Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『フューリー』試写

 数日前に家の近所で会った樋口さんが映画の試写帰りだって言われていてそれが『フューリー』だった。樋口さんも観た方がいいと言われていてけっこう絶賛だったので気になっていた。で、試写の日程を教えてもらって角川映画に知り合いの人がいるのでどうかな?とお願いしたら観に行けることになった。ナイス繋がり!
 主演のブラッド・ピットの来日も近くて今月末公開で試写の日程も残りわずかなので早めに来ないと席なくなって観れない事もあるよと言われたので早く向かった。
 九段下駅下りるのはたいていの場合は武道館でなにかのライブを観るときだけだが、反対側の出口を出ると靖国神社があってその向こうの富士見のほうに角川書店の本社がある。前に一度試写に行っていたのでなんとなく道はわかっていた。地上に出ると微妙すぎる小雨が降っていた。
 靖国神社を横目にまっすぐ歩いて途中で曲がると角川試写室のあるビルというか建物が見つかった。一時間以上早く着いたのでイスに座って昨日配信された『水道橋博士のメルマ旬報』をスマフォで読んでいた。本当にこういう時の時間つぶしとして最高のものだと思う。僕も書いててなんですが。


 13時からだったけど三十分前には受付して中に入れたけど満席でたぶん観れずに帰った人も数人はいたと思う。あと、たまたまなんだけど今朝配信された宇野常寛さんがやっているPLANETSのほぼ日刊惑星開発委員会
2014.11.11 vol.198が『「Newtype」で振り返るオタク文化の30年、
そして「2020年以降」の文化のゆくえ――KADOKAWA代表取締役専務・井上伸一郎インタビュー』(だったこともあり、なんだかそういう日なのかしらと思った。『フューリー』やる前にもなんか試写してたみたいで井上さんらしき方が出てこられたような気もしたが実際にお会いした事ないので違う人かも。あと角川で言えば窪美澄さんの新刊『水やりはいつも深夜だけど』も角川書店から15日に出るのだった。



監督/デビッド・エアー
出演/ブラッド・ピット ドン・コリアー(ウォーダディー)、シャイア・ラブーフ ボイド・スワン(バイブル)、ローガン・ラーマン ノーマン・エリソン、マイケル・ペーニャ トリニ・ガルシア(ゴルド)、ジョン・バーンサル グレイディ・トラビス(クーンアス)ほか





ブラッド・ピットの主演・製作総指揮で、第2次世界大戦下、たった一台の戦車で300人のドイツ軍部隊と渡り合った5人の兵士たちの姿を描いた戦争アクションドラマ。「エンド・オブ・ウォッチ」のデビッド・エアー監督が手がけ、共演にはシャイア・ラブーフローガン・ラーマンマイケル・ペーニャら豪華俳優が集った。1945年4月、ドイツへ侵攻する連合軍の米兵ウォーダディーは、自ら「フューリー」と命名したシャーマンM4中戦車に乗り、戦いを続けていた。ウォーダディーと3人の仲間に新兵のノーマンも加わり、5人となった部隊は絆を深めていくが、進軍中にドイツ軍の攻撃を受け、他部隊がほぼ全滅。なんとか生き残ったウォーダディーの部隊にも、過酷なミッションが下される。






↑バイブルやってた人ってラース・フォン・トリアー監督『ニンフォマニアック』で主人公のジョーの初体験の相手のジェロームやってた人だよね、かなり売れてる人だったのか。


 いまのご時世に観るということも含めて、いや含めなくても圧倒的ですごかった。ある意味では仕事論的に観ることもできるのだけど百年も経たない時間の中で起きた戦争というもの、無慈悲でただの殺し合いの果ての現在があるのだと思うと、で行き帰り靖国神社の前を通るわけだしあの首相の顔を見るとほんとうにいろいろ思うけどやっぱり今観るべきだと思う。
 そしてデヴィッド・エアー監督とんでもない映画監督だ。彼が監督していてアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『サボタージュ』も観に行かないといけないと思った。


 ドンが新米のノーマンに人を殺せ、それが仕事だっていうシーンでドイツ兵を銃で殺せという所とか善も悪もなくてただ最終目的は平和であろうが兵士は目の前にいる敵兵を殺すしかない、殺されないために。それが戦争であり人間がいかに酷い事ができるかということを見せつけられる。無慈悲な世界で救いはない。ちょっといいなと思ったあの娘だっていつ死ぬかわからない、自分が明日、数時間後、たった数秒後に生きているかわからない世界、そんなくそったれな世界で一台の戦車に乗った五人が大事な十字路の先にドイツ兵を行かさないために戦う、それは兵士だから任務だから。彼らがあるドイツの村に入ると電柱とかに人がぶら下がっている。ドイツの人たち、戦争をしたくないとヒトラーの総力戦という全ての国民が戦うということについて嫌だと言った人たちは殺されて電柱とかにぶら下げられて首からは非国民ですみたいなことを書かれたものを。それを観るだけで本当に嫌な気持ちになった。正しい事が正しさではなく排除されてしまう日常が戦争だ。独裁政治の世界だ。この作品の戦闘シーンとか本当に迫力もあって『プライベート・ライアン』とかみたいに後世に残る作品でもあると思うけど観ていて本当に戦争なんかしてほしくないし、そういう空気になってほしくないと思う。こういう時期だからこそ公開されたら多くの人に観てもらいたい映画だった。

甘い復讐 (単行本)

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水やりはいつも深夜だけど

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