Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『アイアン・スカイ』


ストーリー:1945年、連合軍の猛攻撃にさらされ、アドルフ・ヒトラーが率いていた「第三帝国ナチス・ドイツは完全に敗北。しかし、その一部のエリートたちはひそかに月の裏側へと逃亡を図り、秘密基地を建造していたのだった。第2次世界大戦の終結から70年超にわたって独自の軍事テクノロジーを発展させ続け、虎視眈々(たんたん)と連合軍への復讐(ふくしゅう)の機会をうかがっていた彼らは、2018年、ついに決行のときが到来したと判断。UFOの大編隊を組んで、地球侵略を開始する。



チェック:世界各国の映画ファンやSFマニアから出資を募るや、約1億円ものカンパを集めてしまったことでも注目された、異色のSFアクション。第2次世界大戦で敗北したものの、月の秘密基地にひそんでいたナチス・ドイツが地球侵略作戦を遂行していく姿を活写する。メガホンを取ったのは、『スターレック 皇帝の侵略』で話題を呼んだティモ・ヴオレンソラ。奇想天外な設定もさることながら、ナチス的意匠を施したメカやガジェットのデザインも必見だ。
シネマトゥデイ




 渋谷のTOHOシネマズにて観賞。なんだかB級映画の匂いもプンプンしながらも噂では面白いと聞いていたので。字幕は『冷たい熱帯魚』で園さんと共同脚本も書いている高橋ヨシキさんに監修は町山智浩さんという映画秘宝的なコンビでした。
 月にやってきた黒人の宇宙飛行士を劣等人種だと言って白人にしたりとかブラックなジョークな事をしたり、月から地球に来てアメリカ大統領が女性なんだけど彼女の選挙にナチスの地球を研究しているヒロインみたいな子の台詞が使われたり、大統領の任期の最初に戦争があると二期も当選するとか、ナチスが月から攻めて来たら国連なのかな各国ないとか行ってる兵器で撃退とかしてもうナチスを使いながらアメリカの正義というか世界の今の成り立ちや状態を皮肉るというのはサシャ・バロン・コーエンが出ている作品にも通じていると思う。笑えるんだけど実は笑えない部分が作品の中にある。


 こういうアイロニーを出して行くっていうのが日本だとうまいことできないのはなんでなんだろうな、あるとしてもメジャーな作品では無理だろうし。ただ後半の宇宙での戦いというかあの辺りはけっこう眠くなったりした。
 ヒロインのレナーテ・リヒター役の女の人はよかったなあ。最後に月にあるヘリウム3を巡って世界の国が争って荒廃していく様とか皮肉だけど今の世界だったらそうなっちゃうんだろうなって。


 時間は90分少しなんでちょうどいい感じ。世界中からカンパを集めて作られた事もすごいなあ。日本だと映画作るカンパしてもあんまり集まらないもの。