Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

インパラプレパラート 12th 『ピクトマージ』

 専門学校からの友だちの青木と彼の友人が参加しているインパラプレパラートの舞台を観に新宿に。インパラプレパラートの公演自体は三回目か。毎回面白いと思える話と展開なので今回も誘ってもらって観に行きたいと思った。


 前に観たのは『笑われガスター』に『ピアノピア』(http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20110204)だった。知り合いの知り合いぐらいの距離の方が舞台は正直観やすいとは思う。僕はだが。


 渋谷のブックファーストで『タマフル』で「フード理論」を話されていて面白く印象深い福田里香さんの『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』が出ていたので買う。イラストはオノ・ナツメさん。
 今週のスペシャルウィーク(視聴率をはかる期間だっけ?)の『タマフル』はこの本も出たし的な流れで「なぜ、宮崎アニメの食事シーンはあんなにもグッとくるのか?『フード理論 特別編〜私の宮崎駿〜』」ですね。楽しみだ〜、宮崎駿は好きじゃないけどさ。


インパラプレパラート公式サイト
http://impara.b.la9.jp/


 新宿のサンモールスタジオにて。いやあ普通に新宿御苑近くなのに迷子になりましたね。ふうっ。


『ピクトマージ』PR・解説/ストレートで力強い笑いと、心にシャープに突き刺さる物語で、独自の世界を展開するインパラプレパラートの最新作。
 俳優に加え、コンテンポラリーダンスのダンサーが複数出演。絵画芸術をテーマに据え、役者の息づかいとダンサーの身体表現の連携で、"絵を一切使うことなく"絵画の世界をダイナミックに表現する。
 それに加え、物語はインパラプレパラートが得意とする情熱的でアクティブなストーリーを展開。『描いた絵を実体化させることができる』という特殊な能力を持った人々が、絵画表現という戦いの世界に身を投じていくことで、それぞれがそれぞれの生きる道を探る。その姿を通して、表現とは何か、ライフワークとは何かを問う、情熱的&芸術的エンターテイメント。


 絵画+ダンス+バトル漫画を演劇でやるっていう作品。細かい設定や名称を覚えきれてないけどまあ書いた絵が呼び出されて戦ったりするというバトルもの。イデア論とかが根底にあって向こう側から呼び出してという設定。


 三作しか観てないけどインパラプレパラートの物語は環になるように着地する展開があるかなあっと、あとわりと熱い感じの台詞や展開があって黄金期のジャンプ的なものもあると思う。


 実際に絵を役者は書かないけど書いてる演技をする。彼らが戦うことは絵を書いて呼び出す事だから呼び出されたものとしての表現、演出としてのダンサーと共に彼らも書く演技をしている。


 だから観客はそこに見えない絵が書かれている事を想像する。そして五人のダンサーが入れ替わり立ち替わり呼び出されたものとしてダンスを舞台でする。一人のダンサーがずっと主人公側ではないし敵が呼びだした側のものとしても動く。だからそこにはダンサーの身体性による表現、これはまさしく舞台だからこその表現として。


 その躍動感、息づかいが、彼らが動く事で会場の空気さえも動きその空気の波すら最前列に近かったので伝わってきた。観る側はユニコーンならユニコーンの動きを表現するダンサーを観ながらもそこに自身の想像も加えて観る事になる。


 ゲーム世代というのがあるのかはわからないがファミコンスーファミを当たり前にして育った世代のある種の共通認識としての表現の可能性を感じる。細分化する前の『FF』だったり『ロマンシングサガ』みたいなロープレな世界観がこの演劇の根本にはあり台詞や展開、そして役者やダンサーの動きからもそれが伝わる。


 アニメ・マンガ的リアリティや堤幸彦演出における役者の身体性のキャラクター化なんていうものがゼロ年代に台頭しある意味で浸透したのはネット的な身体性とも無縁ではなかっただろう。
 だがネットが今のようになる前から今の三十代や二十代は幼少期からファミコンをしていた。8bitや16bitの世界でそれは二次元の世界だったけどもそれを体験していた人達が自らの創作をし表現を始めるとそこにはその経験が否応なく現れてくるし、意図的に組み合わせてくる。


 だからわからない人にはまったく何をしているのかわからないのかもしれない。それは観客の体験やある種の想像力と共に舞台上で展開されているものに意味を与えるシステムであり共同体験するゲームでもあるのだろう。


 役者の人やダンサーの人達はとてつもなく疲れるとは思う。だけど本当に面白かった。再演するにしてもあんまり大きくなりすぎるとまたダンサーの動きによる身体性が伝わり辛くなってしまうかもしれない。


 まあ僕はドラクエもFFもそんなにハマっていなくて出たら絶対に買うゲームって糸井さんが作った『MOTHER』シリーズぐらいしかないんだけどね。
 昔のジュブナイル小説の代わりに僕は小学生時代に『スタンドバイミー』『グーニーズ』なんかのアメリカ映画のオマージュ満載な『MOTHER』をプレイしていたんだ。
 糸井さんにロフトのイベントで会った時に「MOTHERを小学生の時にリアルタイムでプレイして育ちました」って言ったら「大きくなったな!」って言われたなあ。

バリューセレクション MOTHER 1+2

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