Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『グレイテスト・ヒッツ・テラヤマ』『地獄でなぜ悪い』試写とか

月曜日は仕事を早めに上がらせてもらって銀座の東映本社内の試写室に。アイデアインクの綾女さんと編集者・米田さんとご一緒させてもらって園子温監督最新作『地獄でなぜ悪い』の試写を観させていただく。


先月の26日のワタリウム美術館で開催中の寺山修司展『ノック』のイベントで園子温監督演出『グレイテスト・ヒッツ・テラヤマ』を観に行った。入口でアイデアインクの綾女さんとお会いして観に来てた倉本美津留さんにご挨拶させてもらって観劇。



メルマ旬報の日記でも坂口恭平さんと園さん出会ったのワタリウムだったなあとか思いつつ。
最初は園子温×アートスクール木下×ノーベンバーズケンゴ始まりだった。
園さん演出の『グレイテスト・ヒッツ・テラヤマ』はジーパンを履いた朔太郎と呼ばれた園さんの詩人的な部分とエンターテイナーな藝人に寺山修司に受けた影響をぶちこんでいた。しかも出演者たちやアートスクール木下さんやノーベンバーズケンゴさんとの掛け合いの狂想曲、東京ガガガまた始まるのか?と思わずにはいられなかった。



園さんの実体験と寺山修司に受けた影響、それに東京ガガガ時代の詩と寺山修司の詩を使いながら客席にいた演者の人たちにフっては彼らが詩を口に出して園さんたちがいる舞台に移っていく。二十から三十人の演者と園さんに木下さんにケンゴさんたちが音を合わせて作り上げる。


最後は観客の僕らも立上がって写し出された『A列車で行こう』を全員が声に出して言う。木霊するものがあの空間にはあり、園さんという強力な磁力に吸い寄せられた人々の魂が呼応し響いていた。



記念に終わってから写真を撮っていただく。終わってからオンサンデーズの方と綾女さんと西島大介さんについて話してたら21時の回を観に来た快快メンバーとバッタリで立ち話。やっぱりいろいろな縁や繋がりが感じられて面白かった。





29日の月曜日は同じくワタリウム美術館に。DJまほうつかい(A.K.A西島大介)のサイン&チェキ&握手会に。
観客は少なく関係者だけかwみたいな展開だったが西島さん曰くネ申イベントだったよってw
いろいろ話を聞いてたりした。自分が好きなものや興味あるものを追いかけたり近付いていくとその界隈がどんどん繋がってくるのはやはり面白い。と同時にそこだけにいては新しい価値観や関係性は生まれ辛いので違うジャンルや興味持つものにも近寄ってもっとごちゃ混ぜなハイブリッド化したい。調和は取れるけどなんか変なものになりたいと思った。




そんな流れもあって綾女さんに誘っていただいて試写に。東映本社の中にあるんですねえ、普通に東映の人が仕事してるフロアを通って中にある試写室に。僕自身は去年の十月ぐらいに園さんと渋谷でバッタリ会って編集室に連れていっていただいて編集するのを観ながら使われる素材自体は観ていたけど音やCGなどはまだ仮だったりなかったりして編集で六時間とかずっと観させてもらっていた。だから完成版を観るのは初めてだった。


地獄でなぜ悪い』に関する僕のいくつかのツイート
・園さんの新作『地獄でなぜ悪い』の二階堂の役名はミツコ。園さんの映画に今まで何人ものミツコという名前が出てるんだよ〜。
・おそらく園さんの新作タイトルは→ RT ここでの暮らしは全ては遊びで、本当の事なんか死ぬまでわからない。浮世の暮らしなしなど浅き夢のようで、血肉をむさぼる大いなる幻影さ。だけど嘆くなかれロマンスが既に終わっていても、だから笑いながらここが地獄でなぜ悪い?byばちかぶり「大貧民
・十年ぐらいして検索とかして記憶と合致して驚きそうですね。 RT @tacopettei(田野辺さん) 今日のライダー見ていたガキンチョが随分と経ってから「発狂」シリーズや『冷たい熱帯魚』『地獄でなぜ悪い』を観て「饅頭屋のオッサンだ!」と思うだろうから、諏訪太朗さんの仕事は立派だ。
園子温監督作品の田中哲司主演『夢の中へ』以降の作品は伊藤潤一さんが編集してるんだよね、最新作『地獄でなぜ悪い』の編集見せてもらったスタジオでも編集していらしたし。園さんの作品を語る時に伊藤さんの編集も大きな要素なんだろう。
・『水道橋博士のメルマ旬報』にいよいよ園子温監督が連載開始。前のVacantのイベントの時に映画から少し離れてもいいかなとか東京ガガガまたやっても面白いかもみたいな事を言われていたけどまさかの「芸人」宣言。でも『希望の国』ソフト出て『地獄でなぜ悪い』公開してドラマやるっていう来年。
・昨日の園さんのラジオでのハメラレた話(実際には合意でハメているのだが)が『地獄でなぜ悪い』の元ネタのひとつだというのは面白く、諸々納得できる。園さん『非道に生きる』に書いてあることから新作『地獄でなぜ悪い』までリスナーに興味持たせるしゃべりでさすが藝人だと思った。
・『みんな!エスパーだよ!』録画したのを見返してる。染谷くんと園さんはやはり相性いい。二階堂さんは『地獄でなぜ悪い』でヤクザの娘(ギャル)もいいし、園さんは若手やまだ世に出てない、ブレイクしてない人をオーディションで選ぶときに感じるものがあるんだろう、世に出ていく可能性の原石を。


・昨日のライブで水道橋博士さんが園さんの新作『地獄でなぜ悪い』について語られたことで印象的だったのは園さんPFFから出て同時期のライバルや仲間の平野勝之さんや井口昇さんでやっていた「ファックボンバーズ」という映像集団があって、二十年以上たった今その三人がメジャーで映画を撮っている→
・『地獄でなぜ悪い』の仮編集観せていただいた時には気づかなかったけど出てくるずっと自主映画作ってる連中は「ファックボンバーズ」で、彼らは園さんや平野さんや井口さんや田野辺さんたちなんだって博士さんの話でわかってなんか泣きそうになった。彼らの青春回顧じゃなくて今に至る道筋→
・→ なんだとわかる。金たまがでかいとか終始下ネタですよ!昨日は。でも、園さんは自転車吐息のラストのようにラインを引いて走り続ける。時には二千人を率いりホームレスを繰り返し今は同世代の水道橋博士さんと共闘し非道に生きて走りながらラインを引いている、道のない場所を道にしながら。
園子温監督『地獄でなぜ悪い』試写観賞後に編集者の米田さんと綾女さんと楽しく飲ませていただく。この映画は大きなスクリーンで大音量で観たいと思った。今まで園作品が苦手だった人にこそ観てほしい。映画に対しての想いやメタ的な部分に園さん自身の映画への批評が無意識にぶち込まれた映画だった。
・『地獄でなぜ悪い』には園さんたちかつてのファックボンバーズと名乗った人たちの想いが登場人物達に託されている。いつ来るかわからないが映画の神様が微笑む今日をずっと待っている。夢はこの日常と地続きだった、夢は夢ではなく現実の続きだと言うかのように、諦めないやつが最後には笑う。
園子温監督『地獄でなぜ悪い』試写を昨日観た。園さんは『自転車吐息』からずっと道なき場所を疾走し咆哮し続けてきた。過剰でありながら繊細でもある園さんの極上のエンタメだ。映画の神様に園さんを連れていかれないように僕らは劇場で新作を観て園さんの次回作を待つのだ。


もう、楽しいよこの映画! 園さんのエンタメは過激でストレートだ。ずっと走り続けていた園さんだからこそ真っ直ぐだ。
ヤクザの抗争と映画作りを一緒に撮ってしまう、劇中でのファックボンバーズはずっと映画の神様が微笑む日を待っている。
長谷川博己演じる平田は映画監督をずっと目指している。彼は最高の一本が撮れたら死ねるという人間だ、そして仲間達も。彼はかつての園さんだし、ヤクザの組長(國村隼)の娘(二階堂ふみ)に彼氏の真似事をさせられる星野源演じる橋本も実体験をモチーフにしてて園さんだ。


作監督のヤクザ映画へのリスペクトがそこにはぶちこまれて暴走する。あの警察署とか小ネタとか素敵。そしてハイブリッド化していくのにそこにはおそらく無意識に見える自意識な映画への批評も入っている。
園さんはかつての自分達にエールを送ってるみたいだ。でもそれはただの懐古じゃない、今何かを追いかけている何者でもない例えば僕のような人間に向けて走れ!と言うように。
試写室はスクリーンも音も小さかった。だからやっぱりデッカいスクリーン
で爆音で『地獄でなぜ悪い』を観たい。
前観た時も思ったけど星野源がおいしすぎるw


で、今日はシネクイントに『アイアン・フィスト』を観に行った。

監督 RZA
出演 ラッセル・クロウ/ジャック・ナイフ、RZA/ブラックスミス、ルーシー・リュー/マダム・ブロッサム、リック・ユーン/ゼン・イー、ジェイミー・チャン/レディ・シルク


アメリカン・ギャングスター」など俳優としても活躍するヒップホップ・アーティストのRZAが、クエンティン・タランティーノによる全面サポートで監督・主演・脚本・音楽の4役に挑んだ異色カンフーアクション。19世紀の中国を舞台に、武装組織の抗争に巻き込まれて両腕を切り落とされた鍛冶屋が、鉄の拳を装着したアイアン・フィストとなって復讐の闘いに挑む姿を描く。共演にはラッセル・クロウルーシー・リューら豪華スターが集結。(映画.comより)


ただ、ただ楽しい。本当に作り手の人がカンフーアクションとかそのジャンルの映画が好きで作ったのが伝わる時点でなんだかニヤけてしまった。
展開ともシンプルだけどアクションシーンは重力無視!みたいな感じで大胆で見応えがあった。ラッセル・クロウルーシー・リューとか大物もいるけどアジア系の役者さんのアクションも凄い。こういう映画は気のあう仲間と観に行ったらめっちゃ楽しいと思う。

非道に生きる (ideaink 〈アイデアインク〉)

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僕らの時代のライフデザイン 自分でつくる自由でしなやかな働き方・暮らし方

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園子温 監督初期作品集 DVD-BOX(SION SONO EARLY WORKS: BEFORE SUICIDE)

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