Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『アンチヴァイラル』

シネマライズにて観賞。お客さんは十数名ほどか。レディースデイといえどもさすがに女性の観客も少ないのはまあわかる気はした。前に予告で観て気になっていたのと漫画家の西島大介さんがイラスト書いてるフリーなパンフ(?)みたいなやつの仕事をしたって言われててなんとなく観てみようかと。



↑これでの西島さんのコメント↓


クローネンバーグの息子、まじクローネンバーグ。
そんな印象の作品でした。ほとんどCG使ってなさそうなところも好印象。
irohaやTENGAが20世紀に置き忘れてきたグチョグチョドロドロこそが、クローネンバーグ的なデザインだと思います。
一見清楚な印象もある『アンチヴァイラル』は、しかしそのままでは終わらない作品。
主人公がどんどん具合悪くなっていく流れ、クローネンバーグ王道で最高です。
ゴホゴホッ。ゴホッ・・・。


お父さんのほうの映画は『ザ・フライ』ぐらいしか観た事ないような、テレビでやってたのを観たぐらいだと思うし思い入れもないのでどうクローネングバーグなのかは僕自体はわからずに。



監督/ブランドン・クローネンバーグ
出演/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズサラ・ガドンマルコム・マクダウェル


解説/鬼才デビッド・クローネンバーグの長男、ブランドン・クローネンバーグの長編監督デビュー作で、2012年・第65回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されたSFミステリー。青年注射技師シドは、セレブのウイルスをマニアに注射するクリニックに勤務し、希少価値の高いウイルスを闇マーケットに横流しするという違法行為に手を染めていた。そんなある日、究極的な美貌を誇るハンナが原因不明の重病に冒されて死亡。ハンナから採取したウイルスを自らに注射していたシドも幻覚症状に襲われるようになり、やがてウイルスをめぐる巨大な陰謀に巻き込まれていく。(映画.comより)



B・クローネンバーグ&C・L・ジョーンズ、若い才能が見る映画産業の今
http://eiga.com/movie/78307/interview/


説明があまりないので最初から最後まで「?」な部分は残ったのは正直な所なのだけど、しかしなぜかつまらなかったとも言い切れない何かがあってそれが脳を揺さぶるような感覚。
観ていて浮かんで来たのは旧エヴァ的なものだったり時計じかけのオレンジみたいなある種の不穏さ。
アートフィルムみたいな画の感じもあったり(そう思えたり)もした。旧エヴァ的なのものは他者を自身の中に受入れるとかそういうウイルスを入れる事で統一化、一体になろうとする感じだし最後に出てきたあの「手」なんかは腕がなくなっても復元した初号機みたいな、綾波化するエヴァンゲリオンみたいなものを僕には感じさせた。だから旧エヴァ的を実写でやるとこういうある意味で病的で鬱的な表現になるのかもしれないなあって。だから嫌いにはなれないけど好きにもなれないっていうw



主人公がこんなに暴力とかでボロボロじゃなくてウイルスとかでどんどん弱っていく映画はあんまり観ないかも。主人公のシドの役者さんのケイレブ・ランドリー・ジョーンズの体弱そうな、悪くなっていく様はなんだか画になりすぎて観れてしまう部分もあるのかもしれない。しかし、ウイルスのように知らない間に浸食してくるような物語かも、ひょっとしたら後からどんどん効いてくるのか?