Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

DCPRG@野音&『アウトレイジ ビヨンド』

8日(月曜日)
埼玉の北本に行ってグリコの工場見学を見る。決められた時間に行って二十人ずつぐらい三グループに分かれて見学。グリコの創設者である江崎利一の人生を見てからグリコのオマケを見たりお金を入れて大正とか昭和の初期にあった映写機が回って二十秒ほど映像が見れる販売機とか見て三階でポッキーを作る工程を見て六階でプリッツを作る工程見てから視聴覚室みたいな場所でクイズに答えて一階に戻っておかしもらって解散という流れでした。




 グリコのマークで記念写真も撮れますしトイレの男女マークもグリコマークのように両手を挙げて片足を挙げているという演出も。創設者の江崎がグリコーゲンの記事を読んでいて牡蠣を煮詰めているのを見てその汁めっちゃグリコーゲン入ってるちゃうの?と思って大学で調べたら入ってるからそれを薬売りの家業だった江崎がお菓子に入れて食べやすくしたら売れるやんって思って始めたらしいよ。


 埼玉を後にして日比谷野音音楽堂に向かってDCPRGのライブに。TBSラジオ菊地成孔の粋な夜電波』を初回の第一シーズンから八割近くはリアルタイムで聴いているリスナーでそれもあってDCPRGを知って野音でライブなら観たいと思ってチケを確保。



出演
SIMI LAB
TOE
DCPRG 
DCPRG feut 兎眠りをん&JAZZ DOMMUNUSTERS(MC菊&MC YOSHIO*O)
DCPRG feut SIMI LAB



 席がBの五列のど真ん中という超観やすい場所っていう、先行で取った気がするけど野音でこんな良い場所取れたことない!
 僕よりも俄然『菊地成孔の粋な夜電波』のヘビーユーザーな友人と共にライブを観る。


 SIMI LABが何人いるとか知らなくて、本当にすいません。でラジオでメンバーが脱退してみたいな話をしていたなあって思って。でもよく知らないから出てるメンバーのライブ観てたけどすごくよくて盛り上がってて、あとなんだかかわいい。俺たちがおっさんだからか?
 なんか初々しいような感じもありつつも盛り上げてた。あとメンバーのソロアルバムに参加してる『サウダーヂ』にも出てたラッパーの田我流が途中でfeat.で参加してた。『サウダーヂ』のシャッター商店街に見えるとこで彼がラップしながら自身の(映画の中での役柄)過去や家庭環境についてラップしてるのは痺れた。


 TOEは音源では聴いてて好きなバンドだけどライブで観るのは初めてだった。いやあカッコ良すぎるでしょ、静謐でありながら混沌、秋の東京の真ん中で黄昏の日差しの中で。
 空虚な中心を抱えたこの大都市、あるいはその聖なる森のみが存在し周りこそがその森が見ている夢のような東京のような音。


 DCPRGが登場。菊地さん見るのは二回目。一回目はエクスポでの「増殖するカオスモス」というトーク大友良英×宇川直宏×菊地成孔×東浩紀という恐ろしいメンツでしたが。
 菊地さん白のダウンジャケットで白パンツに全身白づくめで映画『鮫肌男と桃尻女』の鶴見辰吾さん演じたオシャレヤクザを彷彿させるような格好でそのイメージがずっと残ってました。

 
 DCPRGの菊地さんは観客に背を向けてメンバーの方に向いてターンテーブルとシンセをあやつりながらメンバーに指揮者のように指示していく。僕はZAZEN BOYSが大好きなのですが彼らのライブ観た事あればわかると思うけどあれはカオスでありながらすべてをコントロールできる素人から考えても卓越した技術だからこそできるライブ。そしてそれを完全に支配し仕切れるのがTHIS IS 向井秀徳であり彼もまた指揮者のようにメンバーに指示をしているのです。


 僕には菊地さんと向井さんが重なりました。一方はジャズ、もう一方はロック。最高に狂っている、マジメに狂っている、つまり笑ってしまうぐらいにカッコいい。そのリズムに酔う、体の中の細胞が踊る。


 CDでの音源で聴いていてもその場でどんどんアレンジされてるようなターンテーブルでのDJに合わせるようにメンバーが合わせていく。酒持込んで飲んで陽気な人続出で踊りまくり。
 客層はボーダレスというかまとまりがない感じ。さすがに十代はほとんどいなかったと思う。だって十代であの音楽聴いてたら怖いわ、やっぱりいろんなものを経て〜経てから聴く事ですごいと感じれる音のような。


 現代音楽やジャズがフュージョンして暴れる音の獣たちが東京の夜を奏でてて観客の中で巣食う。その因子は刻まれて野音から飛び散る。


 最後にDCPRG feut SIMI LABでやった曲がすげえよかったなあ。菊地さんがやっている音楽だとかラジオとか書いている事とかそのジャンルで頭よくてわかってて実際にやってる人がいるとなると次世代には巨大すぎる壁でもあるんだろうな。膨大な知識とそれを実行する技術(テクニック)があるからこそできるもの。


9日(火曜日)


 渋谷東映にて北野武監督『アウトレイジ ビヨンド』を観賞。



北野武監督・主演で悪人同士の壮絶な権力争いを描いたバイオレンス映画「アウトレイジ」の続編。関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年。関東の頂点を極め、政治の世界に進出するなど過剰に勢力拡大を進める山王会に対し、組織の壊滅を図る警察が動き始める。関西の雄ともいえる花菱会に目をつけた警察は、表向きは友好関係を保っている東西の巨大暴力団組織を対立させようと陰謀を企てる。そんななか、以前の抗争中に獄中死したはずのヤクザ・大友が生きていたという事実が持ち出され、突然出所を告げられる。前作から続投のビートたけし三浦友和加瀬亮中野英雄小日向文世らに加え、関西ヤクザ役で西田敏行塩見三省高橋克典桐谷健太新井浩文らが新たに参戦。(映画.com)




出演・ビートたけし西田敏行三浦友和加瀬亮中野英雄松重豊小日向文世高橋克典桐谷健太新井浩文塩見三省中尾彬神山繁田中哲司名高達男光石研ほか




 前作観てなくてもわかる作りですね。バカヤロー&コノヤローの応酬とそれに対しての回答は銃撃で殺すというシンプルさで物語が進んでいく。編集のテンポがいいんだと思うけどポンポンぽんぽんと展開していくからなんだか銃撃戦とか観るとスッキリする、薬師丸みたいな「快感」みたいな。


 人を裏切って上に登り詰めても自分がやったことが返ってくるつうか秀吉が農民の中から自分のような人間が現れるのを恐れて刀狩りするような恐怖というか。『ホンマでっか!?TV』で言ってたけど嘘つくより正直な方が生涯に通じてお金儲けれるみたいなをやっていて、たぶん嘘ついたり騙したりするとそれで成功してのし上がれるかもしれないけど自分が落とされるリスクも増えるのかなって。


 インテリヤクザな加瀬君は前回に引き続いてだし、関西系のヤクザな西田さんとか塩見さんのある種過剰すぎてキャラ立ちしてる感じはエンタメなドンパチヤクザ映画としては観るには楽しい。
 僕は最後のあの終わり方ですごく気持ちよかった。あと地味に出てる高橋克典さん台詞全然ないw 好きな役者さんである田中哲司さんも出てるし満腹っす。


 前作よりグロいというか歯医者ドリルみたいなのはないけどテンポよくさくさく進んで僕はこちらの方が好きでした。

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