Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「世界の始まりとストレンジ・ニューワールド」

 「ピストルズ」もけっこう後半戦に入った。今日の19時からABC本店での「『ピストルズ』刊行記念 阿部和重×市川真人」のイベントまでにはなんとしても読み終わる所存ですが、けっこうアヤメ家の四姉妹と男の子の母親達、みんな異母キョウダイなのだが、彼女らの母親についての子供産んでその後の顛末がかなりあったので驚いた。全体が660ページで今んとこ420ページ辺りだから寝て起きて昼間から読み進めれば終わる。


 「神町」の話となると「ピストルズ」は「シンセミア」などに連なる三部作の二部作目になるらしいのだが。「神町」ともちろん関わりはあるし、「シンセミア」に出てきた事件にも繋がっている。
 だからやはりサーガ的な部分もあるし、どこまで膨らんでいるのだろうとさらに阿部和重という作家に畏怖を覚える。昔ハード上下巻で出た「シンセミア」を買って読み始めて挫折をすぐにして友人にあげて、今年なんだかんだ文庫四巻になって出てたのを買い直して読み進めて思ったのはこれはあの時の僕には無理だったなあと。


 表現というものに関してはそれを受け入れる事が出来る土台だとか時期とかがあるし、ある種の経験や体験を得てから以前よりも変わってしまうことなど、受け手の在り方で許容できるかできないかがある。
 かつては受け入れることができなかったものが受け入れてることができるようになることがある。昔は嫌いだったうどんの薬味のネギが急においしく感じて、その後はないと味けない気になるような感じかもしれない。


 「ピストルズ」は今の所は「父性」の話のような気がする。古川日出男著「聖家族」は「母性」の話みたいに感じた。この二冊は対比になるし、阿部和重古川日出男という作家を語る時にどうしてもここを語らないと彼らの作家性を語れないエポックメーキングな作品であり、作家としてノリにノっているという勢いを感じられる。しかし、この二冊はすげえけど読む方も諸々やられてくるから、耐性も必要だろうな。



 「世界の終わり」のアルバム「EARTH」ばっかり聴いている。
 MGMT「Congratulations」はあんまり聴いてないけど友人が僕がTwitterタナソウさんに呟いた「MGMTのニューアルバムはフリッパーズギター」って発言が2ちゃんの「MGMT」スレで少し話題になったと教えてくれた。
 まあ、2ちゃん見ないからなあ、そういうの見ないから言われないとわかんない。まあエゴサーチとかもしないし、ブログでたまに僕の名前で検索してくる人がいて誰なんだろうなあと少し不気味に思うことはあるけど。



 で、iPodで「世界の終わり」の「EARTH」聴いててアルバムのジャケが出てて今日の朝やっと気付いたんだけど「世界の終わり」をローマ字表記したのがジャケで「SEKAI NO OWARI」ってあって。


SEKAI
NO
OWARI


 で「NO WAR」ってメッセージだったんだって今更気付いた。すごいネーミング。「世界の終わり」のイメージって最終戦争とか、大事な人が奪われたりいなくなったりこの世界が崩壊して彩りを失うことを意味するのに、ローマ字にして虹色で「NO WAR」が隠されている。


 世界を終わらさないための「NO WAR」であるのが本当の意味での彼らのバンド名なのか、意図的なダブルネーミングか。だとするとこのバンドはかなりひねくれててアイロニーもたっぷりだ。期待値が上がってくる、どこまで行くのか。


 だいぶ前から村上春樹著「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に対して「世界の始まりとストレンジ・ニューワールド」ってタイトルの作品を書いてみたいと思ってたんだけど「世界の終わり」みたいなメッセージがあれば面白いのかなあ。


SEKAI
NO
HAJIMARI


 「NO MAR」とか、「MAR」って調べると「傷つける」「台無しにする」とかの意味らしいから否定する「NO」があればありっちゃありかも。


Sigur Ros - Sæglópur (HD) Official Video

ピストルズ

ピストルズ

聖家族

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EARTH

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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

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Takk…

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