Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「向日葵の咲かない夏」

 昨日の朝寝る前に道尾秀介「向日葵の咲かない夏」を読んでいた。眠くなり始めたのできりが良い所まで読んで寝ようとしたらメールがきた。仕事と言う名の労働先のU氏が空メールを送ってきやがって、返すとエヴァ「破」を観に新宿に行っているらしい画像が来た。六時の時点で新宿は立ち見だったらしい、恐ろしい、いや素晴らしいカーニヴァルの始まりだ。八時からの上映だったらしい。


 おかげで寝れなくなった僕はきりが良い所で終わった小説を再度再開した。ミステリというのはあまり得意ではない、気が向いたら読む程度だ。この作家さんは「ラットマン」を読んでいたので少し何冊か読もうと思ってこの文庫を買った。先の展開が気になるので読むスピードが上がる、それは著者の力量だと思う。だから残りの二百ページ以上を一気に読み切った。違和感は残る、「それありか?」という部分は確かにあるのだが、感想としては歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」を読み終わった後に感じたものと同じものが僕に残った。


 「葉桜の季節に君を想うということ」は2004年の第57回日本推理作家協会賞と、第4回本格ミステリ大賞を受賞している。ハードカバーで読んだけど確か帯には「映像化不可」みたいなことが書いてあった。伊坂幸太郎アヒルと鴨のコインロッカー」よりも映像化は圧倒的に難しいというよりも、映像化した時点でオチが全てさらけ出してしまうという文章だからできるトリックを使っている為に映像化しようがない。


 これは読み手の勝手な誤解が招く文章トリックなんだが、例えばの話、これは例えばの話だが、小説を読んでいる、読み進めていると主人公や周りの人物に関して書かれていないことは読者の中で勝手に作られてそれを前提として話を読み進めていく。


 で、最後の方のオチと言うか事件の詳細がわかる瞬間に書かれていなかったことが暴かれる、正確には読者が思い込んでいた勝手な設定などが真逆に覆される。読み進んでいると三十歳前半ぐらいだなって思う感じの人物が、実際に何歳とかまったく書かれていないから行動や台詞でそう感じていたのにオチの部分で七十歳!ってそりゃあ、「映像化不可」だわ。
 トリック的にはそれで成り立つし、でもムリが少しあるような気もするけどって映像化したら何の面白さもねえ、驚きようがないから。という文章的トリックが使われているので「向日葵の咲かない夏」を読み終わった時もある意味ですげえという気持ちとこれはありなのかなしなのか? という感情がしかもこの作品後味が悪すぎる。


 ヱヴァンゲリヲン新劇場版「破」を観終わったU氏から一言「すげかった」というメールが来た。ネタバレしたくなかったので気をつけて初日第一回目を観終わった人mixiのコミュに書いてた感想を少しだけ観るとみんな泣けたと書いていた。エヴァで泣けた? ということはどういうことなのかは気になるので今日の朝一の回を観に行くつもりなんだが。ネットが普及したから初回上映後にネタバレするっていうのは凄い進化なんだと思う。


 そんなわけで今日の深夜から文化系トークラジオ「Life」は(26日)深夜25:30〜「日本のネットは進化したのか」が放送。
http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/post_129.html


 僕はスピンオフの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」公開記念 深夜の緊急鼎談」を深夜の職場で聴いてました。
 「Life」は深夜の収録って言っても生放送で、その後にcharlieの「破」論収録するのかなって密かに期待はしてますが。charlieの予定しだいなのかな、どうだろう、観てたら絶対に語りたいと思うはずなんだけど。
ヱヴァ特番の配信:オープニング
http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/post_124.html


ヱヴァ特番の配信:Part1
http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/post_126.html


ヱヴァ特番の配信:Part2
http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/part2_21.html


ヱヴァ特番の配信:Part3 +α
http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/part3_19.html


 休憩中に深夜の本屋にて道尾秀介「片目の猿」の文庫が新刊のとこにあった、これは買えってことだろうなって思って買った。解説は「Life」のサブパーソナリティでもある佐々木敦さんだった。

 
 家に帰って「めちゃイケ」を見てる、寝たら朝一の回に間に合わなくなりそうだから。日テレの学校で教えてくれない授業のパロディに寺門ジモンさんが出てた。やっぱり彼はイジると面白い、次回の「アメトーーク」には「肥後という男2」がする。
 ダチョウ倶楽部という三人組はイジラレてなんぼと言うよりもそれが一番面白いというはすごいことだなあって思う。体を張った芸は素晴らしいし、竜平さんと出川さんの対決の「アメトーーク」の収録を観覧で見て余計に思うようになったけど僕ら笑い過ぎて泣いたもの、全てはどう見えるか、どういうアングルで撮られるか、いかにハプニングを起こせる可能性を高くするか、それがもう熟練の技となっている、でも彼らは基本的には天然だからトークはしんどい、でも存在自体がおもしろいからイジられることで圧倒的に面白い。

 
 次回の「肥後という男2」は必見です、彼が一番ダチョウ倶楽部でひどいから、ひどいということは一番イジられると面白い、問題はきちんと彼をわかっている人がイジるということに尽きるけど。

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)

片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)

カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)