Spiral Fiction Note’s diary

ライター&「monokaki」編集部スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「週刊ポスト」で「予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

「『ピストルズ』刊行記念 阿部和重×市川真人」

Perfume - Macaroni + Eureka [MAD]


 青山のABC本店に行って「『ピストルズ』刊行記念 阿部和重×市川真人」のトークライブを観てきた。今日の夕方五時になんとか「ピストルズ」を読了した。「シンセミア」「ピストルズ」とこの何年か後に出る作品の三つで「神町三部作」が完結するとのことだった。


 「シンセミア」自体もハードカバーで二巻、文庫は四巻で出版されている長編、「ピストルズ」は660ページぐらいだからわりと厚め。「シンセミア」は「男の子」的な、「ピストルズ」は「めしべ」を意味するように「女の子」的な、ポジション。


 阿部作品にはロリコンとか、芥川賞を受賞した「グランド・フィナーレ」は娘のヌード写真を撮った事がばれて、妻から離婚されて失職したロリコン男性が、東根市神町で2人の少女と出会うという物語だった。
 「シンセミア」はロリコン警官や盗撮軍団、人間の性や暴力性を描いているものも多く、三冊目の「インディヴィジュアル・プロジェクション」ではスパイと映画の話とか、彼自身が日本映画学校を卒業しているのでカメラとかネットなどが作品の中に出てくる事が多い感じがする。


 「インディヴィジュアル・プロジェクション」の頃には理論性とエンターテインメント性を両立させ、当時の新進作家を示す「J文学」の象徴的な作家であり、トークの相手のブランチにも出ている市川さんが当時文学界の「フリッパーズギター」と呼ばれていたらしい、もう一人はデビューが同期の人かな、たぶん。


 天皇制について書かれたという、僕はまだ未読だが「ニッポニアニッポン」ではトキ殺害を描いている。つい最近起きた「新潟県佐渡市佐渡トキ保護センターでトキ9羽がテンに襲われて死んだ問題」を予見しているかのようでもある。まずトキを殺害したのは小説では人だが、ゼロ年代が終わりテン年代に入ってすぐに起きたこの事件の犯人は「テン」だった。まあ、言葉遊びな結びつけでもあるが「小説」やフィクションが現実を予見することは間々ある。


 時代に流れる空気感や起きてしまう事を嗅ぎ取ってしまう、そういうことがフィクションにはあり、だからフィクションの中にはノンフィクションが孕まれている、可能性としてのノンフィクションが。


 真面目な話をしながら市川さんに三部作目の構想などをちょこちょこ言わされてたり、市川さんが想像している三部作目の事が「誰に聞いたんですか!」とわりと当たっていたみたい。
 文芸批評家って読み取って作家が想像する、構想することをある程度は同じように想像したり予想できるみたい。すごいなとは思う、でも作家はさらにそこから彼らすらも置き去りする物語を書かないと評価されない。難儀な仕事だなあと聞きながら思った。


 阿部さんは「モー娘。」ぼゴマキのファンらしく、弟の事件とか諸々で謹慎してたりするから心配ですとか、最近ジャニーズは観に行ってないとか、カトゥーンの赤西がいなくなるかもしれないみたいな話で、何回か観に行ってる話をしてた。


 しかし、阿部さんは四十過ぎてるけど若い感じだった。


 ↑この花に囲まれた写真、まあ「ピストルズ」に関連しているからってのもあるけどもろもろツッコまれてたなあ。盟友である、あった? 東浩紀さんは写真むしろこういうの撮られたいけど今は娘が可愛いからそっちに行ってるだけだよ〜とか、中原昌也さんの話とか。なんだか周辺の人たちが、映画監督の青山真治さんもいたりと、なんだかすげえメンツだなあと思う。


 あと自分の作品の映画化の話が来ても三ヶ月もすれば音沙汰がなくなるって。映画批評とかしてたのもデカイんだろうなあ。


 女性は三割ぐらいだったかなあ、男性比率が高くて、サインする時に市川さんが女子が少ないからなんとかしたいよねって言ってた。


 前にABC六本木で「早稲田文学」刊行イベントの時は市川さん×古川日出男さんだったけど、このところABC関連のイベントで市川さんをよくお見かけする。まあ話が上手いよね。


 古川さんはMMMだとまったく新しい新作を11日までに書き上げないといけないらしい。今月の終わりにはようやく「MUSIC」がドロップ。

ピストルズ

ピストルズ

シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

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グランド・フィナーレ

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インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)

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ニッポニアニッポン (新潮文庫)

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早稲田文学 3号

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LOVE (新潮文庫)

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