昨日は二時間寝て、少しボケ〜として四時間寝て、ボケーと起きてまた四時間ぐらい寝て、起きて、でも睡魔にやられて三十分寝て起きてからバイトに行った。なんなんだ、この一日はというぐらい寝てしまった。
しかも眠りが浅かったらしく終始夢を見ていた気がする。というか見てはいたんだが。
起きると夢の輪郭がない、手から零れ落ちる砂みたいにさっきまでは覚えていたのにするすると落ちていく。夢の砂(時間)は、落ちると現実の砂(時間)に溶けてしまうからどれが夢の砂だったのかもはやわからない。
夢に触った感触がなくなる、さっきまではその世界にいたはずなんだけどまるで僕がアムニジアスみたいな感じで、あれは結局、過去なのか未来なのか、あるいはの可能性だったパラレルワールドの破片なのか、今はどこにいるんだ、ベッド。そう見慣れた景色の四角い箱の部屋で、どっちが正しいんだろうって。
Morning Bell/Amnesiac
記憶喪失症の、アムニジアスな世界の破片を見たのは僕の脳の世界なのか、同時多発的に、同時展開する世界を僕が垣間みただけなのかみたいなことを思うのは先日まで読んでいたSF小説家のフィリップ・K・ディックが生前亡くなる前に書いた「ヴァリス」二部作の最初の「ヴァリス」を読み終わったからだろう。
SFって「Science Fiction」でもあるし藤子・F・不二雄先生が言う所の「すこし・不思議」でもある。そんなにSF作品自体を読んだり観たりしているわけではないが、僕にとってよいSFって凄い眠気に誘われる作品。
ちなみにこのブログが「Spiral Fiction Notes」って名前なのは最初に「SF」の二文字の頭文字から「Spiral Fiction」ってとって書き続けるつもりだったからノートの複数形の「Notes」にしたりと「SF」には関連してたりする。
「ヴァリス」もそうだったし「アラビアの夜の種族」もそうだったけど読んでると急激な睡魔とか読み終わって寝た後によく夢を見る。たぶん、読んでる僕自身が理解できていないとしても脳がそれらの物語に誘発されているように夢を見せる。
昨日観た長時間の夢は最後だけうっすらと覚えていて。ヒロイン的な女の子と僕が最終的には敵に捕まり、敵のボスはその夢の僕にとっての父で、彼女を撃とうと突き刺そうとしたら僕が父に背中を向けて身代わりになろうとしたら父は武器を持っていなくてむきだしの僕の夢の主人公の背中にタトゥーを入れ始めた。青い色で何かの生物ともう一種類の何かの生物を描かれていた。
そんな所で砂は零れ落ちてこちらに戻った。こうやって書くとそれらの物語はボーイミーツガール的な内容にも感じられるし、父に認められたようにも思える、タトゥーを入れられるというのは世界の色んな部族からすれば大人の仲間入りの儀式、つまり通過儀礼でもある。
とか考えれば通過儀礼の夢を見るというのは僕が大人になろうとしているけどなれないという裏返し的な夢なのかもしれないし、同時並行的に進む、過去現在未来のどこかで違う可能性の僕が通過儀礼をした、そんな気もする。
SF的な脳みそになっていってるのかな。まあ夢に関しては何度か実際に予知夢を、実際に体験するとそれはデジャヴだって感じで以前に見た夢のまんまだとか思い出すまで忘れているけど。
そういうことがあるから夢見てる世界がただ脳の作り出した虚像ではなくて少しだけ時間を遡ったり進んだりすることもあるんじゃないかって僕は思う。
友人がArctic Monkeysのリキッドライブのチケを取ってくれたのでセカンドを借りてサードを購入。前に観たのは初来日の初日のユニットでのライブの追加で本公演の前にライブっていうこっちの方が初ライブだろって方を観たはず。それからは世界中で売れてサマソニでもトリを務めてしまうほどの大ブレイクしたけど特に興味は沸かず今に至った。
イギリスのバンドだとリバティーンズやオアシスは大好きだけど、何だろうなああいつらって人間的にはダメじゃんっていう部分が好きっていうか。でもこれしかねえんだよってとこが滲み出てるし人間臭い感じがたぶん好きなんだろうな。まあオアシスもほぼ壊滅状態というかノエルいないオアシスってもはや完全なChampagne Supernova状態だからこのまま朽ちるだろうし。
リバティーンズなんかバンドの歴史で小説できるぜっていうもあるしカールとピートの友情と愛憎が入り交じる衝突によって光って一瞬の閃光だけ残して消えたのが音源として残ってると思う。
バンドの歴史だとかメンバー同士に起きた物語とか音楽とは関係ねえっていう人もいるんだろうけど、人間が作り出すものはその個人の経験が滲み出てしまうからやっぱり問題が起こるバンドの音はそいつらのダメダメな感じも滲み出てアルバムが人間らしさがあっていいよなって思う。
アークティックはたぶん今のとこ問題無さげで良い意味で優等生的な感じがしてたからスルーしてた。
実際の彼らがどうなのかは知らない。でも、多くの若手のUKロックバンドは先人達を見て知っているからオアシスやリバみたいな事にはならないでバンドをやっていくんだろうと思う。でも小さくまとまってたら彼らのような軌跡は残せないし、海外に日本にいる僕らにも届かないのかなって思ったりもする。
個人のどうしようもない衝動が発揮されてぶつかって生成されるモノの方が売れなくても、それを聴いたり読んだり観たり触ったり味わったり嗅いだりー感じた人には強い衝撃、傷痕を残すんだろう。今は色んなものが有り触れていて傷痕を残すような出会いってそんなにもないだろうし、出会えたらそれはとても不幸で幸運な事の始まりかもしれない。
古谷実「ヒメアノ〜ル」四巻が出ていたので読む。「稲中」で古谷作品のイメージが止まっている人が「ヒミズ」以降を読むとものすごいダメージを受けるだろうなって毎回思う。この十年、ゼロ年代以降は「グリーンヒル」の後半、「ヒミズ」「シガテラ」「わにとかげぎす」「ヒメアノ〜ル」を描いている。
「ヒミズ」の単行本1巻の帯には「笑いの時代は終わりました・・・・これより、不道徳の時間を始めます。」というコピーがうたれてたように「ヒミズ」以降の作品は、笑える箇所はある、多々あるし、普通に声を出して笑える部分があるが、その笑いの後にハンマーで後頭部を打ち付けられるような痛み、鈍痛、鉄の味がしてくる。しんどいという感じがもろに一気に襲う。「ヒメアノ〜ル」ももろにその路線を行っているだけに笑った後にダメージをくらうという感じが強い。
何度も思うが主人公(さえない普通の男の子、けっしてモテないであろう男子)に美人でスタイルがよくてだいたい胸が大きい女のが告る、あるいは両思いになって付き合いだすっていう展開は、普通はあんまりないよね、っていうかこれが一番のアイロニー全開な気がするんだよなあ。
描かれる物語は不道徳な、悪意に満ちている世界で笑えない出来事が起きるんだけどそれでも主人公はリア充な部分があって彼女といちゃいちゃとかね、その差がもの凄いから一瞬忘れてしまうけどこの世界は自分が何もしてなくても悪意に晒されるし、悲劇は突然なり、次第に足音を立てて訪れてくる。
スマパンの「Mayonaise」の歌詞の和訳の一部分。
大切な人には一人残らず心を送り届けてる
愛がすごくやるせなくなった時は
夢を見ればいい
冒険してた頃の売春婦たちが
金切り声をあげるのをよそに
僕は品行方正な方向へと導かれる
そして失敗する
でも できる時はやるつもりさ
時が許せばきっとそうするんだって
分かってくれよ
が何だか急に頭に思い浮かぶ。
古谷作品は世界の悪意をこの十年ずっと描いているような気がする。あるいは悪夢を。でもこの十年の空気感を描いた漫画家で重要な作家って古谷実なんだろうなって思う。
Arctic Monkeysのセカンドを借りた時にiLL「Force」も借りたがこちらを先に聴いたがかなりいい、iLLいいわ。「ノーボーイズ、ノークライ」のエンディング曲も入ってるし。
「ノーボーイズ ノークライ BLUE ver.」
http://d.hatena.ne.jp/likeaswimmingangel/20090824
これって世界を裏で操っているという都市伝説すらあるあの有名な団体のマークみたいな気がするんすけど。坂本龍馬も実はフリーメイソンだった説とかありましたね、そういう本を見かけた事があるが。
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