Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『囚人のジレンマ』

 バイト先の後輩のKidA君の彼女についての彼が入ってきてから、「彼女いいの?」から始まって、いないと言われながらも前の彼女と一緒に住んでいると聞かされて、向こうは別れたと思っていないという展開になって、????、よくある同棲してたけど別れて金ないから同居みたいな感じなのと聞くと彼女は別れたと思っていないそうで、へえ、で、彼が休みにしている日は彼女の希望らしく一緒にいないといけないらしい。
 ほっほおほう、もう別れてねえじゃん、それって思っていていつも仕事中にわりとそのイタいとしか思えない彼女についてからかってたりしていた。


 彼は早く出て行ってほしいと言っているし、よくケンカになって暴力とまでいかないけどお互いにケンカみたいなことになって大変なんですよとか言っている。
 逃げても追っかけてくるタイプらしく実家はバレていないから最終的にはそこにしかないがそこですらやってきそうなタイプだと言う。家賃は彼が払っていて飯を作っているわけでも掃除とかもしてくれるわけではないらしい。そう聞けば聞く程に寄生虫なのかと思ってしまうわけだが。


 今日も仕事中に話をしていたら24歳の彼とほぼ同年代だと思われる彼女の前職が刑務官らしいことを初めて聞かされた。女性刑務所のらしい。でも、遅番っていうか夜勤とかで体がダメになって辞めたとのこと。
 お前がずっと監視されているようないっつも側にいないといけないような彼女はその刑務官時代の何かがそのまんま出てるだけなんじゃねえのか?って聞いたら「そうか!」ってその時に気づいたみたいだった。


 でも、彼氏とケンカになって取っ組み合いが叩いたりなのか肉弾戦みたいな事になる彼女の前職が刑務官って、その時のストレスなのかその頃からそうだったんじゃねのか?という疑問も出てきくるわけで。
 同じ部屋で同居するのにその相手というのは本当に監視されているのに近い気がどうもしてしまう。一緒にいると漫画を読もうとしてもその漫画を一緒に見ようとしたりしてべったりらしい。


 囚人のジレンマじゃないが、一般の人をロールプレイだっけ実験で刑務官と囚人チームにわけると刑務官チームの人は威圧的になって偉そうになって、囚人チームの人はビクビクするようになるというのがあったような気がする。
 制服の作用やポジションにおける勘違いというものが人間関係には出てしまうものらしいが、そういう彼女とずっといればおのずとそうなるのかもしれないとふと思った。そして、もし別れてもひょっとすると捕われの身にまた戻りたいと思ってしまう可能性もあるんじゃないかと。


 そして、彼女という刑務官から逃れて檻から出ても世界という檻をずっと監視している神様みたいなものから逃れることは誰もできないのだろう、と書いてみた所で僕はやはり神様という存在については懐疑的で人が宗教とか作るのは自分よりも上の存在がいないとどこまでも横暴になってしまうからそのために装置であり、下というのは時代や場所によって差別だとかそういう勝手な価値基準で陥れられた人々の犠牲によって、上下の間で安定しようとしているだけじゃないかと思ったりもする。


 差別はたぶんなくならない。愛とは世界中の誰よりも自分よりも相手を上位に置く事だから愛さえなくなれば差別もなくなるかもね。だけど溶け合う魂が心を壊すように。
 エヴァのシンジがすべてが溶け合う世界で自分と他者の境界線がなくなって、僕が君であり、君が僕であり、僕はすべてであり、すべては僕であるという世界を拒んだように自分であるためには他者が絶対的に必要不可欠ですべてが溶け合う世界を多くの人はきっと望まないだろう。僕も望まない。差別はなくなればいいと思うけど、愛もなくならない。
 そして誰もいなくなる。


syrup16g / ROCK IN JAPAN FES 04

生きんのがつらいとかしんどいとかめんどくさいとか
そんな事が言いたくて えっらそうに言いたくて
二酸化炭素吐いてんじゃねえよ メリモ

メリモ メリモ メリモ メリモ