Spiral Fiction Note’s diary

ライター&Webサイト編集スタッフ。「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」、「BOOKSTAND」で「月刊予告編妄想かわら版」、「PLANETS」で「ユートピアの終焉ーーあだち充と戦後日本の青春」を連載中です。

『劇場版 零〜ゼロ〜』


監督・安里麻里
原案・「零 zero」(コーエーテクモゲームス
原作・大塚英志
脚本・安里麻里




出演・中条あやみ(アヤ)、森川葵(ミチ)、小島藤子(リサ)、美山加恋(イツキ)、山谷花純(カスミ)、萩原みのり(ワカ)、中村ゆり(麻生真由美)、浅香航大(麻生崇)、中越典子(メリー)、美保純(学園長)、渡辺裕也(唐津)、柳生みゆ(槙野)ほか




シリーズ8作で累計130万本のセールスを記録した人気ホラーゲーム「零」の実写映画化。「多重人格探偵サイコ」「黒鷺死体宅配便」などで知られる大塚英志によるノベライズを映画化し、深夜0時に女の子だけにかかる呪いや、学園で起こる神隠しの真相に迫っていく2人の少女の姿を描く。閉塞感漂う山間の町にある学園寮に暮らす月守アヤは、「自分が死ぬ」という幻に襲われたショックで自室に引きこもってしまう。すると、学園内で生徒が次々と失踪し、水死体となって発見される事件が起こる。やがて亡くなった生徒たちが、生前にアヤそっくりの少女が写った写真を見ていたことが判明。アヤは、親友を失ったクラスメイトのミチとともに、事件の真相を追うが……。ファッション誌「Seventeen」専属モデルの中条あやみ森川葵が主演。「リアル鬼ごっこ」シリーズや「バイロケーション」など、ホラー作品を多数手がける女性監督・安里麻里がメガホンをとった。(映画.comより)




 原作小説が大塚英志さんだから映画を観に行った。未読だったけど気になって観たら大塚英志さんの奥さんの白倉由実さんテイスト濃いめな感じだった。『ピクニックatハンギングロック』や『夏の教室』を感じる。いかに少女は大人になるか、象徴的に死んで生き返るかという通過儀礼を描く大塚英志作品系譜にあった。帰ってから原作小説を読むと明らかにその系譜であり『黒鷺死体宅配便』のスピンオフにも思える。ただ映画では黒鷺死体宅配便キャラは出さなくていいとはおもったりはした。小説の方は役割デカいんだけど映画はちょっとなんでね。まあ、大塚作品馴染みない人がみたらあのイタコなに?にしかならないだろうな。



 主役のアヤの子は一昔前だったら『NIGHT HEAD』の小島聖みたいな感じの雰囲気かな、小島さんほどグラマラスじゃないけど。ミチ役の女の子の森川葵は『渇き。』のカナコのせいでクスリとかにハマって堕ちた予備校通ってた役の子でこの子も顔が本当に奇麗な感じ、あのショートカットは顔が小さい美形じゃないけど似合わないよね。



敏感な子供たちはこの小さな街では世界が閉じられていることにこの退屈さの理由があると気付いたが、そのことをことばにする術を身に付けないままに多感な季節は終わり、彼らは凡庸な大人になっていく。地方のありふれた街はそういう仕組みで凡庸さを維持し続けるのだ。それも一種の呪いのようなものだ。
↑めっちゃ大塚節な文章が冒頭からあった。




 『零〜ゼロ〜』読んで浮かぶやつ↑。『ロリータの温度』表紙は少女の頃の平野綾
 小説は大塚英志作品らしいといえばらしい。『夏の教室』『ロリータの温度』だったりとかに連なるものがある。『ピクニックatハンギング・ロック』はやはりこの作品の根底にあり折口信夫の「水の女」なんかがモチーフだったり、『黒鷺死体宅配便』とのリンクというか黒鷺スピンオフな感じも多少したりはするけども楽しめた。


 映画は小説でのモチーフや上記の『ピクニックatハンギング・ロック』なんかの雰囲気がするし通過儀礼の時間としていかに少女が大人になるかという作品でもある。だから青春映画でもある。僕はかなり楽しめました。