Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ザ・水道橋in座・高円寺vol.1〜園子温芸人デビュー』

ついにこの日が来てしまったそんな一日。
高円寺だから中央線人身でよく止まるよなって思って夜の部の開場が18時半なのに五時ぐらいに高円寺について劇場確認しようと北口歩いていると文春の目崎さんがいらしてお茶をしにいって時間を潰す。
最近、よく目崎さんにばったりお会いすることが多いし作家の樋口毅宏さんも。博士さんと園さんの舞台が近づいてたからなのかバッタリと。星座なのかしらはやり。





目崎さんとお茶して座・高円寺初めて来たけどなんかデカい! B1 にあるとこがデビューライブやる所みたいでロビーみたいな所で時間潰ししているとメルマ旬報連載陣の木村綾子さんや柴尾英令さんいらしてお話をしていたら樋口さんも来たりして時間が近づいてきたので中に入る。
高橋ヨシキさんもいらしたり、会田誠さんもいらしたり倉本美津留さん、ああ岡村靖幸さんもいるあ〜みたいな豪華な感じでした。染谷将太さんもいたし。


そしてSHOW MUST GO ONです。
映像が始まります。東スポ映画大賞で『冷たい熱帯魚』で園さんが賞を取った時に北野武さんと話している場面です、園さんグダグダでまったく話せません! 武に押されてるよ!園さん。奥さんの神楽坂恵さんも壇上に出てくるが夫のふがいなさにちょいと落胆されているかの様子。
そして俺に恥をかかし妻を笑い者にした北野武は許せないと園さん逆ギレから。この時点で観客もそこから入り易いしすでにどうなっちゃうんだろこれ(楽しい)状態。
舞台にいる園さんはキリストみたいにデカい十字架に張り付けされている。ああ、この感じの人は二年前ぐらいの東京マラソンの時にいたわ、なんか十字架背負って走ってるランナーいるんすよ、キリストみたいな格好して。それを思い出しながら博士さんにお前の映画キリスト教モチーフ出しすぎだろとツッコまれながら博士さんより第一部と第二部で舞台は分かれていますとのアナウンス。


第一部は二人のトークなんだけどイスに座りながら今回のライブ用に使った豪華過ぎるパンフレットの園子温年表について話し出していく。




↑これに映ってる肌色の部分よく見るとしわがあるんですけど園さんの金玉拡大らしいです、っていうか園さん金玉超デカいって話してたよね。

↑高橋咲詠さんのイラスト。

会田誠さんのイラストと園子温年表。


園子温という名前は本名なんですが園家は変わった名前が多いという事を博士さん調べていて、妹さんは路果(ろか)さん、叔父さんは露以(ろい)さん、叔母は阿莉(あり)さんでその娘さんはろここさん、で叔父にあたる園八雲さんは市川崑監督『東京オリンピック』の撮影監督だったりする。
で、メモってないので記憶があやふやだけど八雲さんが生まれた時に園黒人(こくじん)にしようとしたけどさすがになあって話で小泉八雲から八雲になったらしい。で園さんは市川崑監督『犬神家の一族』観た時に「園家に似ている」と気付いたらしい……。
基本的に年表は『非道に生きる』読んでるとある程度は知っている園さんのお話なんですよ、実際。
しかし博士さんが切り込んでくる事で園さんが饒舌になり、昼の部で慣れたのか言うべき事を飛ばしたりグダグダ感がさらに増すという珍事が繰り広げられる。


園さんは家の話でつかみはオッケーレベルじゃないんです。だって普通の藝人さんはあれらの話に勝てるネタそんなにないものばっかりで。
ご両親は教育者でおじいさんが製紙工場で大もうけした地元の大地主で考古学者っていう。
このじいちゃんがとんでもない人でお前は将来ジャンキーになるからって小学生の園さんにあらゆるドラッグやっちゃうから幼い園さんバッドトリップなっちゃって絶対将来ドラッグはやらない!と誓うことになるのであった。
って裸で小学校通ってた人なんですけどね、園さん、全裸でいくと超起こられたから上着だけ着てチンポ出して行っても起こられるから最後はチャックからチンポだけ出して行っても起こられたりとか「セックス」というのを知ったら学校新聞でお前たちの親はこんな事をしていると書いた新聞を配りもちろん発禁とかあるわけです。おじちゃん亡くなって棺に入れる時にエロ本たくさん入れてSMスナイパーを顔の周りに。
でよく燃えるねってw 
この辺りは『非道に生きる』読みましょうね。ただ、博士さんが本当に引っ張って行って園さんが脇道とかよそ見な話の展開になっても見守りながら道に戻して行く感じですよね。


二人が『時計仕掛けのオレンジ』が大好きな映画だったりする話とかなんか園さんずっとホームレス(舞台ではずっと乞食って言ってるから放送コードかかるわっていう)で童貞捨てようと家出して東京来た話とかレンタル家族じゃん、それみたいな話とかアメリカ行ってFOXとかの偉いさんに会いに行った話とか。
あっ、そうだ10歳でフェラチオができるか試したら出来ちゃったんだけど自分でやってるから辞められているよりもただ自分が加えてる感が強すぎてと言っていた。もう終始下ネタですよ、くだらなすぎるけど面白過ぎるって言うね。


大人になってからは『東京ガガガ』の話とかありました。ハチ公たくさん作って人々の待ち合わせ場所がいっぱいになったり移動したりする渋谷とか、本当にそれリアルタイムで見たかったと思うし『BAD FILM』観たら『東京ガガガ』に参加したかったって思うんですよ、でもそれと同時に参加できなくてよかったなって思うのもあって。
あれ参加したら絶対に「青春」の黄金時代として刻まれますよ、だからしなかったことも幸福だなと園さんファンとしては思うんです。


水道橋博士のメルマ旬報』の第一回で僕は園子温監督『BAD FILM』について書いているんだけど園子温はやはり聖杯だと思います。あの時にMAX二千ぐらいの人たちを率いていた事で吸血鬼のように彼らの欲望や絶望や多くのものを園さんは手に入れてしまったような。
あのね、人垂らしでもあると思うんですよ、園さんは。でもね、今みたいにネットもない時代にあんな事できるだけでも強力すぎる磁石、人がなぜか近寄ってしまうものを持ちえてしまっている。


博士さんが九月公開の新作『地獄でなぜ悪い』を事前に観て言われたことが印象に残った。
園さんはPFFぴあフィルムフェスティバル)から出て同時期のライバルや仲間の平野勝之さんや井口昇さんでやっていた「ファック・ボンバーズ」という映像集団があって、二十年以上たった今その三人がメジャーで映画を撮っている事ってすごいよねって。
僕が去年の10月ぐらいに『地獄でなぜ悪い』の仮編集観せていただいた時には気づかなかったけど出てくるずっと自主映画作ってる連中は「ファック・ボンバーズ」で、彼らは園さんや平野さんや井口さんや田野辺さん(映画秘宝)たちなんだって博士さんの話でわかってなんか泣きそうになった。彼らの青春回顧じゃなくて今に至る道筋なんだとわかるから。
ずっと金たまがでかいとか終始下ネタですよ!昨日は。でも、園さんは自転車吐息のラストのようにラインを引いて走り続けている。時には二千人を率いりホームレスを繰り返し今は同世代の水道橋博士さんと共闘し非道に生きて走りながらラインを引いている、道のない場所を道にしながら。


第二部はコントというか漫才とか藝人としてネタを。武さんの首を持って山の手線ゲームしたり。お昼の部ではずっと園さんの嫌いなあの監督の名前を連呼してたようですね。
博士さんがバシバシツッコミしてて途中で園さん本当に痛いみたいなことを言っていたようなw
あと昼の部で慣れたのか先走って言うべき所で言うべき事を言えなかったり忘れてたりというグダグダ感、でも舞台にいる園さんと博士さんの作り出す空気で場内はずっと笑いっぱなしでしたね。むきだしすぎるほどに人間をむきだしていた。
笑っちゃうって笑ってしまうことと笑われることがあると思うんだけど本当に笑っちゃうぐらいにカッコいいんだよね。もうくだらすぎるのに面白くて笑ってしまう。
井手らっきょさんの犬との死闘、いや犬が発情して襲われてマジで獣姦の逆というショッキング過ぎるけど場内大爆笑なお正月番組で起きた映像を観せられ園さんにお前これできるのか!て博士さんが言ってやりますって話だったけど劇場的に動物使えなくて助かったね、園さんっていう。


最後は「ちょっと待った」みたいに『みんな!エスパーだよ!』にも出ているマキタスポーツさんが出てきて藝人舐めんなよとボクシング対決になる。昼の部ではそれが堀江貴文さんで花束贈呈が千葉真一さんだったらしい、豪華過ぎる!
夜の部の花束贈呈は博士さんが前田日明コールでスポットライトがあたる観客席の真ん中に通路あるんだけどそっちか!というサプライズゲストが。でもその時園さんは全裸の上にチンコ隠す天狗のお面を下半身につけているだけだったのだけども、まあ花束渡しても近寄らないよね。
最後のボクシングは『ロッキー』のコントで後には映画流れてて園さん「エイドリアーン」って叫んでて最後は奥さん出てくるって言うw
マキタスポーツさんも出ている『みんな!エスパーだよ!』でも超重要アイテムとして出ているTENGA水道橋博士×園子温モデルがお土産として観客に配られた。こんな豪華なスペシャルなTENGAは使えません!




終わった後は楽屋にご挨拶へ。伊賀大介さんと九龍ジョーさんと初めてお会いしたのでご挨拶して木村さんと樋口さんたちと一緒に。なんか楽屋入った瞬間みんな緊張して会話がギクシャク。なぜ僕らはあの時に写真を撮ってもらわなかったのだろうと今更すごく後悔をしているけど。
ロビーで目崎さんから荒井香織さんをご紹介していただく。もっと北斗の拳みたいな屈強な方かと思ったら優しそうな人だった。
みんなで打ち上げに参加しに飲み屋に〜。
エレベーターに乗った時に九龍さんになんかいい匂いするって言われて(九龍さんの前に僕がいたので)シャンプーSARA使ってるんですよ、麻生久美子さんがCMしててそれから!って夫の伊賀さんに言ってみる。僕は中野裕之監督が撮影した『Sweet female―麻生久美子×桃生亜希子写真集』のサイン入り写真集を実は持っていたり麻生さんファンなのです。


打ち上げの席では柴尾さんと荒井さんがアメリカとか海外の話をされていた。柴尾さんは『スター・ウォーズ』公開時にはアメリカで初日を観るという巡礼というかしてる方なので今度から新しい『スター・ウォーズ』と公開の間の一年にはスプンオフやるから毎年行くんですかって聞いたら「でも、ルーカスじゃないからなあ」ってルーカスの『スター・ウォーズ』だったから観に行ってたから監督違うとやっぱり違うでしょって言われてそれはそうだよなあって納得。
高橋ヨシキさんの前に星野源さんいて、観に来られてたみたいなんだけど楽屋挨拶の時にすれ違って樋口さんとお話しされてた岡村靖幸さんに星野源さんってモロにサブカル好きな女性が大好きなミュージシャンやんね〜。
星野さんの『地獄でなぜ悪い』は最高過ぎるのでもっと役者の仕事が増えると思う。


お隣にいた伊賀大介さんと前に九龍ジョーさんと木村綾子さんがいてお話を。伊賀大介さんと九龍ジョーさんに『KAMINOGE』は格闘技とか興味なくても絶対に面白い雑誌だから読んだ方がいいともうプッシュされ購入する事を決める。
伊賀さんも九龍さんもすごい演劇とか格闘技とか映画とか観てるし本もたくさん読んでて行動力ハンパないっすよねえみたいなことを言ったら、お二人とも好きなものを追いかけるために本業(スタイリストやライター&編集)やってるからねって、自由な時間も作れるしって言われた。
好きなもの為に動いているから好きな人同士が繋がって仕事になるし原動力にもなっててカッコいいなって聞いてた。
で、伊賀さんがすげえカッコいいなって思ったのは伊賀さんの師匠はGDCとかブランドやってる熊谷さんで僕は思春期の頃に読んでたファッション誌とかで熊谷さんよく見てたし僕の好きな安藤政信さんやKjは熊谷さんスタイリングされたから余計に印象に残ってるのね、で熊谷さんはフォトグラファーもされてる。だから弟子の伊賀さんのことも知ってたんだけど。
自分は師匠みたいにブランド作ったりとか写真とはしない。好きな人たちが映画とか舞台とかいろいろやっててそれを見てたら生半可な気持ちでやれないし自分はスタイリング以外には手を出さない。でもスタイリングの事ならなんでもやるし、スタイリングなら伊賀だよねって言わせたい。って。
おおかみこどもの雨と雪』ってアニメの映画だけどスタイリストして伊賀さんがやってるし、そういう姿勢だからなんだなってわかった。


園さんと博士さんには少ししかご挨拶できなかったけど津田大介さんも途中で来られて園さんと津田さんが話してるよって思って津田さん来たからLife的な人が僕以外にもいるって思って。
園さんと津田さんなに話してたんだろ。津田さんは博士さんのツイッターの師匠だしメルマガのE-pubの事で堀江さんの発言もあったから博士さんとその事をお話されていたみたい。
僕は園さんの懐刀の船木さんの所に行ってしばしお話を。だいたい船木さんこういう飲み会とか来ないから珍しいなって思って。博士さんの鈴木秘書さんに園さんの船木さん、本当に頼れる懐刀がいるかいないかって大きいよなって。
長澤マネージャーさんもオフィス北野の若手芸人さんも本当によくしていただいていろんな力の結集なんだとほろ酔い加減で見てました。
お開きになって路上に出たら津田さんとヨシキさんが話をされてて深夜の高円寺に金髪と赤髪というすごい感じになってた。そうツイートしたら目崎さんに、
「「赤と金」はアジアンカラーといって、正月号の雑誌の表紙など、おめでたいときに良く使われます。確かに昨日はそういう日でしたね 」と返していただいた。


『ザ・水道橋in座・高円寺vol.1〜園子温芸人デビュー』はほんとうにくだらなくて楽しくて何度も爆笑させられてハラハラするのが園さんの藝人デビューであり傍らにいる水道橋博士さんも容赦なくツッコミまくってた。でも、あの二人が舞台に立つだけで出せる空気感とかは異常だった。
僕は終始笑っていた。お二人本当にお疲れさまでした。
そして関わったすべてのスタッフや関係者の方々ごくろうさまでした。
サイコーに楽しかったです!


でも、vol.1って次はあるの?


非道に生きる (ideaink 〈アイデアインク〉)

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園子温 監督初期作品集 DVD-BOX(SION SONO EARLY WORKS: BEFORE SUICIDE)

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藝人春秋

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お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

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