Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 爻(コウ)ノ篇』

深夜の最速上映をTOHOシネマズ渋谷にて。23時20分からだったけど六本木ヒルズでの舞台挨拶が中継されていた。全国88ヶ所の映画館でそうやっていたらしい。


戸田恵梨香、『SPEC』完結作公開初日に笑顔「晴れやかな気持ち」
http://www.oricon.co.jp/news/2031394/full/
↑詳しくはこちらを。



日付が変わって上映開始。
前回の漸ノ編で名前が出てきたプロフェッサーJはやっぱりというかそうでしょうな人でしたが。湯田秀樹=ユダヒデキ=Judas Hidekiつう。
八咫烏というか先民というかね、人類は堕ちてきた隕石にあったアミノ酸によってみたいな話とか人類とスペックホルダーの違いを説明していた。スペックホルダーは太古からいて自然と会話できるというかガイア説の中できちんと共存していた。人間は私利私欲のために我が物顔で破壊し彼らを追いやって行った。


当麻と瀬文が対峙するセカイとプロフェッサーJと白い女。
ここからはネタバレありきで。




当麻が呼び出したドラマシリーズとかのスペックホルダ―たちと終わりゆく世界でのセカイらの戦い。瀬文は吹っ飛ばされたりして場外に。当麻の左手ではなく右手がソロモンの鍵というかゲートとして機能するみたいな展開でここもダメだからまたやり直しだな的な事をセカイが言っていた気がする。並行世界というか繰り返されている?
そんなクライマックス近くで地震で劇場揺れたのが一番ビビるわ。最初後ろのやつが席蹴ってるのかと思ったら周りが少しざわついていたので地震ってわかった。


当麻がセカイとプロフェッサーJを取り込んで冥界に落ちようとするが自ら命を絶つ事ができずに、帰って来た瀬文に託す。
そして、当麻に来世で会おうと瀬文がいう。
問題はここからだと思うが、様々な場所を死んだ当麻が空に浮いているような感じでドラマだとかスペシャルとか映画のいろんなシーンに浮いた状態で現れていく。これって当麻が死ぬ前に走馬灯かなって思ったりもしたんだが、当麻自身が抽象概念としていろんな時間を見ているという感じでこれって『魔法少女まどかマギカ』のまどかが最後に抽象概念になって世界の理を変えることとかなり近しい。


たぶん『ケイゾク』から『スペック』の流れと時代の変化はひとつの世界だけじゃなくいくつも重なるレイヤーを行き来しながら繋がりながらそれでも自分という個をいかに解放していくかみたいな、いや、なんか違うなあ。すごくモヤモヤとしたつかみ所がないけどあるものをどう捉えるか。
震災前にドラマシリーズがあった『スペック』と震災を挟んで放映された『まどマギ』が共にファンに後押しされて劇場映画化されたわけだけど、どちらの映画版にも共通するものがあってただの偶然というよりは同時多発的に出てくる表現の試行だったのかもしれないなあ、今後評論でまとめて語られそう。
漸ノ編での雅ちゃんが読んでた野々村さんの手紙とあのバベルの塔みたいなやつを爻ノ編でまったく回収してなかったけどあれなんだったんだろう、並行世界へ届いた手紙的な感じか、それも違うのかなあ。当麻が抽象概念化してしまうと。


最後に浮いた当麻をなぜか当麻を撃った後に刑事殺しだとボコられて(吉川が吹っ飛んだのを発見し今までの経緯から警官殺しである瀬文をいろんな刑事ドラマの主役コスプレみたいな連中が、当麻殺しってなっても当麻を殺した瞬間に世界は新しい並行世界に意向していて誰も瀬文しか当麻の事を覚えてないはずなんで刑事殺しになんねえだろうとも思うわけだが。当麻を殺した瀬文は特異点として彼女を忘れていないという可能性。わりとこの辺りが一見したではわからない)留置所かなんかに入ってる瀬文が宙に浮いている見えないはずの当麻の手を握る。まだ、ここまではいろいろと意味わからない部分も多々あるが最後の最後で『ケイゾク』見てた人は最後にひっくり返される終わり方をする。


ちなみに抽象概念化した当麻がいろんなシーンで浮いている場面で流れているのは父親役の佐野元春さんの『彼女』という歌。


最後に渋谷の街のシーンで被さる女と男の会話が誰かツイートしてたのをコピペすると『時間の波は止められない。だがしかし、時として時間を戻すものがいる。それを見ていたのが当麻くんなのだよ。さあ、行きましょう「朝倉」』って終わる。
朝倉って『ケイゾク』のあの朝倉しかないよな。『SPEC〜零〜』の最初の方のシーンで真山は殉職したみたいな台詞があったけど朝倉は生き続けていたということだけどここに来て『ケイゾク』の続編でもある『SPEC』の最後で朝倉を持ってくるという超どんでん返し。となるとあの朝倉の正体って抽象概念の当麻を認識できていて、えっ、何、セカイみたいな存在なん? 
ケイゾク』の冒頭に八咫烏出てくるという所から全てが繋がっている。


『〜零〜』で野々村さんとか柴田が床で寝てるみたい台詞の時に真山は殉職したとか言ってたり、時折時間が誰かによって書き換えられている可能性すらあるっていう話。『SPEC』って記憶と時間の流れについて書いているような作品だったから実は細部を敢えてズラして統制してない可能性もあるから。この物語すらも書き換えられてしまう。となるとある種の並行世界が同時多発的に存在しうるし、そこを朝倉とあの朝倉に行きましょうって言ってた女性は誰だ?は行ったり来たりしているのかもしれない。


途中で世界が崩壊しかける時に『ATARU』のアレッサンドロ・カロリナ・マドカ(堀北真希)がワンシーン出てくる。植田P作品なので世界観が共有されているかもしれないし栗山千明北村一輝と両方に出ている役者がいる(役名は違うが)等あってこの物語の先があるとすればアレッサンドロ・カロリナ・マドカが主役のシーズン3的な繋がる物語があるんじゃないかという声もネットには出ている。確かにそれをやれば回収されてない伏線も物語もいくらかはまとまるのかもしれないがどうなるだろう。この映画の興行収入次第ということもあるのかもしれない。


『漸ノ編』と『爻ノ編』を一回観ただけで絶対に理解できないわ。でも、こんな内容の作品を多くの人を惹き付けて最後まで持っていったのはやっぱりすげえなと思う。


【ネタバレ感想】劇場版SPEC結“漸篇爻篇”の終わり方やべえwwwwwwww
http://trivianews.doorblog.jp/archives/35253844.html
↑がかなり詳しい。
あと『NAMInoYUKUSAKI』の日本語訳が物語の構造を言っている。
熱海の捜査官』主題歌の東京事変の曲も日本語訳したら舞台設定言ってたのと同じかも。

劇場版SPEC~結~漸ノ篇 (角川文庫)

劇場版SPEC~結~漸ノ篇 (角川文庫)

劇場版SPEC~結~爻ノ篇 (角川文庫)

劇場版SPEC~結~爻ノ篇 (角川文庫)

SPEC公式解体新書

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