起きてからメルマ旬報の原稿を書きかき。『(This Is Not just) Song For Me』第一部『空をなくす』の二回目を。この第一部は大塚英志さんの『冬の教室』のオマージュでもあり参考にしている。『冬の教室』はもともと文庫で発売されてのちに『夏の教室』という単行本にも収録されている。この教室シリーズは『東京ミカエル』とも繋がっている作品で封鎖都市シリーズとのリンクもある。そもそもこの作品群には大江健三郎著『芽むしり仔撃ち』が根底にあるのだけど。
僕のような純文学に触れてこなかった人間は大塚英志作品から大江健三郎や中上健次に出会っていくという大塚さんの罠というか仕掛けにまんまとハマっていく人は少なからずいたのだと思う。二十歳を超えて伊坂幸太郎作品を読み出して二十代半ばで古川日出男作品にドハマりした僕は、その流れで阿部和重作品を読み、中上健次の存在やフォークナー作品のサーガ的なものに惹かれていく。その阿部和重と伊坂幸太郎の二人が新作で合作していることも驚きであり楽しみであるが二人とも対談で名前を出しているのが大江健三郎であった。なんとなくそういう影響を受けた僕はどういう方向にいくのかは実際にはよくわからないけど少なからずその影響が与えるものが出てくればいいなと思う。
ヴィレヴァン下北沢に行ってもろもろと見る。本多劇場の入り口の階段のほうに浅野いにおさんの『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』のパネルが置いてあった。
19時から下北沢のB&Bに行って西島大介×湯浅生史×柳谷志有
「IKKI休刊とこれから〜コミック雑誌の未来、漫画家の未来〜」を見に行くというか聞きにいく。
B&Bに着いたら店員でもある木村綾子さんがエッセイを書いている太宰治『グッド・バイ』を買わされましたw メルマ旬報に書かれていた大ピンチのときに井の頭線の神様に出会ったあとにオファーきたやつですね。
デザイナーの柳谷さんのDJデビューということに柳谷さんを紹介したかったと西島さんが言っていたんだけど音楽が流れながら西島さんと編集者の湯浅さんのトークが始まる。漫画雑誌IKKI休刊における実情、なぜ休刊するのに最後の三号で西島さんの『ディエンビエンフー』が掲載されたのかなどの話が出る。当然三号掲載の時点で休刊は西島さんに知らされており知らないていで雑誌掲載復活って言っていたのだという初耳の話。
確かに『ディエンビエンフー』は普通の掲載漫画とは違う道のりを辿ってきている。初めは角川の『新現実』で連載されて角川版は一巻出ただけだったし、『新現実』自体も休刊した。西島さんは角川版に一巻という?とつけたら二巻出るんじゃないかと思ってお願いしたらしいが次もなにも決まっていなかった角川版にはそれはつかなかった。
その後『IKKI』で連載が始まるが角川版の続きではなく最初から始めることになった。震災の前の2010年には連載が休止になり書き下ろし体勢になり、最終三号で掲載復活しまた書き下ろし体勢に戻るというとても変な流れを辿っているのが『ディエンビエンフー』という漫画だった。
湯浅さんが新しく冬に始める漫画雑誌には『ディエンビエンフー』が掲載されないのは『IKKI』と違うタイプの漫画雑誌を作るためであるからというのが一番の理由らしく。けっこう次に始める漫画に掲載されないことについて何度か西島さんが言っていた。
最初に『IKKI』掲載休止になったのは黒字が二年続いたのは『ディエンビエンフー』始まった頃だけであとは赤字だったらしく紙を薄くしなければいけないことになり掲載漫画を何作か減らさないといけなくなったためだった。西島さんの『ディエンビエンフー』は掲載されなくてもコミックスとして発売された時に影響はあまりないと判断されたためらしい。
その後、震災があったりして西島さんは広島に家族で移住することになる。掲載はされなくなったが月々の連載していた時の原稿料は振り込まれていたらしく、書き下ろしになったので一巻はたいだい六話分で気がついたら漫画書いてなくても原稿料は毎月湯浅さんによって振り込まれていて12巻分までの分が入金されていたのであんまり『IKKI』にこき使われても掲載休止とかになっても文句は言えないという話があった。ということで最低でも『ディエンビエンフー』は次の12巻までは確実に出るということになっているがその先は未定であるらしい。
最後の方ではアニメーションで数秒作られた『ディエンビエンフー』を見せてもらった。カッコ良かったのでどこかでアニメにしてほしい、本当に。でもベトナム戦争ものだとみんな金を出さないらしい、そういうものなんだって。でも、アニメ化とかすると新しい展開もあるし続きもとかあるんだろうけどね。何が起こるかはわからない。
最後に発表されたのはこれ↑
CDJ最終日行かなかったら『西島大介エンドレスサイン会』で年越ししようかな。来年は本当にガソリンスタンドのCMとかに西島さん今日のイベントで言ったみたいに出てる可能性あると思う。中国地方限定とかでも。去年のオンサンデーズでの山戸監督とのトークでは映画に呼ばれてるから来年は映画だなと言ったら今年は『世界の終わりのいずれねこ』に出演&脚本やっているわけだし。西島さんの発言はどこか予言みたいものがある。
映画『世界の終わりのいずこねこ』特報!!!!!!!!!!!!!
http://we-izukoneko.com
西島さんは漫画が軸だけどいろんなものを呼び寄せていると言うか呼ばれてしまう人ではあるなと追いかけているとわかる。ホドロフスキーや園さんと近い感じはやっぱりする。呼び寄せちゃうんだろうな、ジャンルのクロスオーバー体現者でもあるし西島さんを中心にジャンルが違う人が出会うポイントになっていく存在でもあるんだろうな。
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