Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「ユービック」

 「アメトーーク」の「TKFたむらけんじファミリー」を見る。この「ファミリー」シリーズでは「竜兵会」「出川ファミリー」と並んでファミリーの長である人物が後輩やそのファミリーの一員に逆に可愛がられている感じがする。


 芸人さんのバラエティにおけるひな壇でのポジショニングなどは一般社会においてもかなり参考になる。自分をいかに客観視してその集団における自分の仕事をいかにこなすかという部分で芸人集団は個々の力が弱くても団結力で倍増させる。
 が、一般の会社に当てはめる時に問題になりそうなのがトップだ。バラエティならば司会がいかに仕切るかという力量によって芸人集団の力量は発揮できたりできなかったりする。ここで誰に振るか、合図を送って前に出すか等は場の空気を読めて流れを構築できる人物でないと辛い。


 多々、できない人物が司会な場合には周りの芸人集団がそれすら手伝うか、補佐的な役割をする。一般の会社では使えない上司のために被害を被るのは部下でしかないし、普通は補佐できない。


 ファミリー的な集団を形成する芸人のボスであるたむらけんじさんや上島竜兵さんに出川哲朗さんは基本的に仕切りが上手いというわけでもないし、トークがそれほど巧いわけでもない。しかし、周りに人が集まると言う人望があるというのは彼らの才能だったり実力だろう。
 仕事もできなくて人望もない人間には人はついて行かないが、人望で人はついてきたりする。そうやって人が集まるという磁場を作れる人は周りの補佐や助けによって成功したりする。


 年功序列や終身雇用制というシステムが崩壊していっているのに、就職した若年層はそれを強く求める傾向が出ていると言う。同じ会社に定年まで務めたいと思う割合がロスジェネ世代が就職した時期は低くなっていたのに対してそれ以降の世代で就職した若年層は一気に上がる。
 不安が勝る時代に安定することを望むのは当然の事なんだろう。そういう時代に先輩が後輩を可愛がり、後輩が先輩を慕う芸人の集団の中に古き良き会社員の上下関係が垣間見て微笑ましく羨ましく思う人は多いと思う。


 だけど彼らは同じ事務所に所属していても基本的にはフリーランスのような仕事で実力や才能、おまけに運がないと売れない。しかも芸人と言う職業はまったくもって超不安定な職だ。人気稼業は超が付く不安定さ。
 普段可愛がっていても実力がないものはテレビにも呼ばないし出せないという現実がある。というシビアな部分が背景にあるのも事実。


 まあ、大事なのは人に可愛がられる程度の愛想ぐらいは必要ということだろう。まあそれが時に徒になるタイプの人もいるけど。
 圧倒的なカリスマ性があれば嫌でもいろんな人が近づいてくるだろうけどほとんどの人にそれは皆無だから、愛想ぐらいは必要だろうなと「アメトーーク」を見ながら考えてみたりする。


 この間下北で飲んだ時に目に入った映画のポスター豊田監督「甦りの血」。「東京フィルメックス」でするから行こうかなって前から思ってたけど、日にち的に微妙だったから少し迷ってたんだけどなんかああいう時に目に入るものや気になるものは導きだったり何らかのヒントとか出会いが潜んでいたりするのでチケを取った。


映画「甦りの血」予告


 去年は「東京フィルメックス」で園子温監督「愛のむきだし」観て嗚咽に似た号泣してただけに今年はどうなるか。


“愛と義”の男から一変! 妻夫木聡、初の金髪姿で“極悪人”に挑戦
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091105-00000017-oric-ent


 吉田修一作品の映画化が相次いでるような気がするな。「パレード」行定勲監督・藤原竜也主演で映画化(2010年2月公開予定)だし、問題は「パレード」って小説が出た当時はまだラストの部分が驚きあったと思うけど今更映像化してもあのラスト驚かないよと思う。


 妻夫木主演「悪人」はさっき本屋に行ったら文庫が上下で平台に積まれていた。映画化する前に読む人ってどのくらいいるのかな。
 亡き緒形拳さんが主演した「復讐するは我にあり」みたいな作品だったらもの凄い作品になると思うんだけど、無理だろうな。


  
小林武史、新会社「B.B.O.apartment」の設立を発表
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091106-00000991-bark-musi


↑より「B.B.O.とは、Bradberry Orchestraの頭文字を取って名付けました。レイ・ブラッドベリイというSFホラー幻想作家からヒントを得て、想像力の複数形、そんな想像力がハーモニーやリズムを奏でる壮大なオーケストラのように、小林武史が発想したプログレ的コンセプトを「人」が「才能」が集まる「場」として応用したのが、“B.B.O.apartment”だとイメージしてください。」


 最近読んだばっかだぞ、レイ・ブラッドベリイ「火星年代記」を。映画やったり会社やったりイベントやったりと精力的な人だ。岩井さんが脚本を書いて監督した「Bandage」の評価次第ではそっちにどんどん食い込んでいくのかもしれないな。


 フィリップ・K・ディック「ユービック」読了。しかし、先が気になってすぐに読み終えた感じだけど、内容が多々わかってなかったりする。訳者のあとがきにはA.E.ヴァン・ヴォクト「スラン」の影響が多分にあるらしい。先に「スラン」読んだけどそう言われたらそうかなっていう感じ。
 現実と夢との狭間とか何か現実で夢かが曖昧な世界で善とか悪とかが混ざり合っているような、なんか世界っていうものを描いている感じだった、だから濃厚な感じだし、わかるようなわからないような。フィリップ・K・ディック作品で買った「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「流れよわが涙、と警官は言った」は年末ぐらいに読めればいいかな。


 ネクストは「エヴァ」のアニメの最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」や片山恭一著「世界の中心で、愛をさけぶ」のタイトルの元ネタになった ハーラン・エリスンSF小説世界の中心で愛を叫んだけもの」を読むつもり。ようやくお借りしたSF文庫も折り返した。