Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『東京の街が奏でる』第二夜

3/21
シェイム

監督:スティーブ・マックイーン
キャスト:マイケル・ファスベンダーキャリー・マリガンジェームズ・バッジ・デール、ニコール・ベハーリー


ストーリー・ニューヨークを舞台にセックス依存症の男の苦悩を描き、2011年・第68回ベネチア国際映画祭マイケル・ファスベンダーが主演男優賞を受賞したドラマ。ニューヨークでエリートサラリーマンとして働くブランドンは、セックス依存症から抜け出せずにいた。そんなブランドンのもとに、恋愛依存症リストカット癖のある妹シシーが転がり込んでくる。互いに相容れない2人はともに生活することでますます孤独を深めていき、事態は悪い方向へと転がっていく。妹シシー役でキャリー・マリガンが共演。監督はイギリスの新鋭スティーブ・マックイーン。(映画.com)





 水曜日なんでレディースデイで女性客が多かった劇場。予告で前から観ててちょっと観てみたかった作品。
 今回の予告で『ヘルタースケルター』特報観たけど一番ググッくるのは原作・岡崎京子な部分だけかな。ヴィヴィッドな絵柄は蜷川さんの写真の感じだったけど。 沢尻が原作を目指しますって前に記者会見で言ってたけど原作目指すなら実写やんなよ、実写でしかできない表現とか想いがないならしないでいい。


 監督や脚本家やプロデューサーが原作ありきでもその核をうまく使いながら自分たちの表現に特化する気もないなら原作にも失礼だよね。
 企画通りやすいって理由だけで作ってそうな連中は原作者とか他の創作に敬意がないんだろうから作ってもつまらないものになるんだろう。岡崎京子という名前を汚すような作品にだけはしないでほしい。

 『シェイム』はセックス依存症の射精したくて仕方ない兄貴とヤンデレリスカな妹っていう精子の白さに血液の赤さという人間の生(性)の問題をドライに説明はできるだけせずに描いていた。


 まあ、冒頭でブランドンことマイケル・ファスベンダーのちんこがふつうにチラ見な感じで見えるからあれボカシもモザイクもないんだって思って観てたら次ぐらいからボカシ入るし、なんでやと思いながらだいたいセックスするかオナニーするかなブランドンさん。風呂場でオナニーしてたらリスカな妹に見られたり職場のパソコンがウイルスに感染してパソコン修理に出したら友人で上司な友だちにエロサイト見まくってるのバレたりして部屋のエロ本だとかエログッズとかパソコンをゴミ袋に入れて捨てたりして中学生か!お前はって思うような、過去になんらかの出来事があったみたいだけどその事は特に描かれずに物語は進んでいく、妹が部屋に寝泊まりするようになってブランドンはどうもボロボロになっていくのに比例するようにセックスというか射精することが増々増えるからレッドブルを出社時にには飲んでる状態なエリートさん。


 特に感情移入することもなく、性的興奮もなく最後に妹が取る行動も見ていて痛々しいけどめんどくせーと思わされるしこの兄妹の性衝動とリスカ的な自傷行動にある生きるということに孕まれている生死の狭間で揺れる欲望や諦めがすごく淡々とドライに撮られていて嫌いではなかった。でも特に人に勧めようとは思わない。


3/22
group_inou / RIP


十年メモ
http://nununununu.net/nu/2012031113
↑数日前に頼んだこの日記帳を不在票が入っていたので映画観て帰ってきた後に郵便局に取りに行ってきました。


 本日ついに二十代も終焉し三十代に突入しました。「十年メモ」は同じ日にちのページに十年の毎年が各年ごと段落で並んでいるので十年書き終えるとその日その日のページに十の違う年の日記が並びます。まあ四月一日スタートなやつですが。


 なんとか生き延びて三十代の日々を書ければいいなと思います。できるだけ楽しい事を嬉しい事を書けるように。


 二十代という十年は東京で過ごした時間でした。だからこの十年は上京してからの全てです。いろんな人と出会って楽しくやってこれました。
 最初の頃は酒も飲めなかったから吐きまくってたけど、今でも酒は弱いけど飲みとかに誘ってもらったりするようになってそこから広がった関係や出会いには本当に感謝してます。幸い運が良いのか嫌いな人とかにあんまり会わずに済んでて。


 僕の二十代前半は専門の友人たちやバイトで出会った人達と楽しく和気あいあいと過ごさせてもらいましたし、後半は今の彼女と付き合いだしてからその流れで社会学者のcharlieこと鈴木謙介氏と出会い、charlieに声をかけてもらって呼んでもらった場所から多くの人に出会い知り合うきっかけをいただきました。
 二十代後半に出会った人の多さや面白さは刺激的でしたし縁がなかったジャンルの方々に与えてもらった影響は少なくても今の僕を形作ってます。本当にそういう意味で彼女とcharlieには感謝してます、二十代後半はめっちゃ楽しかったと思えるのは二人に出会ったからです。


 創作者としては特に映画監督の園子温さん、小説家の古川日出男さんの作品に影響を受けた二十代でした。お二人の作品に宿る狂喜=狂気=凶器にはいつも震えさせられ憧れています。
 クレバーにクレイジーに真摯な態度で創作することでしか越えれないラインのその先をいつも見せてもらい体験させてもらい続けていますが、僕自身もそうなりたいし、そうならなければ届けるべき所に届かないのだと思ってます。
 

 二十代は僕なりに充実はしていたと思います、だけどなりたいものに結局はなれずじまいでした。三十代はできるだけ早くやりたいものになり色んな人を巻き込んで面白い事ができるようになりたい。これからもよろしくお願いします。


 朝起きてTOHOシネマズ渋谷に行ってこないだレンタルしようか迷ってしなかったら日曜日にテレ朝で放送じゃないかよな感じで観て前の「1」を観た流れで『シャーロック・ホームズ シャドウゲームズ』という「2」を観に行った。前日の二十代最後の映画は『シェイム』でしたが、三十代最初の映画は『シャーロック・ホームズ シャドウゲームズ』になりました。


 今年はわりと映画館に足を運んでますね。去年は東北地方太平洋沖地震があって映画館にあんまり足が運べなかったしまあ気持ちの問題もあったりしましたし、その反動もあるのかもしれないです。僕はDVDとかレンタルで基本的に借りて家で観ないので。というか集中力が持たないから難しい、だから観ながらツイートしたりしながら観るっていう何か+何かをしながらな感じになる。


 小説は読むから集中できるけどたいてい音楽かけて読んでるし。朝一の回でしたけどまあさすがに平日だしあんまりいなかった。



監督:ガイ・リッチー
脚本:ミシェル・マローニー、キーラン・マローニー


キャスト: ロバート・ダウニー・Jr.、ジュード・ロウノオミ・ラパスジャレッド・ハリスレイチェル・マクアダムス、スティーブン・フライ、エディ・マーサンケリー・ライリー、ジェラルディン・ジェームズ




ストーリー・アーサー・コナン・ドイルの生み出した名探偵シャーロック・ホームズを主人公に、ガイ・リッチー監督、ロバート・ダウニー・Jr.主演で描くアクション「シャーロック・ホームズ」(2009)の続編。ヨーロッパ各地で連続爆破事件が発生し、ホームズは天才数学者で作家のモリアーティ教授こそが黒幕だと推理する。事件に関与していると見たアイリーンが姿を消し、「手を引かなければワトソンの命も狙う」とモリアーティから脅迫されたホームズは、事件解決の鍵となる女性シムを探しにフランスへ向かうが……。前作に続きジュード・ロウレイチェル・マクアダムスが共演するほか、シム役で「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のノオミ・ラパスが参加。(映画.comより)


 ガイ・リッチーのこの『シャーロック・ホームズ』シリーズはまあホームズとワトソンのホモソーシャルな関係に萌えながら観るしかないだろう的な内容ですね。その関係を楽しむという日本ではBL(ボーイズラブ)な文化を愛でるというのも浸透してきましたし女性のお客さんはアクションとかよりもホームズのワトソンへのそのホモソーシャルな気持ちを楽しんでるのではないでしょうか。

 ワトソンの結婚式で前日にまあ派手にやった後に式場に運んで行ってライスシャワーを浴びるワトソン夫妻を見るホームズのあの微妙な微笑みね、哀しみが潜んでる、あれ。
 でハネムーンに出かける夫妻を今回の敵でモリアーティ教授によって狙われホームズが忍び込んで二人を守ろうとするんだけど汽車に乗ってるんだけど嫁を途中である意味では足手まといだから完璧なタイミングで汽車が走ってる下の湖というか川に突き落とす。でハネムーンだぞ! おまえよくも〜ってワトソンにキレられるんだけどまあそれによってまた二人でモリアーティ教授に挑んで行く。


 確かにヒロイン的なシムはいるけどこの二人の間にはまったく入れずにヒロインの意味特にないよね?っていうちょっと重要なコマみたいな感じ。


 推理ゲームっていうのはアクションたくさんで薄いけど最後まできちんと伏線やネタを貼っていて後から実はあの時のシーンはこういうことだったとか何かを仕掛けてたのがわかる感じとかはエンターテイメントとして楽しめた。


 まあ「3」やるんだろうなあって。ガイ・リッチー作品ほぼ観てないからに近いから『スナッチ』とか観てみようかなって思った。


 夕方に初台に行って小沢健二『東京の街が奏でる』ツアーの第二夜を観に行ってきた。始めて東京オペラシティに行きましたけど、中に入ったけどデカイっすねえ。仕事が遅れてギリギリな感じで来た彼女と合流して中へ。
 一階席の一番後ろの30列の右の端っこでしたがとてもよく観えました。前回の14年振りだっけなツアーは最終日の福岡サンパレスの三階席から観たんですけど全然遠くて見えなかったのもあって今回は見えたってのもあるんだけどタケミツホールは音もいいし見えやすいかなと。


小沢健二『ひふみよ』ツアーファイナル@福岡サンパレス 06/25
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20100627


 以下に2ちゃんから取って来たセトリをコピペしてるのでこれから行く人でネタバレしたくない人は見ない方がいいとは思います。でも初日のセトリに第二夜の前座とその前座の人とやった曲を足してるだけなんで本当に合ってるのかはわからないんですけどね。僕曲名覚えれないんで確信があまりないですが。

 
 第一夜の前座と言う名の前説はスチャのBOSEさんだったらしいのですが第二夜はスカパラGAMOさんでした。どうも前座は小沢健二の友人たちが日替わりで出るらしいです。
 さあ最終日に小山田圭吾が来たりしてフジロックでフリッパー電撃的に再結成しますとかなったら今年のフジロックがストーンローゼスにレディオヘッドフリッパーズギターになると三十代後半と四十代前半の人達の超絶な祭りになりそうですけどね。まあ、それはないか。
 

朗読 音楽という時の芸術 ※GAMOによる前座
朗読 振り子
01 東京の街が奏でる ※新曲
02 さよならなんて云えないよ
03 ドアをノックするのは誰だ?
04 いちょう並木のセレナーデ
05 今夜はブギー・バック/あの大きな心
朗読 文章の長さ
06 あらし
07 いちごが染まる
08 それはちょっと
朗読 Believe
09 天使たちのシーン
10 おやすみなさい、仔猫ちゃん!
11 Back To Back
朗読 歳をとって分かること
12 東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー
13 僕らが旅に出る理由
14 強い気持ち・強い愛
15 春にして君を想う
朗読 インド映画と130グルーヴ
16 暗闇から手を伸ばせ
17 愛し愛されて生きるのさ
18 ラブリー
19 ある光(Full Length)
20 神秘的 ※新曲
21ドアをノックするのは誰だ? feat.GAMO(from 東京スカパラ
22 東京の街が奏でる ※新曲


 この前のUstで前のツアーの音源のCDとなんか諸々付けたボックスセットの販売とかは聞いてとても残念だったしそんな過去の縮小再生産で儲ける事はクリエイターとしてまったく未来に向いていないと思ったしファンもファンでそれを批判しないのはやっぱり、恋は盲目というかこればかりは外野が言っても仕方ないのだと思ってたし、じゃあ完全に新曲ばっかりのニューアルバム作って出せやって思ってた。だから今回はできるだけ新曲やってほしいなって思ってた。

 
 一曲目の『東京の街が奏でる』っていう新曲から始まって期待したんだけどまあ新曲2曲だけだったけどね、やっぱり!
 曲のアレンジとか変わってたしバンドの編成も前回とは違った。今回も朗読を挟みながらでしたが前回ほどの痛さに似た何かは薄れて、いや前回聴いたしパルコでやってるやつも彼女と観にっていうか聴きに行ってたから抗体ができてたのかもしれない。


 ただ朗読に関しては「文章の長さ」は僕も普段から考えてる事と近かったのでよかった。今回の朗読はどことなく前回のあの朗読の間の客のある種不安な空気を感じて反省したのかユニークな感じが入っていてそれで笑いが起きるような感じの文章や運びになっていたと思う。


 『今夜はブギー・バック/あの大きな心』はスチャのラップの部分もオザケンが歌ってのが新鮮だった。スチャは来ないんだなあっていうのもわかるし。


 朗読「Believe」はbelieverだと日本語なら「信者」でっていう事で何かを信じる事の強さについて話してて日本だと「信者」っていい感じの言葉に聞こえないのはなんでだろうって。信じるものの強さの大事さとかね言ってた。
 まあ、オザケンも自分の事を求めてくれるファンが90年代の王子な自分を見ているのもわかってるからこういうセトリだし新曲作れないのかどうかはわからないけど新曲は少ないしね。だからここで「信者」っていう言葉使うのは中々凄いなっと思ったりしたけどね、僕は「信者」じゃないので第三者的な感じで見てました。
 

 前回のツアーで僕が一番好きな『ある光(Full Length 』は冒頭のイントロだけで聴けなかったので昨日聴けてそれは本当に嬉しかった。この曲だけでフォークギターじゃなくてエレキに変えてた。あと客席もライト当たって照らしてた。そうだ、前回のツアーでかつての曲の英語歌詞を日本語に変えてたのは継続されてたなあ。「感じたかった僕らを待つ〜」「完璧な絵に似た」とかそういうのはその歌詞で歌ってた。

 
 『東京の街が奏でる』『神秘的』とか歌詞はうまく聴き取れなかったけどこういう曲でアルバム作ったら聴きたいなって思った。
 90年代に祝福されてずっと呪縛されてるオザケンとファンたちなのかなもしれないなあって思ったりするけどファンの人はたぶんそういう新しいアルバムにはそんなに興味ないんだろうなあとは思う。


 前回の『ひふみよ』ツアーよりもなんかよかったなあって思った。雰囲気がよかったのもあるだろうし音も前のとこよりもいいからかな。あとやっぱり客のボーダー率高っ!

 
 途中で今考えてる物語のひとつに95年に生まれた主人公たちの一人の母親がオザケン好きでその子(娘)を捨てて東京で暮らしてて娘を呼んで一緒にこのライブを観てるっていう設定にしようと思ってたからその事を考えながらライブを観てた部分はあった。
 「歳をとって分かること」とかの辺りとか『愛し愛されて生きるのさ』の「大人になりずいぶん経ち〜」で映像がわりと脳裏に浮かんできてて。
 母親は年を取る事で出来る事も増えたしやっと娘を迎え入れれるような余裕もできたし好きなオザケンのライブで楽しんでるんだけど娘は全然その事を理解できないしあんたはわたしを捨てて好き勝手にやって生きてきただけじゃん、あんたに愛された記憶なんかないみたいな。で最後は母親を拒絶して祖父母の場所に母の戻れない故郷に帰って行くっていう展開にしようと。そうやって九十年代の延長線で生きる親と九十年代なんか関係ない、それを終わらしていく次世代を書けたらいいなって思った。


 僕は現実に起きてる事とかノンフィクションをフィクションにぶち込んでしまいたい。僕が九十年代の影響下にあるので別のオザケンが嫌いとか好きとかじゃなくてある種のアイコンとして使うならやはり彼になるのかなって思うんだよなあ、九十年代を過ごした人に読んでほしいのは西島大介著『I Care Because You Do』っていうマンガ。九十年代を過ごした青年三人の彼らの神様との話、神様とお別れして行く話、世界は終わらずに続いて大人になった彼らの話。


 『さよならなんて云えないよ』の歌詞聴いたら樋口毅宏著『さらば雑司ヶ谷』でこの曲に対してタモリさんが絶賛したっていう件がどうも浮かんでしまったのは樋口さんのせいでしょうね。オザケンのファンの人はこの小説読めばいいのに。

ヘルタースケルター (Feelコミックス)

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