Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『世界の終わりのいずこねこ』



監督・竹内道宏
脚本・西島大介&竹内道宏
企画・直井卓俊
原案・サクライケンタ



出演・茉里(イツ子/いずこねこ)、蒼波純(スウ子)、西島大介(ミイケ先生)、緑川百々子(レイニー)、永井亜子(アイロニー)、小明(ヤマト先生)、宍戸留美(イツ子のママ)、いまおかしんじ(イツ子のパパ)、コショージメグミほか





「猫系小動物NEOアイドル」として人気を博し、2013年8月31日をもってソロプロジェクト「いずこねこ」を終了した茉里が、その活動の最後を飾るべく映画初主演を務めたオリジナル作品。原因不明の伝染病が蔓延し、人が住めない状態になってしまった西暦2035年の東京。謎の隕石が地球に接近し、人々の間には絶望と諦観だけが漂っていた。そんな中、歌とパフォーマンスをインターネットで配信し続ける少女イツ子の前に、木星からの使者が現れる。(映画.comより)



 『世界の終わりのいずこねこ』コミカライズを先に読んだけど本当にミイケ先生は『凹村戦争』の凹沢アルのその後みたいに見えてくるから不思議だ。ミイケ先生=西島さん≒凹沢である。東京というローカライズな場所と文化について震災後に広島に移住した西島さんの認識とアイドルという文化の物語だなと思った。
 西島さんのコミカライズで設定がどうなっているのか深くわかる部分もあるけど映画単体よりもいずこねこだったり西島さんだったり『ワンダフルワールドエンド』から連なっているものを複合していくと余計に面白い。関係性の映画だったりする。
 スポテッドの直井さんが仕掛けているものは映画作品自体とそこにできる磁場とか関係性の拡張による新しいエネルギーなんだろう。『世界の終わりのいずこねこ』もいろんな要素が複合的に絡み合っているのでただ作品を批評しても全体像がつかめない。そこから繋がっているものが面白くしていくはずだと思う。
 冒頭から西島さん出て知っているだけにちょいと笑ってしまったけどアイドルについての存在についての批評性とか考えるとやっぱり西島さんが脚本とかやってるからだよなあ。『サーフィン・オン・サイン・ウェーブ』から繋がってるものがやっぱりある。


 全体的に演技がうまいとは言えないのだけどだけどもアイドル映画というものはその瞬間の今を切り取って封印し氷漬けのマンモスみたいなものにしてしまう感じに近いと思う。だからこそ今観るべき映画であり、もういなくなってしまったアイドルだとしてもやはり観るべきは今なのだと思う。思春期ではなくても青春を、少女たちの輝いている季節はリアルタイムで観るべき価値だと思う。何年かあとではやはり遅すぎるのだ。

世界の終わりのいずこねこ

世界の終わりのいずこねこ