Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命』

 公開されたので観に行こうと風邪引いてるけど新宿のバルト9に。客席はスクリーン近く以外はわりと埋まっていたようだった。客層は男性が大半で年齢も高い感じがした。土曜日だけどカップルで観に行く映画ではないか。監督と主演コンビでの『ブルーバレンタイン』がとても好きな映画だったので期待していた。


ブルーバレンタイン
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20110428


 予告で園子温監督『地獄でなぜ悪い』をフフフ、楽しみ。たぶん九月末に公開されて観た人の映画ランキングで一気に駆け上る作品になるはずだから。編集中のCGとかないものを去年観せていただいたけど映画愛やフィルムに対しての園さんの若い頃の想いや仲間に対しての気持ちが昇華されているのにめっちゃエンタメで楽しめると言うかなり希有な誰もが楽しめる内容になっている。
 あと観ようと思っているのではハーモニー・コリン監督『スプリング・ブレイカーズ』はもう楽しそう!


監督/デレク・シアンフランス
出演/ライアン・ゴズリング/ルーク、ブラッドリー・クーパー/エイヴリー、エバ・メンデス/ロミーナ、ベン・メンデルソーンローズ・バーンマハーシャラ・アリブルース・グリーンウッド、ハリス・ユーリン、レイ・リオッタ



ブルーバレンタイン」のデレク・シアンフランス監督&主演ライアン・ゴズリングが再タッグを組み、親の罪が子にも受け継がれるという血の因果を描いたクライムドラマ。かつての恋人ロミーナと再会したルークは、息子ジェイソンが産まれていたことを知り、2人を養うため銀行強盗に手を染める。新米警察官のエイヴリーは、ルークを追いつめるがあるミスを犯し、罪悪感を抱える。しかし、周囲からは評価され複雑な気持ちを胸に、警察の腐敗に立ち向かう。15年後、成長したジェイソンはルークとエイヴリーそれぞれの秘密を知ってしまい、その怒りの矛先は親しくしていたエイヴリーの息子AJへ向けられる。共演にエバ・メンデス、ブラッドリー・クーパー。(映画.comより)




「ディズニー・チャンネル出身で、バックストリート・ボーイズのメンバーに誘われたこともあるという噂もある、歌唱力抜群のゴズリング。今回はその歌唱力をあえて封印しているが、タトゥーだらけの腕で赤ちゃんをあやす姿、「ママは怒るかな?」とさみしそうに息子につぶやく姿は、ゴズリングファンの女子の心をわしづかみにするに違いない。」http://eiga.com/news/20130516/14/ ←そういえばブリトニーとかが出てた頃に一緒にゴズリング出てたみたいな話をラジオで町山さんがしてたような記憶が。


「ロミーナ役は、本作の共演がゴズリングとの交際に発展したエバ・メンデス。「世界にひとつのプレイブック」でアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされたブラッドリー・クーパーが正義感あふれる警察官エイヴリー、「アメイジングスパイダーマン2」でハリー・オズボーン役に抜てきされた新鋭デイン・デハーンがルークとロミーナの息子ジェイソンを演じる。」 http://eiga.com/news/20130412/16/デイン・デハーンはこれからめっちゃブレイクするんじゃないかなあって思った。


 そういえば去年は『ドライヴ』観て好きな映画だったしライアン・ゴズリング出てる映画が好きなのか、けっこうアンハッピーな物語に出てるイメージがあるが。
『ドライヴ』
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20120403


 ルークが町に残って生まれていた息子のためになにかしようとするが『キッズ・リータンズ』のモロ諸岡さんみたいな整備工場のおっさんに昔やってた銀行強盗のこといわれてやっちゃってという辺りは犯罪もので悲劇が待ってるんだろうなって思うんだがどうもルークも整備工場のおっさんも憎めない。だけど、母親と違って父親って子供が生まれる事についての自覚とか意識って全然違うはずで、元カノが自分の子供生んでいたのを知って急に父性に目覚めるというか子供のためになにかしたいと思えるのだろうか、まあ思えるからこういう展開になっているんだが。
 元カノのロミーナは黒人の彼氏がいてその家に住んでるのに普通に訪ねてくるルークもやっぱりどうかしてるしなにかが欠落してる人ではある。だから余計に自分の大事なものには執着して、客観視ができないのだろう。


 まずはルークの話があって彼が強盗をしてたまたま追いかけて事件を解決しヒーローになってしまう新米の警官をブラッドリー・クーパー演じるエイヴリーの話がある。ルークはその事件でまずは消えてしまう。そこからエイヴリーの章になって彼が持った罪悪感や警官の不正などに悩んで行く辺りをしっかり見せる。正義感あふれる彼には許せないものが多い過ぎた、警察の中でも。
 エイヴリーにも幼い子供がいてルークの子供のジェイソンとたいして変わらなかった。
 15年経つとエイヴリーは政治家?州知事的な検知事だっけな所に立候補している、父親もそうだったよな、違うか。でもエリート一家出で大きくなった息子は絵に書いたようなどら息子。彼が離婚した妻の所からエイヴリーの元に来てハイスクールに通い出してドラッグをやる仲間みたいなものになるのが父が殺したルークの息子のジェイソンであり、父の事を何も知らされてなかったジェイソンは次第に父のことを知りたいと思い整備工場のおっさんを訪ねたりしてエイヴリーが自分の父を射殺したことを知る。最後の電話でルークは自分の事を息子にはなにもいうなとロミーナに伝えているのも効いている。


 ジェイソン演じるデイン・デハーンが最後の章の主人公という感じで物語は血の繋がりのある種の復讐劇を終結させていく。


次にくるのはこの若手俳優。 27歳のデイン・デハーンをマーク!
http://gqjapan.jp/2013/04/03/w_dehaan/


 思ったよりも年いってたんだな!彼は。作中での彼は『バスケットボールダイアリーズ』ぐらいのディカプリオに似ててすごい佇まいがよかった。十代の頃のディカプリオよりもすれてて捻くれてそうな顔なんで王子っぽくはないがかなり佇まいとか表情がよくてこれからもっとブレイクすると勝手に思ったんだけどやっぱりもう注目株だったかw
 エイヴリーの息子のAJの役のエモリー・コーエン山田孝之みたいだなって思った、顔が。エイヴリー役のブラッドリー・クーパー観てずっとどこで観た人だっけって思ってたけど『世界にひとつのプレイブック』の主役の人か、なんか全然違う人に見えた。


世界にひとつのプレイブック
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20130227


 主人公が三人でいいと思うんだけどきわめてフラットに三人を描いていていいなって思った。偶然か必然かということはあるけどもそれ(未来)を選ぶのは自分であるという事を描いている。あとは映画に流れている空気感というか『ブルーバレンタイン』もそうだったんだけどなんか嘘くさくない。役者の顔がいい。美男美女とかで固めてるわけじゃなくてきちんと生きている顔の役者さんが出ててなんかそこに惹き付けられているのかも。 
 ライアン・ゴズリングの顔ってなんか惹かれてしまう。彼が出てるだけでいい作品なんじゃないかって思える時点で彼の価値(勝ち)だ。『L.A. ギャング ストーリー』は観てないけど『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督と再度コンビを組む『Only God Forgives』は観たい。