Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ブルックリン』


監督:ジョン・クローリー
出演:シアーシャ・ローナン(エイリシュ・レイシー)、ジュリー・ウォルターズ(キーオ夫人)、ドーナル・グリーソン(ジム・ファレル)、エモリー・コーエン(トニー・フィオレロ)、ジム・ブロードベント(フラッド神父)、フィオナ・グラスコット(ローズ・レイシー)、ジェーン・ブレナン(メアリー・レイシー)、アイリーン・オイヒギンス(ナンシー)、ブリッド・ブレナン(ケリー)、エミリー・ベット・リッカーズ(パティ)、イブ・マックリン(ダイアナ)、ノラ=ジェーン・ヌーン、サマンサ・マンロー、ジェシカ・パレ、メラ・キャロンほか









1950年代、アイルランドからニューヨーク・ブルックリンにやってきた移民の少女の青春や揺れ動く心を、「つぐない」のシアーシャ・ローナン主演で描き、第88回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、脚色賞にノミネートされたドラマ。脚本は、「ハイ・フィデリティ」「アバウト・ア・ボーイ」の原作者で、「17歳の肖像」「わたしに会うまでの1600キロ」などで脚本家としても活躍する作家のニック・ホーンビィ。監督は「BOY A」「ダブリン上等!」のジョン・クローリー。大人しく目立たない性格の少女エイリシュは、妹の将来を案じた姉の勧めで、アイルランドの小さな町からニューヨークへとやってくる。それまでとはあまりに異なる大都会での生活に戸惑うエイリシュは、しかし、イタリア系移民の青年トミーとの恋をきっかけに大きく変わっていく。洗練されたニューヨーカーとして生き生きと日々を過ごすエイリシュだったが、そんな彼女のもとに故郷からある悲報がもたらされる。(映画.comより)


 角川シネマにて鑑賞。公開から一ヶ月近く経っていることもあるし、移民の話でもあるので客層は僕以外はほぼ50overかそれ前後な感じだった。連れ立った女性の人が多かった印象。この原作でもある新潮クレストから出ている小説は未読だったが、読んだ人からの評価も高かったので気になっていた。もうすぐ公開も終わりそうだったのもあり観に行ったが素晴らしかった。
 主役を演じたシアーシャ・ローナングランド・ブダペスト・ホテル』のあの子か! 美人なんだけどどこか愛嬌のある顔で、海を渡って変わっていく女性をうまく演じていたと思う。物語の中盤以降に一度アイルランドに帰ってくるが、故郷の空気というか田舎のなし崩しに進められていくこととか近所の目とかはやはり田舎から一度は都会に出た人ならばわかる感覚だろう。
 「故郷」とはかつて生きていた場所と時間の積み重ねだけではなく、今、自分が生きていたい人たちと一緒に居たい場所のことだと観終わって思った。
 船でニューヨークに向かった田舎娘だったエイリシュとラスト付近での物語の円環のような、かつての自分に似た少女に対する対応は彼女が成長した証であり心地よく映った。
 エイリシュたちの服装もカラフルな衣装で色彩も十二分に楽しめる。一緒に生きていた人といることを選ぶことが、きっと人生において一番大事なことなんだろう。