土曜13日は「東のエデン 劇場版II/Paradise Lost」の初日だった。渋谷のシネセゾンにて初回の監督・神山健治さん、声優の木村良平さん、早見沙織さんの舞台挨拶付きを観に行った。
ストーリー・2009年4月〜6月に放送された人気TVアニメの完結編で、「劇場版I」から直接続く2部作の第2部。日本を救うという義務を課せられた12人の救世主(セレソン)の1人として、滝沢朗は「この国の王様になる」ことを決意。ニューヨークから日本へ戻ってくると、それを機に残りのセレソンたちも、それぞれの思惑で最後の活動に出る。そして滝沢と行動を共にする森美咲は、滝沢の過去にまつわる秘密を知り……。
劇場版第一弾「東のエデン 劇場版I/The King of Eden」を観損ねていたが、アニメシリーズはリアルタイムで見ていたので問題ないだろうと思い、チケが取れたので観に行く。一番前の列の真ん中という監督や声優さんのファンなら最高な場所でスクリーンは観辛いところだった。
観始めて思ったのは第一弾を観ているいないとかじゃなくて、「東のエデン」ってそういう物語だったっけ?と思いながら。なんだか展開が遅いように感じられてしまった。つまり僕はドキドキしなかった。アニメシリーズでの感じとか期待感が高まっていただけに伏線や人々の行動の回収などがある程度はできていたんだと思うが、拡げたものをなんとか畳んで終わったという感じなので展開にドキドキしない。
美咲の最後に取る行動は彼女の成長を表しているけど、滝沢朗は終始変わらずに行動している。そして彼がいったい何者だったのかという部分は多少明らかになったが、どうもはぐらかされた感じで、少し肩すかしになってしまってるし、終わりがまた何かの始まりみたいに終わるのは悪いことではないけど、そうすると彼と彼女の11日間は単なる序章になってしまうんじゃないかと。
「エウレカセブン」の劇場版「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」みたいにキャラクターを使って新しい物語を構築するほうがよかったのかもしれない。違う角度から見せる事でアニメ版との対称化させて明かされてなかった謎を明らかにするみたいな多重構造にしたらどうだっただろうか。
帰りに本屋で「野生時代」連載の古川日出男「黒いアジアたち」第12回「土郎、登場(承前)」を立ち読みして読みきる。古川さんの書くのは歴史と動物の間にいる人(物語)だ、歴史を展示した動物園みたい。「黒いアジアたち」は「聖家族」よりきっと長いね。しかし、豚と猪という人間の側にいる動物と、自然の側にいる動物、黒い宝石の石油を描く、アジアにおいて。主人公といえる豚と猪に関する男が三人揃い、カリマンタン島や日本、石油王ロックフェラーのアメリカとスケールは壮大だ。
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