Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」+「文化系トークラジオLife」

 仕事終わりの朝、一旦家に帰って風呂入ってブログ書いてから八時過ぎにヒューマントラストの映画館に行けるように家を出て渋谷まで歩いた。


 八時少し前に着いた時にはトラストの入っているビルにすでに何十人かが列を作って待っていた。


 どちらかというと僕や彼女のようなリアルシンジ世代(アニメ放映当時シンジと同じぐらいの年だった連中をこういうらしい。確かに僕は最終話の数日前に誕生日を迎えて14歳になった。僕は早生まれなので僕の同級生は完全に碇シンジたちと同学年だった、そしてあれから14年が経った)よりも二十代近くの子達が目立った感じだった。比較的若い客層だった、日曜日の初回と言う事も関係しているのかもしれないが大学生や高校生が多かった。


 興奮しているというか、最初の祭りに間に合わなかった世代が祭りに参加できる高揚感を漂わせているような空気を放っていた。高校生ぐらいの女子が数人のグループとかで来てたけど女性の比率は一割ないぐらいかな、公開2日目の朝一だから仕方ないのかな。


 八時半には映画館に入れたがまあ、ぐだぐだだったね、残念な事に。列作って待っているのに八階の映画館に行くまで二階のエレベーター乗るかそのまま八階までエスカレーターで行くかがあるんだけどまじめにエレベーター待ってたらエスカレーター早歩きで上る方が早く着いてしまうので並んだ意味が失われるというダメな感じね、もちろんよく行くので映画館なのでエスカレーターの方が早いのでそっちで。


 パンフ買ったけど読むとネタバレらしかったので開けずに開始を待って九時からスタート、で十一時に終了。二時間ない、一時間五十分ないぐらいの尺だった。で以下はネタバレ。


 昨日の時点でギリギリの所でなんとかネタバレをかわしてました。泣けたという意見が多いかったことが印象的でした。エヴァで泣けると言うのが僕には意外だったからです。やっぱり旧劇場版のラストの「きもちわるい」が残っていたからだろう。



 以下ネタバレ


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 始まる時のカラーのロゴが光る時にウルトラマンの変身する時のような音が聞こえて始まる。庵野さんの特撮ものへのオマージュから。


 いきなり新キャラの真希波・マリ・イラストリアスの登場でエヴァ五号機で南極に封印されていた第3使徒と戦う所から。これが完全に方向性が変わるよという始まりでした。


 惣流から式波に名字が変わった式波・アスカ・ラングレーとデザインの変わった二号機と第七使徒の戦いと開始早々に新劇場版で初めて出てくる二人のチルドレンたちと使徒との戦い、アスカ登場でシンジ達と出会う。


 加持リョウジも登場するが五号機と使徒との戦いの場から速攻で脱出してアニメ版では「胎児状に復元されたアダムを碇ゲンドウ横流しする」という役割が今作では「ネブカドネザルの鍵」というものを渡す。


 アスカは加持と共に行動していないのでアニメのように彼にアタックするということはなくなっている。というのも大きな変更点。


 綾波レイはキャラ的に少しだけ人間味が出始めている。シンジに少しずつ心を開いていくような感じ、アスカとの関係も。シンジとゲンドウとの関係を繋ごうと動く。


 ミサト、シンジ、アスカ、ペンペンはアニメ版同様に同居。シンジは父が昔使っていたカセットウォークマンで同じテープの25・26曲目をひたすらリピートしている。この事はアニメ版の最終二話が25話26話だったことに由来していると思われ、新劇場版製作開始時の庵野秀明監督の声明文で「エヴァは繰り返しの物語です」と言ったことの表れだろう。


 空から落下してくる第八使徒をシンジ、レイ、アスカで受け止める作戦でアスカは一人ではできないと痛感しながらも次第にシンジや同級生たちに心を開いていく。シンジに対して恋心のようなものを抱くようになり、レイに敵対心を見せるなど14歳の等身大の女の子として描かれる。


 なぜか密入国したマリが空中からパラシュートで降りてくる。学校の屋上にいたシンジとぶつかり、空中からマリが落ちて(ラピュタ的なボーイミーツガールを思わせた)きてシンジからLCLの匂いがすると言う。
 ぶつかった衝撃により聴いていたカセットウォークマンの25・26曲目のリピートができなくなりついに27曲目が再生され始める。



 レイがゲンドウとシンジに手料理を振る舞って彼らの関係を繋ごうとする日、エヴァ三号機機動実験開始。ここからがある意味驚愕。ただ、問題はアニメ版を観ている人と観ていない人ではまるで感じ方が違うだろうという流れになる。観ていなくてもここからのきつさは伝わるだろうけど。


 各国エヴァは三号機まで所有という条約の元に第八使徒での戦いで破損などもあり本来ヨーロッパの所有の二号は凍結。三号機はアメリカから日本へ受け渡された。エヴァに乗れないと存在する証明を失う恐れがあったアスカが三号機に搭乗。アニメ版では三号機に搭乗するのはシンジの同級生のトウジ。三号機の所はアニメ版の流れ。


 使徒に汚染されていた三号機。アスカが乗っているとわかったシンジは戦おうとしない。父に訴えるが父はそれは使徒だと言い、ダミープラグに変更。第九使徒となった三号機、アスカのいるエントリープラグは取り出せないままにダミープラグによって動く初号機に第九使徒は圧倒的にやられ、初号機が使徒を食うシーン。
 シンジはひたすら叫ぶがその声は父には届かない。そしてアスカの乗っているエントリープラグを取り出して口にくわえた初号機によって噛み砕かれる。回収されたアスカはサンプルとしてネルフに回収される、安否は語られず。


 そのままシンジは初号機から降りずにネルフ本部を潰そうとし、父へ怒りの言葉を投げつける。が回収されネルフから追い出される。父への憎悪、エヴァに乗りたくないという行動。ミサトとの同居の部屋から出て行く。その途中で使徒到来。


 パッと見はアニメの第十四使徒ゼルエルみたいな顔の第十使徒パイロットはレイしかいないので零号機がという場面で誰の命令もないのにマリが凍結された二号機に乗りこんで使徒と戦い始める。
 歯が立たないので裏コードなる「ザ・ビースト」モードとなり戦うも。零号機も一緒に戦い、核に爆弾を。吹っ飛ばされた二号機が落ちたのはシンジがいるシェルター。シンジが二号機によって地上に出ると使徒に補食される零号機。使徒が人の形に変化していく。


 シンジはレイを助けるためにネルフへ向かい。自らの意志でエヴァに乗ろうとする。父に「エヴァンゲリオン初号機パイロット碇シンジです」と。
 こっからはまあ怒濤の展開と言うかね、たくさんの人が泣いた理由がわかる流れになった。シンジの意志によって初号機が覚醒される。


 緑のパーツは赤に燃え、口からレーザーのようなものを吐き(もはや使徒にしか見えない)、第十使徒の中に取り込まれたレイを救おうとする。シンクロ率は180%を越える。シンジがレイを見つけて二人はLCLの中に溶けて・・・。あまりにも泣けるという意見が多くて身構えたのと普通に客観的に観てしまってウルッとは来たが泣けなかった。


 月から飛んできたように見えたが、ロンギヌスの槍が初号機に突き刺さる。ロンギヌスの槍とはキリスト磔刑の際に使われたとされる槍であり、神殺しの武器であるとされるもの。それが初号機に突き刺さるということは覚醒した初号機は神に近づいたととれる。


 今作の中盤に月で建造されている6号機と共に少し出てきた渚カヲルが現れ月の六号機に搭乗し「序」で放った台詞「またサードチルドレンか君は」に呼応する台詞「今度こそ君を幸せにしてみせるよ」と言う。
 これらの発言から新劇場版が繰り返し、二度目の世界である可能性が高い。そしてそれを今の所知っているのは使徒であるカヲルだけのようだ。


 しかし、繰り返しであるとしても人物に与えられた設定や物語の変化、新たなキャラクター・マリの登場により同じような場所から始まった物語が違う方向へ向かいだしている。


 特にマリについては凍結された二号機に勝手に乗って裏コード「ザ・ビースト」を使う辺りで彼女はおそらくカヲルと同じ能力を持っている、あるいは双子みたいなものではないかという推測ができる。

 
 母のクローンであるレイと羊水に似たLCLに溶けたシンジに安らぎを与えようとするカヲル。旧劇場版ではシンジとアスカのみが生き残り、アスカの首を絞めようとするができず「きもちわるい」と言われたシンジのことを知っているからなのだろう。


 だが、それを阻止する為に配置されたのがマリだとすると・・・。など勝手に推測できる。まあエヴァはそうやって楽しむのが楽しみ方でもあるので。 まあ、次回「Q」の予告編でいろいろ「おいおいおいっ」と言いたくなるシーンがすでにありましたが。


 母なるものレイと溶け合ったシンジは、言うなれば胎内回帰or近親相姦的状態。これでゲンドウ殺したら完全にエディプスコンプレックス発動だけど。


 観終わった感想は次回が楽しみです。というのと昭和的な歌が所々使われてるのも印象的でした。


 プラス最後のシンジがレイを救いにいくくだりね。あれって僕去年と今年映画館で実写で観てました。だから泣けなかったんだなって帰りながら思いました。救われた者が救ってくれた者を救い返しに行く物語という意味では園子温監督「愛のむきだし」で観てました。最初にフィルメックスで観たとき嗚咽+号泣したから。


 シンジがレイを救い出すのが「破」のクライマックス、しかし物語は「序」・「破」・「Q」+「α(完結編)」と繋がるので「破」は真ん中にあたる。観た皆さん想像しましょう、助けられたレイがさらに困難に陥ったシンジを救い出しに行ったらもっと響くでしょ、そういう終わり方が「愛のむきだし」です。


 「Q」を期待するのはこの終わり方からどう本当のクライマックス、エンディングに持っていくのかという所です。
 今までのシンジとは違う自らの意志で動き大事なものを守ろうした、大人になろうとしている彼をどう描くのかという点がこの新劇場版のもっとも庵野監督が描きたいことではないのかと。


 いつものことながら大塚英志氏の受け売りですが「なぜ男の子は成熟できないのか」問題をどう描くのかということが非常にデカイと思うんです。


 それは庵野秀明氏もそうだろうと僕は思うから。エヴァ庵野監督の好きな特撮やSFの影響下にありますしオマージュもたくさん見られます。
 庵野さんがいろんなものの真似や模倣をしながら自分のオリジナルを作り上げた集大成がエヴァという作品だった。


 そこに伝えたい事描かないといけないと思う事ができたのなら作品の中にしっかりと注ぎ込むのにエヴァが一番適していると、作り直したいと思ったから新劇場版が制作されたのだと僕は思う。

 前作の旧劇場版での観客に向かって「きもちわるい」と言わざる得なかった彼が今作僕らに何を伝えるのかを見届けたいと思うし、それはきっと僕らも共有できるものではないだろうかと「破」を観て思ったし期待したいと感じたそういう映画でした。


 深夜一時半から始まった文化系トークラジオ Lifeのラジオを聴き終わりました。Windows liveに入って「Life」グループに入ったのだがMacさんなのでWindows Media Playerが機動しないので外伝が聴けねえという。でMac用のをダウンロードしたんが、「書類“Windows Media-1.sitx”を開くことができませんでした。テキストエンコーディング 日本語(Mac OS) には対応していません。」って出て基本的にパソコンに疎い僕にはもはや手に負えません。Podcastで配信まで待たないと聴けないや。


 本日のテーマは「日本のネットは進化したのか」だったのが、この番組は情報量が多いので一回聴いただけではわからないというか僕のキャパを越えてしまうのでPodcastで何度も聴き直してようやくわかることが多々。でも、生放送の番組を生でラジオで聴くと言うのはまた違う楽しみなのでいいんだけど。アニメ放映終了した「東のエデン」の最終話の話も出てきたし、「お前らを直列に繋げば」みたいな台詞もcharlie言ってた。


 僕がメールした内容にアークティックモンキーズをBGMにどうですかって書いてて実際にBGMで流れてた。彼らはネットでファンによってデモ音源が公開され話題沸騰となりデビューした経緯があるからネットというものがあって、そのスピードに乗って一気に加速して世に出たバンドという意味でも極めてネット的なバンドだと感じたから。流れてたのはファーストシングル「I Bet You Look Good On the Dancefloor」でした、さすが黒幕。


 彼らも来日しますね、武道館でライブらしい。そういえば初来日の時にライブに行ったような気がしてチケをさがしたらあった。代官山UNITでしたんだった、けっこう忘れてた。
 で、一緒に出てきたDragon Ash初めて観た時のチケによると僕が初めてライブでDragon Ashを観たのは「MOB SQUAD 04 追加公演」でSOURCEとライブやった時だったみたい。


 外伝聴けないけどcharlieによる『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』論を聴きたいなというか。外伝終わったら収録してPodcastで流してほしいな。


charlieの「新・エヴァ論〜ゼロ年代のシンジ君」(「序」公開時のもの)
http://www.tbsradio.jp/life/2007/09/charlie_2.html


I Bet You Look Good On The Dancefloor @ Glastonbury 2007

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Whatever People Say I Am, That's What I'm Not

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ハムバグ

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