Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

KAI-YOU presents「震災後を語る――擬似的戦後の思想/文学」


今年3月に日本を襲った東日本大震災は、震災前の日本と、震災後の日本を大きく隔ててしまった。震災直後から多くの人が、それを言語化しようと試みた。震災発生以降、その断絶を経た変化は、あらゆる局面に様々なレベルで表れている――しかし、本当に「震災ですべてが変わった」のだろうか? 事実、特に被災地に直接の関連がある人々の生活は一変した。政権が交代し、経済もそれまでの不景気を深刻に悪化させ、財政が破綻しつつある現状は、日本に住む誰であろうと無関係ではない。それは変化に違いないが、しかし首都圏や被災地以外の地域は一見平穏を取り戻し、一時的に止まっていた流通機能も回復した。多くの人にとっては、これまで通りの日常の風景や生活、いわば日常感覚が戻ってきているとも言える。


では、震災は、思想や文学を変えたのだろうか? 乱暴にも思えるかもしれないが、「震災で“変わって”しまう思想や文学があるとすれば、それはどれほどのものなのか?」――こう問いかけることもできる。


歴史の転換点として語られる震災を経た現在は、戦後の日本と相似であるとも言える。「疑似的な戦後」としての「震災後」を考えること――現代の言論が取り組むべき課題に向き合う、大塚英志橋爪大三郎武田俊(司会)特別対談。


 池尻大橋の2.5Dに。前に来たのは『ひらめきマンガ学校』のトークイベント 「ひら☆マン2.5学期 ふみふみこデビューまでの道」だったので二回目。

 
 入り口に星海社より大塚英志さんに花が届いていた。太田克史さんが大塚さんに星海社新書で何か書いてもらおうとしてるってのはツイートで言われてたけどそういう事もきちんと気配りされているんだなって。


とりあえず以下はメモ。断片ばかりだけど。


震災 前/後 思想/文学


大塚/地震飽きた。香山リカの話(チラシの内容)。言い辛い空気をかき消す。日本ゼロベース。東北の話 飛んだ 何ヶ月かで。設問そのものがわからない。


橋爪/物事の順番・過去・現在は知れるが未来は知れない。大きな出来事で世界が変わったように思える。←誰にでも起きる前に述べているか?
 価値・これから起きる事。みんなが変わった。原子力をやっている学者(後輩)・3.11の出来事が目の前にあり続けた。


 個人のメディアを持つ(大塚さんが前から言っていた事)、震災後の関心。


大塚/ネットに関心なかった。こえた、交通事故。シンポに出れば勝手にUstされもはや。湾岸戦争・文学者の声明。反戦署名。柄谷やクリスタル。
 9.11、イラク戦争自衛隊派遣、後方支援/若い弁護士をそそのかし、あるいは背中を押し、←差しどめ。
 湾岸から地続きとして←文学者は知らん顔。弁護士周辺・劣化ウラン弾。治療←プロジェクト。湾岸で何か言っていない。
 神戸の大学で先生→生徒「阪神大震災」の子供←書くものや表現に作用しているようにも思える。
 3.11が9.11のパロディのよう。どうせ静かになっていく。淡々と誰かが何かをやっているのを支えていく。僕はなにもしないよ。十年経ってたも東北は復興しないだろう、そこに誰がいる、残る?←今声をだしている人が。


橋爪/目の前の人に対してできること。各自の地に足がついて誠実に。大小。メディア大きい出来事を押していく。何か見えない表裏。
 人々が忘れる見ない隠したいを言う役割「学問」はメディアに乗りにくい。
 彼等が見ている、見えていないものが多すぎる。憲法/日本加盟/国連/世界平和←九条><国際紛争 矛盾。目の前の矛盾を見ない。アカデミシャンが考える現場/先回りする。
 隠蔽/忘却に対して動きが取れない。


大塚/明晰さに違和感→思想期待に。社会学者の明晰の希求←求める感覚がわからない。前提排除/哲学等が関心ごとになっていく。世界の複雑さ。うまく噛み合ない・明晰さ←どう?


橋爪/世界が明晰でないから明晰を求める。複雑さに翻弄され続ける。
大塚/翻弄される? 難しくなってる。
橋爪/その場で決着。右か左かイエスかノーか。誠実さ。書き言葉は時間が無制限。近代→明晰さを研ぎすます。自然科学。ニュートン成功。法律/体系こしらえる。哲学/理性的に根拠があること。資本主義/損得/
 世界が合理化/はみでる。大枠があるから近代。
↑イラッとくるのが普通。 
 フランス現代思想ポストモダン→合理化から逃避。機能不全/パラドクス。世界は非合理=アンチ近代。非合理では手がつけれない。
↑立てばいいの?
 明晰に不十分。明晰が突き進めば自分の限界。


大塚/論理的整合性を決める。目の前、対応関係。自分のズレ?
橋爪/めちゃめちゃズレてるよ。
大塚/哲学・社会科学はつねに不確かさ/落差。語られない膨大なもの。
橋爪/その通り←話終わるやん(大塚ツッコミ)
 世界は説明できない。人間/社会はやっかい。社会は言葉でできている。似たものをまとめて。問題ある制度の問題。
大塚/矛盾は?
橋爪/戦後システムにいること。
大塚/社民・九条・自衛・暗黙の了解←現状維持の矛盾。


橋爪/3.11と戦後は似ているか? 3.11前に有効だった思想や文学は。コンテクスト。戦後 1945年 占領 サンフランシスコ条約 言葉にできていない。
大塚/天皇制・GHQ民俗学研究。戦後の数年・言葉にしていない。
橋爪/戒厳令・時間、場所。権限を軍にゆだねる。今はない/軍がないから。連合軍・ポツダム←主権者従属する。三権を占領軍(日本全体)に委任←軍政でない、憲法。政府。


大塚/イラクでも同じじゃん←9.11でも書いてる。イライラしてる。わかっていることを橋爪さんは言っている。保守論壇でさんざん聞いた。
橋爪/占領後に運営すれば憲法。実効性ある?学校で教えている憲法は的外れ。
大塚/Ustでどう言葉がのるか、それだけがリピートされていくよ。
橋爪/教育する側がわかっていない、専門家が。
大塚/憲法学者サボタージュ?無能?
橋爪/そう。国家機関施行されたもの。憲法/契約/再確認/再生産。
大塚/誰もやってなかった?
橋爪/誰も。
大塚/イラク派遣/コミットしてしまう。国家/憲法有権者。たくさんの営みがあったと思う。イライラさせるのに乗る。議論以上になる。憲法実体を持たない。
橋爪/狭い意味での成文憲法・条約。国民を制約する。条約強い。明治政府。
大塚/戦後・枠組みで機能してない?実効性を持たない。日米安保憲法。同じぐらい。
橋爪/集団自衛権/安保←信任している。矛盾している。
大塚/それって?伊天まで言われていることが言われていないって言ってます?手垢の論議/ゼロシーン。
橋爪/安保/憲法と同じよう、台頭に。形式論理。ナニを追求する。矛盾しない方向に。九条でイラク憲法の半分しか見ていない。大きな利益。


大塚/軍事的な貢献?じゃない貢献はしてきた。国家間のネゴシエートアメリカのポチみたいな国になった。国際法をわかっていない? 休憩いいわっ!


擬似的戦後


橋爪/戒厳令。3.11は戒厳令に匹敵するものがない、戦後とは違う。似ていない。何にコミットし価値をもとめ優先順位をはっきりさせる。
大塚/何に? 意思決定をなぜ戦後できなかったか?の話をしたい。議論が噛み合ない。
橋爪/弱い恵まれていない者から。個人的な問題ではないを個人がどうやって立ち向かっていくか。
大塚/橋爪さんはどう立ち向かう?主語がちがくない? 個人/立場


橋爪/個 何もできない・アカデミシャン 言葉にできる
大塚/自分の言葉に重きを置いていない。だから保守論壇を離れた。議論するが具体的に生きている個人を拒む保守論壇。文学に何ができるか?小説書く以外にない。


橋爪/政府に懸命に行動させたい。
大塚/なぜそれができないのか。


 橋爪さんは「例え」が多い印象。


橋爪/国債は手品。1000兆円の借金、一人当たり1000万。公的サービス過剰、税金払いたくない。
大塚/財務省の論理だね。半分でいい? 公的サービス・税金のバランス。乱暴な。
橋爪/国は金がない。
大塚/税収減ってるからそれで?
橋爪/増税かサービス減らす。
大塚/機能不全はおいといて?


 橋爪さん話が・・・。


大塚/ありふれた官僚の話。
橋爪/小井出さん?の原発の話。
大塚/これらから起きることの緻密な、どういう因子をいれるか。


 橋爪さん小日向さんに声が似てる。大塚さん食い気味に。


大塚/国民主権者になりそこなった近代。柳田國男・投票で国民が空気を読んで逆ギレした。柳田民俗学の良質な数年。
橋爪/問題ない。適切に説明してない、うけいれていない。
大塚/「なんで」に含まれることが(橋爪氏に)伝わってないなって。
 社会学・哲学/スポーンと抜けている。九十年代に左翼に走ったが、生理的身振りでしか動けなくなっていく。東浩紀に対する違和感。立ち振る舞い、免罪。

橋爪/思想が明確であるべき。当たり前。明確である事の何がいけない。
大塚/本質ではない。
橋爪/明晰な議論。もう一つの明晰で打ち破る。
大塚/自分の明晰ではない、明晰を装っている。
橋爪/わたしは装っていない。


 具体的なレベル


橋爪/自然科学100%
大塚/↑みたいにいってません? 理論の組み立てが自然科学。
橋爪/確実なものから。生命保険の余命何年とか(ええぇ!)
大塚/経験(個人)とか使うなよ。
橋爪/みんな共通に・憲法/条約
大塚/常に照射してる。アカデミシャン(恣意的)。実効性や中身。肉付けの論理。よくなった見通し、フィードバックできる?
橋爪/増築×、ジャングルになっている。
大塚/具体的に憲法を作る主体。議論×2の上にある個人。改憲論・グ来的なのをさほど出してない。明治憲法←作った人も。根本設計→憲法作る。参画できる人間を作る。
 自分の抽象的な議論、明晰な?


橋爪/生徒手帳/校則
大塚/論理のすり替え、校則なくしたら 憲法
橋爪/社会とか関係ない(校則)印刷会社が作ってる校則。
大塚/↑それ守ってるやついるか?だれだよ。
橋爪/空洞化しているのは採用・給与etc.放置したら。大事だけど細かい。
大塚/大枠の議論むなしくない?
橋爪/格闘し少なくなっていく。
大塚/ひつようの。パーソナルの積み重ねパブリック。一つ一つの局面、コミュニケーション、ディスコミュニケーション、ビルドアップされる。←それに期待すのはおかしいの?
橋爪/↑それをしようとしている。責任もつ、注意深く。
大塚/責任もてない?
橋爪/考慮したらポリティカルになる。
大塚/考慮しないしスクも背負う。


大塚/震災。公共性。反原発デモに。その程度な。魚の群れのような集団制。パブリックなものとして認めがたい。あなたたちはどこにいるのか?
 僕の収入の九割はマンガ。マンガ以外で稼いだものはイラクに寄付、僕は偽善者だから。仕事として人間として。マンガ。ひょいと憲法イラク、神戸の学校。十年後の何かしないといけない局面。たまつきでどうつながるか。小泉選んだ。民主主義、投票しようがしなくても。たまつきとしてイラクに爆弾を落とした事になる。
 反原発←イライラ/放射能が飛んでくる。想像力停止。春樹に今更言われたくない。左翼的なものいい。戦後は欺瞞。僕の考えとしては天皇制を廃止した方がいい。資本主義を肯定してる。生活・日常からたまつきが繋がるかの想像力。
 放射能←嫌なら非核三原則原子力艦は日本に入ってきてるじゃん、ずっと、それはスルーしてたよね?火の粉を払うだけ。たまつきの先/そこで何ができる。原発で思想が変わった、のっちゃったらそのツケをずっと払え。
 イラク。文学者はスッカリ忘れた。9.11沈黙した。3.11左よりノコノコでてきた。魚の群れの一つ←イラッ!
 日々の営みの中でパブリックなものにちょっと無理すれば。声をあげる言葉に責任をどうしていく。責任の取り方は少ない。
 僕は宮崎事件に足を突っ込み、ずっと裁判を傍聴した。護憲で違憲にいきつき、その二つでも責任で二十年。マッチポンプな意見。そういうものが九十年代以降でてきた。そういう場所(保守論壇)にいたくない。十年とかになっても責任持て。
 ↑きっかけになるならいいのかなとも思う。


橋爪/理不尽・理由がない、自然に起こりうる事。起きた事に戸惑う。できることを探す。社会インフラ破壊←自覚してないことに気付く。優先順位が上がる。価値観が変わる。/災害時/転倒してる世界。うすれるかもしれない。被害を直接受けなかった人も変化。結婚率とか家族の大事さとか。
 地図を作っているが欠けがある。見えないか見えない事が見えない。合理的な民主的な意見。→地方の投資(開発/ばらまき)←今は避難されている。現在は将来から批判されるかもしれない対象である。相対的な多数で承認していくしかない。
 民主/最前ではない。
大塚/↑補足。ここで生きていることパブリック/責任。原発リスク織り込み済み。/聞いてないじゃない。原発本。重版がかかっているものが多い、古いもので。東京は福島に原発を押しつけた責任。←それがある。東電は問題外の話。自らの責任を免罪していいのか?
 戦前は国民の空気を読んだ。国家の意思決定に国民の責任はある。国のシステム。歴然と。常に我々はパブリック。高をくくって起きた時。←戦後に言った類似性/戦争したくなかった等
 傷ついた自分を癒すのがさもい。少なくても責任がある。都知事都知事の電力を都で作って消費はまだましな意見。
 福島の人はリスクの責任。どういう談合等があったのか?それ(原発)で地域経済を回していたのか。リスクを、不都合なものを飲む事のリスクを地域が飲む。
 ↑きびしいようだけどもそれも誰かが言わないといけない。
 その時はじめて米軍基地の議論等ができるんじゃないか。僕の小さな日常が壊れた。被害者意識の中にいるのがアウト。約束事、リスク。←踏まえてリスク、分散、スキーム。リスクを背負うか? 軍隊。自分たちの責任を考えるならそうなっていく。その時軍をもつべきもたないかが議論できるようになっていく。←織り込まないと困った僕で自己実現とかカッコわるい。


橋爪/定着しなかった言葉/パブリック→複数の家族を含む、一つの家族をこえていく。拡大が社会。選択・意思決定で社会ができる。それがパブリック。
大塚/自然主義を第二の自然 社会システム。明治 新しい公共概念。国、他者。コミュニケーションツール。言葉で。 
 柳田 語り(文芸) 話し(ディスカッション) 柳田→個人起点/家族・共同体。第三者と共有できる。←ディスカッション。
 自然主義運動・フォークロア普通選挙。ツールとして。
 頓挫していた。公共的課題/下からビルドアップ。ぱぶりっくなものを作り損なっていく。教育に繋がっていく。語りの言葉を日常から峻別して使っていく。逆説的処方箋。
 柳田の言葉ヒント。新著の後編を読むとわかり辛いが。ロマン主義地震後の思想(柳田も震災にあった)。震災後の思想ができてくる局面。できるならみてみたい。柳田戦後頓挫していく。


 タイムアップ。緊迫した空気感。緊張感が会場に流れた。一瞬時が止まるような何か。大塚さんの大塚無双の切れ味と怒濤の言葉を相手できる人ってどれほどいるのだろう。

界遊005

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ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

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