Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『へんしん(仮)』@こまばアゴラ劇場


 昼の休憩の時に外に出たらBizタワー前でmonster配ってた。monsterギャルがいた。腹だしヘソピーだった。お腹は絞まってないぐらいで動くと微妙に肉が動いてヘソピーでなんだかキレイめな顔だけど可愛らしいお腹だなと思った。




 フィリップ・K・ディックヴァリス(新訳版)』が出てた。『スキャナー・ダークリー』好きには外せない一冊。構造は同じだけどこちらはさらに何段階もかましてくる。まずは山形さんの訳者あとがきを読む。ディックが亡くなった年は僕が生まれた年でこの小説が出た年、1982年。



 快快の新作『へんしん(仮)』を観に駒場東大前に。初めて来たよこまばアゴラ劇場。何回も名前見たり聞いたりしてたのに初めて来たよこまばアゴラ劇場



アンデルセン童話を原作とした、人間らしい動物と動物に見える人間が演じる「へんしん劇」。(仮)な生きものである彼ら/彼女らは「見た目が勝負」である今の社会で、自分自身を変えること、自分自身の物語を選ぶことに救われるだろうか。
作 北川陽子
演出 快快
出演 大道寺梨乃、野上絹代、山崎皓司
ドラマトゥルク セバスチャンブロイ
日時:2014年5月9(金)〜19(月)


舞台美術 佐々木文美
衣装 藤谷香子
照明 中山奈美
音響 星野大輔
舞台監督 佐藤恵
宣伝美術 天野史朗
制作 河村美帆香
Web/写真 加藤和也


 初日をアゴラで鑑賞した。タイミング的にも金曜日の今日がちょうどよかったのだけど。渋谷から歩いて駒場東大前までは二十分ほど。
 快快の今までの作品で感じられた多幸感は弱まっていた。と僕には思えた。前回の『6畳間ソーキュート社会』の時もちょっと今までの感じとは変化しているなって思った。メンバーとか環境の変化とかもろもろあるはずだし未来へのことをやっていたから時間というものはわりと快快の裏テーマというか根本にあるのかもと今書いてて思った。初めて観たのは『MY NAME IS I LOVE YOU』だったけどあれも時間がだよなって思いつつ。
 今作はその時間や世界に刻まれる様々な細部、冒頭の語りから人間やそうではない生き物にどんどん変身して紡いでいくのは精神世界に入ってるみたいなだった。ある種のカオスが観客の内部でそれぞれの記憶を揺さぶるみたい。迷いも全て放つみたいに。いつもみたいに爆笑してしまうところもあるし役者陣の三人の動きや台詞なんかもどんどん入れ替わって「へんしん」しながら物語は進んでいく。どこかカオスな中に迷いみたいなものがあるのかなって思ったりした。『りんご』でやったこと以降はまた新しいものへの移行の時期なのかなと感じなくもない。僕の勝手な思い込みかもしれないけど、そう思わす事も実は快快の狙いかもしれない。


 舞台を観終わってまた快快の新作を僕は観るし観たいと思った。もう、それだけで凄い事なんだろうなって。梨乃ちゃんに挨拶してコージにも挨拶して少しお話を。大変だったんだなってコージの話を聞いて思った。コージのゴリラの形態模写のレベルは凄まじいし、梨乃ちゃんのモノローグみたいな台詞に文学を感じるし、野上さんの動きの躍動感はいつもながら物語性の有無を行き来して動のコージと整(≒静)のリノちゃんを結んでいく。
 快快のカンパニーの感じはやっぱり素敵だし羨ましいものがある。ゼロ年代終わる頃に大地震が来る前は十年代はポップな散乱銃で新しい時代の空気みたいなものが来るのかなって勝手に感じてた。でも、今SEKAINOOWARIのブレイクを見てるとカンパニー的な集団であることの強さはやはりある。


 梨乃ちゃんの台詞のモノローグみたいなあの感じは文字にしても文学的にとは思うんだけど声に出してあのトーンだからこそ余計にそう感じられるというものなのかもしれない。あんな感じの口語体で文章を書くとかなり技量ないと難しいのかもなって思いながら聞いてました。


 快快観た事ない人は舞台観にいったらいいよ、ほんとに。


快快『へんしん(仮)』予約してたから過去公演DVDもらった。帰りが遅かったからか『芝浜』三枚もらったw 東京、大阪、ヨーロッパ公演。


快快『SHIBAHAMA』06/05 @東京芸術劇場
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20100606