Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『サカナクションはOwari No Kisetsuの夢を見るか?』

 昨日今日とサカナクションのツアーファイナルなKBSホールのライブも観光も兼ねて彼女と行ってきた。東京駅から新幹線に乗るのも久しぶりだった。最近は乗るとしたら品川からだったし。


 京都に着いて荷物をホテルに荷物を置いて鍋焼きうどんを食べにいって、有名なとこだったらしいけどやっぱり岡山で生まれ育って香川に近いからうどんにコシがないとうどんって感じがしないよなあ。


 でイノダコーヒーってこれまた有名なとこらしいなんだか大正な感じな朝ドラの『カーネーション』に出てきそうな内装の本店でお茶してDragon Ashのライブで友達になったSちゃんもサカナのローディな旦那さんがいるので赤ちゃんと共に前日から京都来てるみたいでお茶しようぜって電話して待ってたらベビーカー押してやってきてくれた。


 前に見た時は去年の出産前だったから初めて赤ちゃん見たけど可愛らしかった、ちょいと大きめな感じで元気だったけど一回も泣かなかった。赤ちゃんの相手するのはほぼ人生で記憶がないので初に近かったけど人見知りしない子でよかった。
 たかいたかいしたら喜んでた。会場に着いて旦那さんに挨拶したりして会場に入ったら天井がすごい高かった。


セトリ
01. RL
02. モノクロトウキョー
03. セントレイ
04. アドベンチャー
05. 仮面の街
06. Klee
07. アンタレスと針
08. years
09. 流線
10. エンドレス
11. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
12. ホーリーダンス
13. DocumentaRy
14. ルーキー
15. アルクアラウンド
16. アイデンティティ
17. ドキュメント
<アンコール>
18. ネイティブダンサー
  夜の東側(ドラムの江島さん歌うの巻)
19. 三日月サンセット
<ダブルアンコール>
20. 目が明く藍色


 『シンシロ』以降の楽曲をうまく展開させた今のサカナクションのモードな感じだったしお客さんも盛り上がってた。で、僕が一番聴きたかった『ナイトフィッシングイズグッド』は前日のダブルアンコールでやったらしい・・・。
 照明というか演出がKBSのハコの問題かすごくよかった、大きさ的にこのぐらいが一番映えるんじゃないかな。幕張観に行った彼女もこっちのほうがよかったと言っていた。幕張だとお客はたくさん入るけどそういうのは微妙にならざるえない気がする。
 僕も幕張はフェス以外ではワンマンとか観に行かない事にしてるのはレディオヘッドの時に幕張はワンマンきついなって思ってから。


 アンコールの時のMCでボーカルの山口くん泣いてた。感極まって。


 『DocumentaLy』の発売前の爆音イベントの時も行ってたけど自分たちの姿勢とかきちんとエンターテイメントとして売りたいと。マジョリティの中のマイノリティになりたい。そのためにCD買ってライブに来てほしいと。それが僕らの収入になるしそうやって売れることでやれなかったことができるようになる。
 こういうことをきちんと言葉にしてファンに伝える事は本当に大事な事だと思う。売れないとできないことは確かにあるし売れないと廃業しないといけないからね。メジャーでやるということはそれで生活費をきちんと稼ぐこと、それが基本姿勢にあることが大事な核になると思う。
 僕らはたまたま音楽で生活してるだけで凄くもないしみんなが働いてるのと同じなんだって、そういうことを前も言っていた気がする。その視線が多くの人に届いてる理由のひとつでもあるんだろうなって思う。



↑KBSのステンドグラスは爽快だった。終わった後に撮影してもいいですとメンバーが言っていたので。


 始まる前と終わった後のBGMがレイハラカミさんのアルバムに入ってるくるりの岸田君が歌っている『Owari No Kisetsu』だった。


 今年の一番大きな出来事は当たり前だけど震災と原発問題。『DocumentaLy』のアルバムも震災が制作の間に挟まれている。だからもちろん以前の視線とか考え方とは違うものになってくる。そういう中で作り上げてツアーを回ったことが大きな力になって感極まったんだろう。


 大地震が起きてから初めて関東から出たことにライブが終わった後に気づいた。たぶん京都に降りて最初に感じた違和感は言葉でもなくいつもと違う場所ではなくあの終わらない非日常と分断されているかのように思えたからだろう。京都の夜空の満月は光をリフレクションして輝いていた。


サカナクション / エンドレス


 京都でちちんぷいぷいをホテルで見てたけどハイヒール姉さんの老化を目の当たりにした。デジタル化おそるべし。
 ホテルをチェックアウトして駅中のイノダコーヒーでモーニングをしてから下鴨神社に行ってから京都の恵文社を散策してみた。嶽本野ばらさんのサイン会が昼過ぎからあったらしくゴスロリな女の子が何人か本を引き取りに来ていた。古都・京都にゴスロリなあの感じ、大正時代に着物来てる中に洋服的な感じかな。
 それから北上し上賀茂神社に。近くにある鯖味噌煮が有名らしい今井食堂に行って鯖味噌煮弁当を店内で食べてたらとんねるずきたな美味い店認定証があった。オンエアしたのかこれからなのかわからないけども。


 下も上もどっちの賀茂神社は七五三らしく親子連れが多かった。あと婚礼してたなあ。京都はバスで移動したけど揺れは眠りを誘うのかたいてい寝てた。


 京都の駅前でバス降りたら原発廃止の署名運動してた。京都の人とかたぶん現実感ないだろうなって思った。
 同じ国で同じ文化で同じ言葉なのになんだか並行世界のAとBみたいな空気感の違いはずっと感じてたし。やはり3.11以後一瞬繋がったように見えたけどすぐにバラバラに分断されたんだというのが現実だろう。


 9.11でツインタワーに旅客機が突っ込んでいくのにハリウッド映画みたいじゃんって多く人が思ったようなある種の現実感のなさがきっと福島原発問題にもあると思う、同じ国でもやっぱり温度差は当然ながら。
 

 放射能にずっと曝されてるこの感じはやっぱり“非”日常なんだよね。


 新幹線で『ひぐらしのなく頃に解』(罪滅し編 上巻)を行き帰りで読んでたんだけど文字の色が黒だけじゃなくて他に二色ぐらいあって。僕も小説とかは黒文字だけじゃなくて他の色でもいいんじゃないかと思ってるんだけど、黒じゃないのを色盲の人が読むとどうなんだろうかとも考える。
 古川日出男デビュー作『13』の主人公は色盲で後に神を撮影することに成功するんだけど、去年ぐらいのトークで古川さん自身も色盲だと言われてたしcharlieもだしDragon AshのKjもだし僕が影響受けてる人がわりと色盲の人多い。それがどうフィードバックされてるのかは気になる。


 世界の見え方はそれぞれで違うのは当然の事なんだけど。

13 (角川文庫)

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