Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『湯が沸くほどの熱い愛』『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』


宮沢りえの「紙の月」以来となる映画主演作で、自主映画「チチを撮りに」で注目された中野量太監督の商業映画デビュー作。持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉が、突然の余命宣告を受けてしまう。双葉は残酷な現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫を連れ帰り休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘を独り立ちさせることなど、4つの「絶対にやっておくべきこと」を実行していく。会う人すべてを包みこむ優しさと強さを持つ双葉役を宮沢が、娘の安澄役を杉咲花が演じる。失踪した夫役のオダギリジョーのほか、松坂桃李篠原ゆき子駿河太郎らが脇を固める。(映画.comより)


 この作品は最後のあれが監督はやりたかったんだろうな、と思うと宮沢りえ演じた双葉や家族たちのそれまでがより色濃く残る。鶴瓶師匠の息子さんの駿河さん探偵がいい味だわ。




山田孝之が、違法な高金利で金を貸す闇金融業者・丑嶋馨に扮する「闇金ウシジマくん」シリーズの最終章。ウシジマが闇金融の世界に身を置くことになった過去の因縁が明らかにされる。ある日、ウシジマの中学時代の同級生・竹本優希がカウカウファイナンスに現れ、生活のための金を貸してほしいと言うが、ウシジマはその頼みを断る。金を借りられずに事務所を去った竹本は、住み込みで労働ができるという「純愛の家」に入居することになるが、「純愛の家」の実態は、入居者に過酷な労働を強いる貧困ビジネスだった。ウシジマの中学時代を知る竹本役を永山絢斗が演じ、真飛聖真野恵里菜、YOUNG DAIS、安藤政信間宮祥太朗ら豪華キャストがシリーズのラストを飾る。(映画.comより)


 『闇金ウシジマくん the Final』を安藤政信さんが出ているのでドラマも他の映画も観ていないが、観にいった。僕は中学生ぐらいから俳優として安藤くんが好きだったので、彼が当時所属していたSDP(スターダストプロモーション)のサイトとかずっと見ていて、所属している女優さんが好きな顔が多いので好きな芸能事務所の一つではあった。
 安藤くんはTBSのドラマで主演を張り始めた頃に、ドラマとか脚本も読めずに勝手にキャスティングされるのは嫌だと言い映画に専念したいと、売れっ子俳優になることを自ら降りたと聞いたことがある。そのことで起きたのは、SDPは彼以降の若手俳優はそちらのレールに行かせないようにした。
安藤くんの下の若手俳優とは山田孝之市原隼人の二人であり、彼らはドラマの主演を張ってある種アイドル俳優としてドラマの主演で有名になっていった。
 これはmixiをやっている時代にコメントを書き込んできた山田孝之ファンからだったが、安藤くんのせいで下の世代は事務所の引いたレールから外れることができなくなった。しかし、10年すると役者本人が望んだ作品に出るのはOKになったので、山田はやりたくもない正統派の主人公をやっていた。そこを耐えてからの山田孝之はある時期を過ぎると、やりたい放題とも言えるほどの正統派主演俳優だったのにこんな役までやるか?というほど多種多様な役をやり始めて、その存在感はさらに増していった。この辺りの10年とかが本当なのか嘘なのかはわからない。がありえるだろう。
 ただ、今作における安藤政信の使われ方は、そのことを知っているとSDPが作った映画に、かつて所属していた彼が出る理由とは禊だったのではないかと思えるシーンに見えてくる部分がある。
 ウシジマの地元の先輩だった鰐戸一は少年時代から因縁があり、ウシジマに復讐しようとするが、逆にボコボコにされてしまうという役どころであり、彼の最後のシーンは素っ裸でウシジマによってやってきたある集団に完膚なきまでにやられている。
 SDPという事務所で考えると今作に敵役として元所属俳優だった安藤くんが出ていることはなんらかの思惑がありそうだなと思えてしまうのは、多分、僕が彼の20年近くのファンだからなのかもしれない。