMAN
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世界観の構築はずっと深化してるし、スリーピースでのトライアングルは強固になっていると思う。 だからこそ、というかスリーピースの限界というか大きく変化する事はないのが良い事なのか悪い事なのか。
アルバムとしては好きだが今までの過程の延長線上にある。 このカッコ良さはもっと変化していっても残ると思うのだが。サイドギターなりキーボードなり入れる事でもっと多角化した世界で彩るACIDMANも聴きたいと思う。