Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語』


スタッフ・総監督:新房昭之、監督:宮本幸裕、原作:Magica Quartet、脚本:虚淵玄、キャラクター原案:蒼樹うめ
キャスト・悠木碧鹿目まどか斎藤千和暁美ほむら水橋かおり巴マミ喜多村英梨美樹さやか野中藍佐倉杏子ほか




解説・2011年に放送されて大きな話題を作り出し、第16回アニメーション神戸賞作品賞・テレビ部門、東京国際アニメフェア2012・第11回東京アニメアワード、第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞など、数々の賞を独占したTVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」を再構成した劇場版2部作の後編。どんな願いでも1つだけ叶えることができるかわりに、魔法少女として戦う道を選んだ5人の少女がたどる過酷な運命を描いたダークファンタジー。(映画.com)


 先週公開が始まった『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』に引き続いた後編が今日から公開。TOHOシネマズ渋谷にて12時前の回を観賞。ネットでチケットが二日前から取れるので木曜日に取ったが朝サイト見ると22時前の回まではすでに全ての回がソールドアウトになっていた。便利になったけどネットを使わないともはや観たい人気作は当日並んでももはや席はないという事になっている。良いのか悪いのか。


 前作というか『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』は130分を越えていて今作『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語』は109分になっている。アニメのオリジナル版は12話あるが前編では8話までやっていてさやかが魔女になってしまう手前のところまでで、後編は9話からになる。


 後編はさやかと杏子の二人の魔法少女がいなくなってしまう9話からの展開。その事でワルプギスの夜に対抗できる魔法少女はほむらしかいない状態になりキュゥべえとしてはまどかが魔法少女になるしか対抗できないのでちょうどいいぐらいな感じ。そしてほむらの願いが何であるか、なぜまどかが圧倒的な能力を持つ魔法少女になれるのかが明かされる。



 まどかと逢った最初の時間をひたすら繰り返すほむら、まどかが死なない世界を試みる。そしてまどかを魔法少女にさせないために彼女は動き戦うがそれが繰り返されることで並行世界が絡み合ってまどかの魔法少女と能力を爆発的なものにしそしてやがてなってしまう最悪の魔女にもしてしまう。


 『ひぐらしのなく頃に』と同様にハッピーエンドを目指し何度も同じ時間を繰り返していく。『ひぐらしのなく頃に』は全員が生きて祭りのあとを生き延びることで真犯人を見つけ最悪の状態から逃れることだったが、ほむら同様にそれを千年とか繰り返す少女がいる。彼女のみがそのことを知っていてもはや諦めているが、違う要素が入ることで少しずつ可能性が見えてくるという流れ。
 ほむらの場合は諦めることはできずやめることはできない、それはまどかを救うという希望のみで彼女は立てていて、諦めるということを選択するとその絶望によって彼女のソウルジャムは一気に穢れて彼女は魔女になるしかないのだから。


 そんなわけで実はほむらがまどかに抱いた友情≒少女期の百合的な愛情によって世界は動いていた。そして魔法少女がやがて魔女になることを知り、マミ、さやか、杏子と死んでいった魔法少女、かつて知らずに魔法少女になって魔女になってしまったすべての少女たちを、ほむらを救うためにまどかは魔法少女になる。その願いはすべての少女を救うため、宇宙の理をシステムすらを変えてしまうものだった。


 まどか自体の存在は忘れ去られていく、彼女は概念になってしまう。だけどもむらは忘れていない。魔女がいなくなった世界でも彼女たちは、ほむら、マミ、杏子は魔法少女として魔獣と戦っている。まどかの存在をキュゥべえに話してもそれは調べようのない確認できないことだから妄想と同じだと言われる。時間を止めて爆弾で戦っていたほむらはまどかが戦った武器の弓を用いて魔獣と戦う。


 というオリジナル版と同じ終わり方である。スタッフロールが終わると『新編 叛逆の物語』の予告が始まる。どうやらまどかが理を変えた世界での話になるようだ。アルティメットまどかも出てきたのでほむら、マミ、杏子と戦うような話なのかもしれない。来年公開ということのみ。


 祭りはまだ来年まで続く。

魔法少女まどか☆マギカ アルティメットまどか (1/8スケール PVC製塗装済み完成品)

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成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論

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