Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』


監督:リチャード・リンクレイター
出演:ブレイク・ジェナー(ジェイク)、ゾーイ・ドゥイッチ(ビバリー)、グレン・パウエル(フィネガン)、ワイアット・ラッセル(ウィロビー)、オースティン・アメリオ(ネズビット)、テンプル・ベイカー(プラマー)、ウィル・ブリテン(ビューター)、ライアン・グスマン(ローバー)、タイラー・ホークリン(マクレイノルズ)、J・クイントン・ジョンソン(デイル)、タナー・カリーナ(ブラムリー)、ジャスティン・ストリート(ナイルズ)、フォレスト・ビッカリー(コーマ)ほか


リチャード・リンクレイター監督が1980年代の大学野球部を舞台に描いた青春群像劇。70年代の高校卒業式前夜を描いた出世作「バッド・チューニング」や、ひとりの少年が大学生になるまでを12年間かけて撮影したオスカーノミネート作「6才のボクが、大人になるまで。」の精神的続編とも言える作品で、大人への扉をあける青春のひと時を描いている。大学野球部の仲間たちが、新学期が始まるまでの3日間に織り成す人間模様を、懐かしの80'sサウンドに乗せて描き出す。出演はテレビシリーズ「glee」のブレイク・ジェンナー、「ヴァンパイア・アカデミー」のゾーイ・ドゥイッチ、テレビドラマ版「ティーン・ウルフ」のタイラー・ホークリン。(映画.comより)


 愛すべきバカしか出てこないかつてあった時代の青春映画だと言える。老けすぎだ、とも思うがそういう時代のファッションだし、昔の方が若い人も成熟していたのか、でもやってることはバカだからなあ、老けていたのか。今の世界が若さに比重が行きすぎて年齢通りの年恰好ではなくなってることもあるのかもしれない。
 80年代は豊かでバカ騒ぎできた時代だったのだろう、未来に希望や楽しくやっていけると多くの人が信じていた、たぶん。『レスラー』でも90年代にグランジが流行り陰鬱な時代になって80年代は最高だったという台詞があった。
 少し上の世代には甘酸っぱい記憶を甦らす映画だろう。
 僕らが思春期を過ごした90年代は前ディケイドの残り火の余韻で終わってしまったことに目をそらしていたし、次のゼロ年代の内向きで傷つきやすい「わたし」とインターネットが当たり前になる時代の前史が混ざりあっていたからこんなテンションではないよなあ、とも。上の世代と彼らの子供世代なデジタルネイティブ(1980年生まれ前後言うけど感覚としては1990年前後なんだよな)が結びつくのを見るのと取り残されていく狭間世代なんだろうはよく思う。