Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『キック・アス』

 昨日は爆睡し今の所で始めて遅刻しました。夢見てたら電話が鳴ってて仕事が始まる時間だった。今日は休みだったので区役所に行って用事を終わらしたら思ったよりも時間がかからなかったので渋谷に行って渋谷シネセゾンにてツイッターなどでも好評な『キック・アス』を。


 シネセゾンも閉館なんで最後に行っておこうと思ったのでそれがデカイかな。mixi日記で検索すると『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を観た事を書いたのが一番古いかな、もっと前にも行ってるんだけど書いてない。ここで観て一番好きなのは『アイデン&ティティ』かな、思い出せる範囲だと。






あらすじ・コミックオタクでスーパーヒーローにあこがれる高校生デイヴ(アーロン・ジョンソン)は、ある日、インターネットで買ったスーツとマスクで、ヒーローとして街で活動を始める。何の能力も持たない彼はあっさり犯罪者にやられるも、捨て身の活動がネット上に動画で流され、“キック・アス”の名で一躍有名になってしまう。


 ブラッド・ピットが製作に名を連ねる本作は、マーク・ミラーの原作を『レイヤー・ケーキ』のマシュー・ヴォーン監督が映像化。『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』のアーロン・ジョンソンが主人公を好演するほか、『(500)日のサマー』のクロエ・モレッツが美少女ヒーローを熱演。実際にアメコミマニアのニコラス・ケイジふんする“ビッグ・ダディ”。


 一回目の回だったけど三十人ぐらいはいた。予告で園子温監督『冷たい熱帯魚』がしてた。ビルボードライブ東京での三池崇史監督プレゼンツのイベントに当たったので公開前にまた観れる。あと気になったのはコーエン兄弟の『シリアスマン』かなあ。


 この作品ってすごく今っぽいなって思うのはデイヴがとある事で活躍した場面を偶然目撃した連中が携帯やスマートフォンで動画撮影したのをネットに出してそこから一気に広まるという所。ツイッターでお泊まりを呟かれてしまう今の世の中では誰もが携帯で情報発信できる。


 些細な好奇心が雪だるま式に一気に膨らんでバラまかれる。そういう意味では僕らは自分たち自身でみんなが監視してる監視社会を知らずに許容してしまったのかもしれない。


 目の前で何かが起きた時に携帯で写真や動画を撮るのがいいか悪いのかという問題ではないそれは可能な世界。殺人事件の現場でピースをする馬鹿と同じように悲惨な光景であろうが現場に居れば撮れるし自ら発信できる。秋葉原の事件がそうだったかのように。


Mr.Children - LOVEはじめました


 ネットで彼の活躍が広まって類似なヒーローとかが出てくる感じとかは今の日本で起きているタイガーマスクこと伊達直人ブームとも重なるなと思いながら見てた。同時多発的に起きるというか誰かが何かをやったのが伝わるのが早いから真似する奴もすぐに出てきてそれが連鎖していく辺りが。あと、どっちもマスクマンで顔隠してる辺りも。顔を出して正しい事をするのは恥ずかしい事なのかしら。


 一番の疑問はデイヴがキックアスとして世間で騒がれると出てくるビッグダディとキックガールの父娘のコンビね。彼らはギャングというかマフィアに恨みがあるから彼らに復讐するためにキックアスが出てきた事に類似というか真似て出てきて彼らと戦い始める。デイヴはどちらかというと巻き込まれていく。


 マフィアで麻薬とか売買してて人も平気で殺すので悪人でしょう。父娘からしたら彼らにはめられたり母が彼らのためにという恨みがあるので殺すべき対象。でもデイヴには関係なくて彼らに助けてもらったり借りを返すために彼らに協力することになる。


 ヒット・ガール(サイト見て気付いたけど確かに去年の同じ頃に観た『(500)日のサマー』に出てた女の子だった)は登場早々人殺すし、11歳の女の子なんだけど復讐のために育てられているから超強いし、最初の父娘のシーンではいきなり父親に訓練で銃で防弾チョッキ着てるからといっても打たれるし。この子がほぼ全部持っていく映画ではありますね。


 9.11以後の世界で正義と悪って描き辛いのが露呈してしまっただけにヒーローものは難しい。宇野さんが言うように仮面ライダー同士が殺しあうバトルロワイヤルなゼロ年代を経てこれからどう描くのか?


 ヒーローに憧れるデイヴのいう正義って何だろう? 困ってる人を助けることなのか父娘の仇であるマフィアを撲滅する事か? 観ていてその辺の疑問がどうも拭えなくてなんだかなあと思ってしまった。


 だってキック・アスが父娘に協力して彼らを助けるために放った銃弾で人は死んでるじゃん。君がましてや個人的な恨みも何にもない相手を正義という名で平気で殺せるのならば旅客機をハイジャックしてツインタワーに突っ込んだ彼らと何か違うのかな?とか考えるとこの世界に僕は深く入り込めなかった。


 タイガーマスクってたしか悪役レスラーだったよね。『コード・ギアス』シリーズで描いた現在の正義と悪の問題とかの方がリアルな感じがする。


 そんなわけで今年一発目に観た『キック・アス』は好きでも嫌いでもなくみんなが好きだというのもわかる気がするけど僕は平均点ぐらいな評価です。だから70点ぐらいかな、今年はこれは標準基準にしていく感じです。


 今月は『その街のこども』『ソーシャル・ネットワーク』『冷たい熱帯魚』と観たいのがたくさんあるので観に行く。今年は映画館で40本ぐらいは観たい。