Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「東京ミカエル」≒「芽むしり仔撃ち」

 大江健三郎「芽むしり仔撃ち」を読み始め、読みかけの「「雨の木」を聴く女たち」は途中で放り出した、なんか難しい・・・。
 「芽むしり仔撃ち」は僕が好きな漫画「東京ミカエル」のモチーフとなった作品で、ある場所に閉じ込められた、囲われた壁の中にいる主人公たちという辺りが。あとは作家の古川日出男さんの本棚ってABCでの特集コーナーにあったので読まなくちゃって思ってたから。


 こっちの方が「雨の木」よりも読みやすい、本も薄いし。読み終わったら「思想地図」vol.3と「Zeroville」を訳しながら読まないとな、溜まってる。


 「東京ミカエル」17歳の少年少女だけが巨大な壁に囲まれた東京で目覚め、定期的に彼らを「間引き」しにやって来る軍隊から1年間生き延びるゲームを強いられるという話で、大人になることの困難さや不条理さがテーマ。
 巨大な壁に囲まれ脱出不可能な東京。そこで少年少女は17歳になると記憶を消されて目覚める。彼らは「ティーチャー(教師)」を名乗る軍隊によって定期的に「間引き」され、18歳になるまで生き延びれば東京から解放される。そして今、大江朔17歳が目覚める。


 大塚英志「夏の教室」に収録されている短編にはその後が描かれている。この小説は冬に閉じ込められたりとかそういうもの、壁(あるいは17歳と言う時間)を乗り越えていく少年少女が書かれている。通過儀礼としてそこを越えていけるかどうか? この辺りの作品はたまに出して欲しいなって思う。


 大江朔・三島由紀・中上玄・江藤純・伊丹赤と登場人物の名字が昭和を代表する作家や批評家から。最後の伊丹は伊丹十三からだろうが、大江健三郎からすると伊丹十三は義兄。大江健三郎著「静かな生活」は伊丹十三によって映画化された。


 ブロスの松尾スズキさんの連載に「いいとも」も出る前の日の事が書いてあった。確かに僕みたいな松尾さんファンというかサブカル好きで芝居を観に行く人には彼はある種のカリスマだが、世間一般で言えば微妙な知られ方。僕も何度も声をかけたいって思った事があるけどかけ辛いオーラが。
 でもレジでおばあちゃんに声をかけられたりとか、でも全然知らない人にはまったく知られてないとか、確かになあ有名人だけど舞台とか興味ないと知らないもんなあ、芝居とかしてる人って。そんな微妙な自分の知名度について書いてあったエッセイ。小説を缶詰めで書いているらしい、「クワイエットルームにようこそ」以来かな。


 劇団、本谷有希子『来来来来来』のチケットが取れた。本多劇場行くのも阿佐ヶ谷スパイダーズの舞台観た以来だな、たぶん。「グ、ア、ム」の小説とかそのうち映像化しそうな気がする。


1Q84」が100万部突破
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090609-00000088-jij-soci


 「新作長編小説「1Q84」(全2巻)について」って書かれてて、ああやっぱり全二巻になるんだって。「空気さなぎ」と同じ終わり方をしてるなあ、「1Q84」もオープンエンド。確かに内容を漏らさなくて煽った感じもあるし会社の戦略だろうが今エンターテイメント小説が百万部売れるのはやっぱりすごいことなんだよなあ、やっぱり。ただ、一気に読み終わった本がブックオフになだれ込みそうな気もする。


Life Tシャツの人気投票やってます!
http://www.tbsradio.jp/life/2009/06/life_t.html


 スポンサーでもある「ブロックバスター」(http://webbb.net/)さんがなんと50種類もの「Life〜Tシャツ」をデザイン。この中から人気の高かったものが商品化されるらしい。ので投票してみた。またイベントなんかしてほしいし、「Life」本の第二弾も期待したい。でもイベントで客もスタッフもみんな同じような「Life」T-シャツ来てたらそれはそれで怖いが。

芽むしり仔撃ち (新潮文庫)

芽むしり仔撃ち (新潮文庫)

東京ミカエル―Seventeen’s wars (上) (ニュータイプ100%コミックス)

東京ミカエル―Seventeen’s wars (上) (ニュータイプ100%コミックス)

東京ミカエル―Seventeen’s wars (下) (ニュータイプ100%コミックス)

東京ミカエル―Seventeen’s wars (下) (ニュータイプ100%コミックス)

夏の教室

夏の教室