Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

古川日出男『冬』

 休日、金曜日が休みだと土曜日の錯覚、無自覚で。で町の感じが土曜じゃないなって買い物に出かけて肌で感じる。
 町の空気が土曜日じゃないんだよね、工事とかおばあちゃんが歩いてて若者が少なくて、みんなせかせかしてて。


 ドラッグストアでレンジまわりを掃除するものを買って、西友でエビチリ買って食う。総菜があればあと米炊いとけばなんとなる。
 でもたまに料理する時の油とか汚れが3年以上たまっていて汚くて、それを見てみないフリをし続けていたのでいい加減にキレイにしようと思ってた。


 まずはキッチンマジッククリンたわしシートで汚れ等を拭き取ります。その後レンジまわりの強力ルックを全体にかけまくりしばし放置プレイ。その後ふきとり、それでも汚れがあればたわしシートでさらに。乾拭きするとピカピカですってな具合です。


 それで少しだけ『さようなら、ギャングたち』を読み進めてたら突然、チャールズ・ブコウスキーが現れて家に住み着いてしまう『さようなら、ブコウスキー』という作品を思いついた。どう考えても成り立たない設定だとは思うが。
 モテない草食男子とブコウスキーってポップじゃね?と思ってツイートしたら「HD読書会」のリーダー有田さんが「ポップ!」って返してくれて「ブコウスキーが日本語普通に話すから主人公が突っ込むと「お前が読んだ俺の作品の訳者の日本語に準じているんだ」とビールを探し出すとか買いに行けとかいいだすとかね。」って、それに「翌々日にはアル中の女が一人増えてたりとかしそうですwww」と、「でそのアル中の女と勝手に同棲し始めるとかね、人の家なのに。で3人で競馬観に行ったりする感じかな。」と返して。


 なんか編集者の人と作家が話したりすることで内容が膨らむってのがわかった気がしたような。がんばって今年中にエイの話とこれは書きたいな、来年の二月三月に応募できるように。まあそれまでにこの夏に応募するのを書き上げないとやばいんだけど。


 で仮眠をしてから『新潮 7月号』に掲載されている古川日出男書き下ろし(170枚)新作『冬』を一気に読んだ。
 内容とか何も知らないで読んだのでビックリしたことが多々。ネタバレを含むのでこれから読む人はスルーしてほしいけども。


 新潮から出ている古川さんの作品は文庫で出された三島賞受賞作『LOVE』とその登場人物が出てくるある意味で続編的な作品『MUSIC』で、もう一作は以前『新潮』に書き下ろして単行本になっている『ゴッドスター』で、これらは湾岸地域が舞台なのでぼくは古川日出男湾岸三部作と勝手に言っていた。

 
 それで今号の『新潮』掲載の『冬』は『ゴッドスター』に連なる、繋がる小説だった。まず犬の伊藤博文が出てくる。でメージの名前が出てくる。となると老犬となった博文を連れている青年はやはり『ゴッドスター』でのカリヲということになる。『ゴッドスター』の十二年後とかかな、舞台は京都。


 『LOVE』『MUSIC』は猫小説で、『ゴッドスター』『冬』は犬小説。『LOVE』は東京の湾岸地域が舞台だったけど『MUSIC』は湾岸地域から京都へ物語が移って行く。『ゴッドスター』も湾岸地域が舞台、『冬』はカリヲと博文が京都にいる。(『LOVE』『MUSIC』)と(『ゴッドスター』『冬』)は双子みたいな感じの作品の印象を受ける。


 『冬』自体でも作品として楽しめるけど『ゴッドスター』を読んでおくとさらにその奥の風景というか前史が奥深さを生んで物語に地層ができて空間が膨らむし、『冬』を読むと新潮から出ている三作と完全に繋がっているのが実感できてそれでも何かが変わったような、たぶん古川さんのOSがまた革新されている。ここから新しいver.の古川日出男文学に移行するのかもしれないと期待してしまう。


 河出書房のMMMでの内容だとメキシコに行ってたりとかでひと月以上古川さん五年振りぐらいに小説を書かない時期だったみたい。筆休めというか、エンジン全開でまた新しいものが生まれて行くのだろうな。一番楽しみは『野性時代』で連載中の『黒いアジアたち』が数年後に単行本化されること。『聖家族』並に分厚いだろうし歴史を孕んだ物語でスケールがデカイ。


 あとは7月14日に古川さんが朗読とテキスト担当として参加している the coffee group のCD『ワンコインからワンドリップ』が HEADZ より発売でそのCDリリースセレモニーが原宿の VACANT にて7月11日に開催だそうです。行かねばならぬ、CDも先行発売あるらしいし。

町でいちばんの美女 (新潮文庫)

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ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫)

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パルプ (新潮文庫)

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新潮 2010年 07月号 [雑誌]

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LOVE (新潮文庫)

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MUSIC

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ゴッドスター

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