Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『勝たずんば死あるのみ、我らメタ・バロンの一族』


西島大介×原正人
漫画原作者としてのホドロフスキー メビウスの描いた『DUNE』をめぐって〜 勝たずんば死あるのみ、我らメタ・バロンの一族」
映画『ホドロフスキーのDUNE』『リアリティのダンス』公開記念
http://bookandbeer.com/blog/event/20140610_bt/


ホドロフスキーのDUNE


リアリティのダンス




 『晴天の迷いクジラ』と『夏の教室』。『夏の教室』どこかで文庫化してほしい。


 「近代」とは人が村を飛び出して都市で生きることが可能になった時代だ。ならば神隠しの少女たちの出奔先は都会であったのかもしれない。無論、都会に行ったところで上手くいくとは限らないし、途中で殺されてしまうことだって多分、ある。
 だが、「死」を待望する感情の向こうにももう一人、「出発」を待望する自分はいつの時代にもいるはずだ。それがあまりにも近しい感情だから区別はつきにくいし、「死」という一番、不確かなものに確かさを感じるという錯誤から逃れるのも簡単ではない。それでも出発を焦燥する、その不確かさはやはり描いておきたかった。
 とはいえ、その先にはたいていの場合、「死」と同じぐらいの絶望やひどく退屈な日常しか待っていないけれどね、と同時に描くこともぼくは忘れない。そういう皮肉めいた大人になろうというのは大人になってからずっと自分に課してきたことだから譲らない。
大塚英志著『夏の教室』あとがきより



 『水道橋博士のメルマ旬報』vol.39配信されました。連載『碇のむきだし』での小説『夢幻ガール』は五回目、西島大介さんの挿画イラストです。冒頭で西島さんの師匠筋である大塚英志さんの言葉を引用してて、僕の中では好きな師弟タッグです。


 メルマ旬報配信日にB&B西島大介さんの出るイベントに行ってきた。たまたま偶然だけどその日が重なったのは。ホドロフスキーのことをまったく知らぬままに行ったんだけどSFが根っこにというか多大な影響を受けている西島さんがイキイキと話しててとても面白いイベントになったし、ホドロフスキー観た事のない僕も観ないといけないなあと思う内容だった。


ライブペインティングされた西島大介的『DUNE』


 『水道橋博士のメルマ旬報』聖地(?)なB&B西島大介×原正人トークイベントに。小説『夢幻ガール』イラストかいてもらってる西島さんに楓をポストカードに書いてもらった。小説はあと二回です。


 西島さんが描いた『DUNE』ポストカード。六枚でライブペインティングした一枚になるみたい。二枚ゲット。


 アレハンドロ・ホドロフスキーのことをまったく知らずに行ったイベントだったけど、ホドロフスキーって西島さんが言ったように園さんみたいにいろんな事をやっていて役者だし映画監督だし演出家だしマンガ原作者だし多方面の表現があるんだけどその中心というか彼の愛の表現が圧倒的にいきすぎてる。
 『DUNE』は未完の作品なのに、故にそこから派生したものが『スター・ウォーズ』『マトリックス』『ブレードランナー』だったり、世界観を作り上げて膨大な企画書とかその後の映画の作り方の形を作ってしまった。未完であるのに後に生まれた者で補完され完成されているような不思議なもの。
 ホドロフスキーの話で西島さんが出したのは富野さんや大塚英志さんの話で、あの世代にあるもの、話を多少は盛るとかw 「原作をレイプする、愛を持って」という彼の言葉が彼の作品にはあると西島さんが饒舌に話してて、西島作品にも受け継がれている影響やイズムは面白かった。あとあの世代の人たち未完作品多いよねって。しかしながら、未完の作品が後の世代や関わっていた人たちの中で伝わってあるいはオマージュだとか部分的に引き継がれていくという意味で未完の作品というものの意味も多少は変わっていく。
 あと、前からわかっていたけども西島大介という作家はやはり根本がSFの影響を強く受けた人でそれがよくわかるトークだった。翻訳者の原さんはトーク運びとかうまいし西島さんがホドロスキーと玉置浩二似てる話をけっこう真剣に考えて同意してた。イラストをスクリーンで玉置曲流したらマッチしてた。
 イベントで流した玉置浩二のやつ。確かに80年代アニメのエンディングで流れてても違和感ないし、メビウスの絵バックにしてもすごく調和してた。ホドロスキーと玉置浩二似てる話っていうのはその愛への表現とかそういうものに関してだったけど。


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