恐ろしいというかもはや愚問、いや滑稽な人数での労働というワークを三ヶ日明けてからの四連チャンしてもはや心が新年早々荒廃しかけていて、破壊衝動に駆られた。
・六人出勤が奇跡的に三人しかいないという、バカじゃなかろうか。絶対に園子温むきだしフェスで『HAZARD』を観に行く。前よりもシンに共鳴すると思う。帰り道渋谷で咆哮したくなるだろうなあ。
・奇跡とはいつも救いようのない絶望に支えられている。 by 大塚英志
・セックスより破壊衝動
・美しい顔をぼこぼこに見るも耐えないまで壊す。美しさを破壊する時の高揚感とそれがなくなった後の悲哀のどちらに興奮するのだろう。
・世界の始まりとストレンジ・ニューワールド
・テンションが落ちてる、疲れてる時はスマパンのマヨネーズかradiohead - lift (Pinkpop 1996)だ。
とかtwitterで呟いてました。
radiohead - lift (Pinkpop 1996)
そして帰り道チャリに乗ってとりあえず『新潮』を買いに行く前に家に荷物を置いていこうと向かっている間に書こうと思ってる作品の最後の方のヴィジョンが降りてきた。タイトルと共鳴してるみたいな感覚だったのでいけると思う、問題は僕の執筆力。
で、買いに行って諸々済まして読書。『新潮』2011年02月号掲載の古川日出男書き下ろし『疾風怒濤』を読了。半年前ぐらいに読んだ同じく『新潮』書き下ろしだった『冬』に繋がっている小説だった。
『冬』自体も文庫化もされている『ゴッドスター』のその後の作品だった。だから『疾風怒濤』は『ゴッドスター』→『冬』→『疾風怒濤』と連なる系譜の作品群。この三作を読むと『ゴッドスター』は物語の序というか、オープニングでありプロローグであったかのように思えてくる。
『ゴッドスター』ではあたしが主人公として第一人称で物語は進む、彼女が出会ったというか拾ったというか記憶を持たない少年で彼女の息子となるカリヲが『冬』『疾風怒濤』の主人公であるぼくである。物語は東京湾の湾岸地域から京都へ。
僕のイメージだと『LOVE』『MUSIC』と『ゴッドスター』『冬』の二つの新潮から出ている、発表された作品群は東京湾岸地域、埋め立てられた海の上の土地、作られた人工的な場所、江戸時代に埋め立てられた、そこから始まる土地の記憶の物語から『MUSIC』『冬』に移行すると湾岸地域から古都であり天皇がかつていた京都に舞台が移される。
そこに『疾風怒濤』が加わる。だから『ゴッドスター』『冬』『疾風怒濤』のライン。『冬』が過ぎ春の物語がそれだった。『冬』自体も単行本化されてないのでこの物語群がまとめて一冊とかになるのかなと思ったり。春が来たらすぐに夏が来るように、明らかに続いていく終わり方だし新しい登場人物たちが出てきた。
去年の10月の終わりに行ったイベント『ゼロからはじめる』で古川さんが「世界文学」を書きたい、そのために宗教ときちんと結びついてないからそれを日本でやろうとするなら「天皇制」の事を書かないといけないと言っていた。でそのイベントの次の日ぐらいから籠って『新潮』用の書き下ろしを書くんだと言っていたのがこの『疾風怒濤』だろう。
明らかにこのラインというか物語群は「世界文学」にするためにという明確な意志のもとに書かれていると思う。読んでて宗教団体が出てきたから村上春樹『1Q84』に対しての何らかのアンサーかと思ったりもしたけどそういうことではなく「天皇制」を書くために要素の一つなんだろうなと思う。
この『新潮』ラインと『野性時代』連載の『黒いアジアたち』が大きな物語として単行本になるのはしばらく先っぽい。二十日には『モンキービジネス』で連載してた『TYOゴシック』が出るので楽しみだ。僕らがいる「TOKYO(TYO)」ではなく怪物たちがいる「TYO」の物語。
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