Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

作家デビュー15周年記念 声を狩る2013 古川日出男の「朗読空間」

作家デビュー15周年記念 声を狩る2013 古川日出男の「朗読空間」
http://www.moonromantic.com/?p=13324


 最初は古川日出男×小島ケイタニーラブで宮沢賢治の作品を朗読。タイトル忘れちゃったけど。この二人はもうコンビとして音として音楽と朗読の融合として単純に聞いていて楽しいしカッコいい。
 ああ、音楽が鳴っていると体に伝わる。


 ロロは初めて観たけど雰囲気や感覚が好きだった。『LOVE』にインスパイアされた猫の話だった。でも単語とか台詞が交互にあったり言い方だったりとかは今の演劇では当たり前な感じなのだろうか。僕は演劇そんなに観に行かないけど快快観てる時に感じる言葉のリズムとか遊びの感じに似ているなあとか思ったりした。


 開演して入ったら『新潮』の矢野さんが最初からDjしてた。
 佐々木敦さんと古川さんのトークは興味深い内容で、佐々木さんが古川さんと出会った頃は古川さんがちょうど人前に出始めて朗読を始めた頃でちょうど一次から二次のデビューしてからだとわけられる頃らしかった。『聖家族』は文学に対しての爆弾になると思ったら不発でガックリ来たっていわれていたけど爆発したらダメで時限爆弾みたいなものでそれでいいのではないかって。


 古川さんが15周年に出すのは『ロックンロール七部作』が十四部作になってさらに増えて、二十一部作に。

古川さんの短編『らせん型エスカレーターの誕生と消滅』。類推者と人生というもの、始まりのフロアは生まれた年かららせん型エスカレーターの上下、そのフロアで類推者がみるもの。『TYOゴシック』に近い語り口調の短編という感じがした。
あと『南無ロックンロール21部経』楽しみすぎます。


 トークの中で古川さんが東北の震災もあっという間に風化している。でやっぱり95年の事が頭に浮かんできて地震もオウムもあっという間に風化した事について考えるようになったと。
 五月に出る新刊が『南無ロックンロール二十一部経』という作品で1995-2011について書かないとやはりいけないって言われていた。あの時代に起きたものについて書く事でいろんなものを今に繋ごうと、書かないといけないという共通認識というか意識せざるえないんだろうなってあの世代の作家にはあるんだろうなと勝手に聞きながら思っていた。
 サカキバラや九州のバスジャック犯や秋葉原事件の加藤やこないだのPCの遠隔操作で捕まった人もなぜかみんな1982年生まれの学年。僕も同じ年生まれなんですけど早生まれなので学年は違うんだけども。
 昔からなぜあの学年の彼らはダークサイドに堕ちていったのかということを考えてはいるんですけどやっぱりわからない。彼らの同学年の女の子は宇多田ヒカルとかYUIとか大塚愛とかいて82年生まれの学年って男子のダークサイドの落ちかたが女性と比較しやすいのかもしれない。


 古川さんの15周年イベントは顔見知りの人もたくさんいらしていた。朗読はケイタニーラブさんとのコンビはやっぱりとんでもなくよくて。この二人が作る空間だから古川さんの朗読は柔軟に軽やかに速く強くマジメにふざけているような楽しさが伝わる。
 そしていつもように古川さんのイベントで会う人たちを見ると古川さんがいかに慕われているのかもわかる。
 終わった後には菅啓次郎さんからケーキが渡され入場時に僕たち客がノートに古川さんにむけて書いた言葉が集まった猫が裏表に貼られたノートが渡されていた。古川さん少し泣きそうになっていてそれを見ると泣きそうになってしまった。


 未だに観れていない朗読劇『銀河鉄道の夜』をあの3月11日に観に行こうと思う。


Rainy Day Bookstore & Cafe 本・つながる・未来 vol.14
光のしずく流れる春の川 朗読劇『 銀河鉄道の夜
http://www.switch-pub.co.jp/rainyday/042131302.php