Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

第0回アウェイ部コント『アウェイ部』

 東京に上京したのは二十歳になる一ヶ月前で僕は成人式の日にはプー太郎だった。上京資金を貯めるためのセブンイレブンの弁当工場は12月で辞めていて成人式の日には上京前で完全な無職でプー太郎だった。今もその延長線上にいる。
 上京した時に決めた京王沿線の柴崎駅のアパートの近くにあったナムコワンダーシティプラボ調布店は家からすぐで映画の専門が四月からだったけど上京したのが二月で三月からはそこでバイトを始めていた。


 だからそれはもう九年も前の事で十年一昔とは言うのだけどもその間に出会った人はバイトだったり専門だったりとその繋がりで増えていった。
 僕とほぼ同じ年齢の友達や仲間は十代後半から二十代後半にかけて東京にいて実家や故郷に二十代の後半に入るにつれて戻っていったりもした。それは自然の摂理ではないけども僕にもよくわかる心境だったしそれに関しての感慨とかは特にはない。


 本人が望もうが望まなくても最終的に選んだのは決めたのはやはり自分なのだから他人がどうこう言うべきではないと思うし。


 プラボで毎日のように閉店後に閉めた店内でずっと格ゲーやサッカーのカードゲームWCCFをやったり週に何度も飲んだりしてた。
 僕は今も一人で酒を飲む事は年に数回もないし、上京した時にはビールがほぼ飲めなかった。そこの飲み会で毎回吐いて時には捕獲された宇宙人のように左右の肩をもたれて家まで連れて行ってもらったりした。そうやって僕はたしなむ程度にビールが飲めるようになった。


 そこのバイトで出会った一人が今日観に行った「アウェイ部」の内山さん、僕らはうっちーと呼んでいる。明大生でジョビジョバのサークルの後輩でお笑い好きだった。


 僕も柴崎から引っ越して下北が最寄りな代田に越してもそこのメンツと飲んだりは続いていた。飲んでいてそういえばうっちー何やってんだろうなって?って話になって会わなくなって二年ぐらいした時に電話したら「スペースラジオ」という四人のコントユニットでお笑いをやっていてすぐに第一回の単独ライブがあると言われて観に行く事になった。


 それ以来僕は「スペースラジオ」の単独ライブはすべて観に行っていて彼らが解散というかやめてメンバーだったうっちーとオニーさんが残り「アウェイ部」になったので彼らのライブもいつものメンツで観に行った。

 
 うっちーに関して最初の頃に出会った事や話した事は覚えてなくてプラボの横にあったカラオケで僕はまだ全然知らなかったACIDMANのファーストアルバムに入っている『赤橙』を聴いて歌が上手かったのが思い出せる最初の印象だ。それから僕がACIDMANを聴くようになった。だから最初に聴いたACIDMANって大木さんのボーカルじゃなくてうっちーなんだよね。


ACIDMAN 赤橙(LIVE)


 僕は事前に何にも見たり調べてなかったんだけど、オニーさんのmixi日記で「アウェイ部」というコンビ名はラーメンズ小林賢太郎さんが付けたということぐらいだった。ライブの主催はTBSラジオになっていた。


 一時半集合だったけどそれよりも少し早く阿佐ヶ谷に着いたので小屋まで行ってみた。前売り券は完売で当日券は出ないみたいだった。



 観に行く四人が揃ったので劇場にまた行ってみるとお客さんがかなりいた。キャパは百何十人ぐらいだったろうか、かなりの大きめなキャパだった。
 座席のチラシには「小林賢太郎 公式サイト 『KENTARO KOBAYASHI WORKS』」の文章が載っていた。



アウェイ部。後輩のコンビ名です。もともと違う名前のコントグループで活動していましたが、この度「アウェイ部」としてデビューすることに。小林、彼らのお披露目ライブをお手伝いすることになりました。僕はコント師にとって大切なことは「自立」だと考えています。ですので、彼らは僕の弟子になったわけではないし、
僕も「お前らをなんとかしてやる」などとは言いません。頑張るのは本人達。でも、知ってる事は教えてあげようと思います。コント師の心得。コント作りのノウハウ。コントの為の演技のあれこれ。そして仕上げは1月9日、10日のライブ。
まさに理論と実践の短期集中ワークショップ。僕にとっても自分の考えを客観的にまとめる良い機会。もちろん、彼らに素質があると思ったから引き受けた企画です。小林とアウェイ部、頑張ります。



 客の多くは普通に考えてラーメンズというか小林賢太郎のファンだろう、彼のサイトを観ていて期待して観に来た人なのだろうとようやくわかった。ホームなのかアウェイなのかよくわからないがはっきり試されると思った。


 僕らは「スペースラジオ」のライブとか大好きで身内だけどけっこう笑っていたのでうっちーとオニーさんを初めて観る人の視線はどうなんだろうなって。


 僕らはわりと飲み会でうっちーが小林さんを尊敬してる事とも知ってたけどこんなにがっつりワークショップとかしてるとか知らなかった。ライブは一時間ぐらいだったと思う。


 「スペースラジオ」は四人だったのでうっちーが前フリやツッコミで小ボケ、中ボケ、大ボケって感じで四人が入れ替わったりする感じだったのが二人になってシンプルな感じになっていた。僕はラーメンズをほぼ観たことないのだけどラーメンズ大好きなノンから言うとかなりラーメンズ的な言い回しとかあったらしい。


 かなり笑ってしまった。知り合いとかが舞台に出てると正直ハードルは上がる感じがある。僕はそんなにお笑いライブとか観ないでなんとも言えないが会場かなり笑い声が出ていた。


 コントのネタに関しては詳しく書かないけど明日も昼と夜あるし。終わった後に小林賢太郎さんが舞台に「アウェイ部」の顧問的な立ち位置で出てきて観終わったネタについての会場ワークショップを始めた。


 パントマイムと現実の間がコントであることだったり、重い物が重量で下に落ちてそれを持ち上げる時の重さのマイムとか小林さんがやってみたり実践的な指導だったり演技とかを二人に言っていてお客さんの中から「ほぉお」と納得する声が出てたりした。


 確かに小林賢太郎という人は「スペースラジオ」のライブで数回見かけているが舞台にいる彼を観た事がなかったんだけど確かにオーラというか雰囲気がある人だった。「アウェイ部」のポジショニングはうっちーが小林さんでオニーさんが片桐さんな立ち位置になると思う。


 一ヶ月前に舞台やるって話で一ヶ月のワークショップで作り上げたコントライブらしい。確実に次の段階に入ったと思う。


 須藤元気著『風の谷のあの人と結婚する方法』に書かれている事をおもいだしました。


「例えば、魔法を勉強するとします。このとき、レベルの高い人たちの中で勉強していると、自分の魔法も上達していくのです。でも、逆に自分よりも下手な人たちばかり勉強していると、いつまで経っても今いる自分のレベルから抜け出せない。常にその世界で自分よりも上の人と一緒にいるというのは、自分を高めるのに非常にいいのです。ハリー・ポッターが短期間であんなに魔法が上達したのは、あのハイレベルな魔法学校、ホグワーツに通ったからではないでしょうか」


「一流の人が集まる場所に身を置いたり、常に一流の空気、あるいは波動に触れるようにしていると、自分もだんだん一流になる」


 って本当だなって思った。


 ライブを観終わった後に阿佐ヶ谷から友達のおすぎと彼氏がやってる焼き肉屋がある東中野まで沿線沿いに歩いて行ってみた。
 中央線の駅前ってどこもほぼ同じ構造でロータリーがあってあんまり代わり映えしない感じだった。ファスト風土化な感じ。
 鉄塔をずっと歩いて行く塩田明彦監督『どこまでもいこう』みたいだなって言いながら歩いてた。


 途中で陸橋を渡る時にずっと向こうにスカイツリーが見えた。携帯の画像だと蜃気楼みたいに薄いんだけどね。



 いろんな家を見たし路地裏みたいな細い道を線路沿いに歩いた。途中に猫がいて近寄ったら普通に撫でれた。飼い猫っぽかった。民主のながつまの事務所が入ってるマンションの三階には鳥肌実の事務所があったw


 僕らは一時間少しぐらい歩いておすぎのお店の「大樹苑」に行って美味いビールと美味しい焼き肉を食べた。来年で東京に来て十年だよ、光陰矢の如し。


 今日は行く時に渋谷まで歩いて阿佐ヶ谷に着くまではずっと100sを聴いてた。


100s そうさ世界は

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