Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『世界にひとつのプレイブック』

 TOHOシネマズ渋谷にて観賞、水曜日はレディースデイだから女性がほとんどでしたね。朝イチの十時の回。



監督/デビッド・O・ラッセル
キャスト/ブラッドリー・クーパー/パット、ジェニファー・ローレンス/ティファニーロバート・デ・ニーロ/パット・シニア、クリス・タッカー/ダニー、ジャッキー・ウィーバー/ドロレス




<解説>それぞれに最愛の人を失い心に傷を負った男女が再生していく姿を、笑いや涙を交えて描いたヒューマンコメディ。監督は「ザ・ファイター」のデビッド・O・ラッセル。主演は「ハングオーバー!」のブラッドリー・クーパーと「ハンガー・ゲーム」のジェニファー・ローレンス。妻の浮気が原因で心のバランスを崩したパットは、仕事も家も失い、両親とともに実家暮らし。いつか妻とよりを戻そうと奮闘していたある日、事故で夫を亡くして心に傷を抱えた女性ティファニーに出会う。愛らしい容姿とは裏腹に、過激な発言と突飛な行動を繰り返すティファニーに振り回されるパットだったが……。パットの両親役でロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーバーが共演。第85回アカデミー賞では作品、監督、脚色、主演・助演男女と主要部門すべてでノミネート。ローレンスが主演女優賞を受賞した。


ブラッドリー・クーパー、主演に指名してくれたロバート・デ・ニーロに感謝
http://eiga.com/movie/77849/interview/
(上記は映画.comより)



 この映画を知ったのは先月で、歩いていると偶然お会いした作家の樋口毅宏さんが試写を観に行った帰りだったらしく少しお話をさせてもらって、町山さんも絶賛されているらしいと聞く。
 物語の内容や主人公の男のこと聞いて「これ樋口さんまんまですね」と言ってしまったのだけど気になっていたので観に行った。
 

 ↑主演のブラッドリー・クーパーのインタビューでもあるように「2008年という厳しい不況に直面した時期を描いている。ボブ(デ・ニーロ)が演じる父親は、職も年金も失っているしね。人々は金銭的にも心理的にも、これまで経験したことのない新しい現実に向き合うことを強いられていたんだ」とあるのは観ていて気付けなかった。
 職失って年金もみたいな台詞はあったんだけど時期的にリーマンショック以後って事なんだな、なるほど。


 人には精神的な支えがいる。家族も仕事もお金もバランスを欠いてしまうといろんなものが総崩れになってしまう。主人公のパットは妻を家庭を失ったことで精神的にまいってしまった人だ。ちなみに彼は次男坊で長男は弁護士(だったはず)で終盤ぐらいに父から長男とは時間取れたがお前とはあまり時間を作ってやれなかったみたいなやりとりがある。
 ヒロインである『ハンガー・ゲーム』の主役を演じたジェニファー・ローレンス扮するティファニーは夫を事故で失い職場の大抵の男社員(女性も含む)とセックスをして解雇されている。


 パットは先生だったが今は無職でリハビリしながらもまだ精神的に元妻とよりを戻す事に終始していてその考えこそが過去にとらわれていて現在の自分をきちんと見つめる事ができないでいる。だからティファニーが自らの過去を受入れてそれを含めて自分が好きと肯定しているのを聞いても彼女がほうが自分よりも病んでいると思って接する。
 二人とも両親と共に地元に住んでいるので生活はなんとかなっているようだ。デ・ニーロパパはイーグルスの応援をしながらノミ行為で金銭を得ている。ティファニーの両親は娘が関係持った連中が付き合っていると勘違いして家を訪ねてくるのにうんざりしている。


 手紙がキーアイテムになるがそこに隠されている事。観ていてそうなんだろうなって思うんだけどやっぱりパット気付いてたんだなみたいな最後の辺りがいいなあっていうか、いいだよね。
 イーグルスって日本に置き換えたらレッズファンでやれそうな気もした。『水道橋博士のメルマ旬報』連載陣の柴尾さん風にいうとおっぱい指数高めかな、谷間にどうしても視線がいく。ジェニファー・ローレンスって可愛いんだがブサイクなんだかキレイなんだかよくわからない感じ、角度とか表情でだいぶ変わる印象だと思う、でもおっぱいは断固として強調してるみたいに出てた。
 デ・ニーロ父ちゃんいいなあ、と思う。いい親父っぽいけどなんかダメな感じもその年金とかもらえなくて失業してる哀愁みたいなものが漂い過ぎ。
 『ヤング≒アダルト』やこの映画とか観ると好きになるひと多そうだなあと観終わって思ったりした。


 損なわれてしまったものや失ったものを人は取り戻そうとして右往左往するけど、元には戻らないし戻った風に感じてもそれは以前とは違う。主体である僕たちも変わり続けている。変化の中にある今の現在進行形を受け入れながら万物が変わり行くのに寄り添うように僕らは生きている。兆しはどこかにある。そういう映画だった。

ルック・バック・イン・アンガー

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