Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『無限の住人』


 三池崇史監督『無限の住人』をば。三池作品で好きなのは『46億年の恋』かなあ。主演の木村さんは震災前後の頃のバイト先のお得意様だったので何度か接客してたけどやっぱカッコよかったよなあ。木村さんのドラマは『ギフト』が飛び抜けて好き。
 『亜人』と同じく「死ねない」主人公の戦い。ゼロ年代からゾンビが流行ったことの先には理性を保ちながら死ねない世界というメタファなのかも。昨日の東さんと宮台さんの話に出てきたけど、もはや世界は右と左の対立ではなく、ナショナリズムグローバリズムの戦い、それらがさらに今までの右と左の上にのっかてもいる。アメリカもフランスもナショナリズムグローバリズムの戦いが大統領選にはあったが、日本の政治には残念ながらそれがない。それと戦後日本社会の成熟を拒否した老いることを拒んで若さを歓迎する思想と「死ねない」肉体で生きることはなにか通じてはないか。だけど、人や国家はいつ死ぬし滅びるんだけどさ。
 手塚治虫は戦後、マンガ・アニメ的な身体が傷ついて死ぬことを表現した。いつしかマンガとアニメの国になったこの国では、マンガやアニメ的な身体と現実世界の僕たちの身体におけることが入れ替わってしまった? アトム大使アメリカから渡された成熟する身体をなかったことにして、鉄腕アトムとして未成熟に見える身体と死ねないキャラクターにしたことが、今に続いてんじゃないの。とかメモ代わりに。アトムについてはうろ覚え。