Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『マイ・マザー』


「わたしはロランス」「トム・アット・ザ・ファーム」のグザビエ・ドラン監督が、弱冠19歳で自ら主演も兼ね、初監督を務めた半自伝的作品。情緒不安定な母親との不和に苦悩する少年が、愛情と嫌悪感の狭間で葛藤する姿を描き、初監督作ながら第62回カンヌ映画祭監督週間に出品されるなど高い評価を獲得した。カナダ・ケベック州の町に暮らす17歳のユベールは、口やかましく、趣味の悪い母親がどうしても受け入れられずにいた。幼い頃は大好きだった母親への憎しみは募るばかりで、自分でもどうしようもない苛立ちにさいなまれる。そんなある日、ユベールは川沿いで夕日の下にたたずむ母親の姿を偶然目撃し……。(映画.comより)


渋谷のアップリンクにて観賞。グザヴィエ監督の『わたしはロランス』が素晴らしかったので彼のデビュー作というか前の作品を観に。
いきなり挟まれる映像やたたみかける感情爆発なセリフ、豊かな色彩と映像、母との関係を描く。愛しているが愛せない一番近い他者である母と息子の距離。次回作も二月公開らしいから楽しみになる。


『わたしはロランス』の濃厚さを観ていると少し物足りない感じはするがそれでも独自の世界を展開させる。物語自体はプロットにすると母と息子の難しい関係だが映像センスなのかふいに笑ってまう感じも。
今作を観ているとリン・ラムジー監督『少年は残酷な弓を射る』が浮かんだ。母と息子の関係を描いた作品という共通項はあるが終わり方はまったく違うが。


グザヴィエ・ドラン監督『胸騒ぎの恋人』予告篇