「Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選」を読み終わる。実際のところ21〜23ぐらいの頃にカーヴァー全集買ったりして読んでいたから一度は読んだ事あるものが収録されていたが久しぶりに読むと前とは少し違った印象だった。
前に作品を一気に読んだ時の僕はシナリオを書きたい人間で、先生に勧められてというかカーヴァーぐらいは読めよという流れで読み始めて、「出かけるって女たちに言ってくるよ」を勧められて読んだらクラクラしたんだよな。
短編なのに濃密、そして全てを語らないのにサラッとする、しかし何かがやけに残る感じが新鮮だった。数年経ってシナリオよりも小説に意識が向いたことがデカイのだが、前よりも短編がいかに難しいかということがわかる、いろいろ読んだからっていう経験則。
やっぱり、カーヴァーの短編にある緩やかにに壊れていく関係とかの描き方が絶妙に上手く読ませる。読むと疲れちゃんだけどね。
そういう流れでアメリカの作家の短編の人はってのでチャールズ・ブコウスキー読んだらハマったんだけど。僕が好きだって言える海外の作家はカーヴァーとブコウスキーぐらいなのだが、訳者が村上春樹・柴田元幸両氏(が有名)と最近わりと読むようになった人たちが手がけている。なんだかんだでそういうことは続いていくというか繋がっているものなのだな。
昨日朝に「忌野清志郎 ロッキングオンジャパン特別号―1951-2009」をアマゾンで頼んだら夜バイト行こうと家を出る頃に届いた。のでバイト先に持っていって休憩中に仲井戸麗一と坂本龍一両氏の特別インタビューを読みながら「RHAPSODY NAKED」をiPodで聴いていた。
亡くなってからきちんと聴こうと思った後追いの人間だけど聴きながらインタビューを読むとまあいろいろな感情が沸いてくる。数十年の間の関係性というものが築いたものってデカクて、続けれる人間関係なんて血族以外にはそうそう多くはないものだから互いの中に互いの一部が入り込んでいるのがわかるインタビューだった。
帰ってから過去の清志郎さんの作品のインタビューを全部読む。インタビューしているのがロッキンの渋谷のおっさん(社長)なのでかなりの親密さが窺えるものだった。信頼し合っているからできるインタビューだなって思った。読んでて面白かったし、こういう人だったんだなって感じるものだった。
近所の本屋にはなかったのでアマゾンで買ったんだが、そんだけ買いたいと思うファンの人がいたんだなって改めて思う。
「スローバラード」
↑実話だったんだな、そしてその女の子はすぐに亡くなってたりするんだけどそういうことをきちんとインタビューで話している。でも便利女がたくさんいたとか普通に語ってたりとかもしてるけど。
「文化系トークラジオLife」「葬儀の日に清志郎を語る」
http://www.tbsradio.jp/life/2009/05/post_109.html
↑同じくTBSラジオのウイークエンドシャッフルの「ドキュメント、2009年6月2日。宇多丸はギャラクシー賞受賞式で何をカマしたのか?」が配信されているので聞いているがサンプラザ中野くんが替え玉としてギャラクシー賞受賞に参加した流れをリポート。場の空気感がポッドキャストでも伝わる。
「Life」も昨年の第45回ギャラクシー賞のラジオ部門の大賞を受賞しました。(http://www.tbsradio.jp/life/2008/06/post_64.html)
その流れの中でその月はギャラクシー賞のお祝いモードでやるはずだったけど、今日の一年前に「秋葉原連続殺傷事件」が起きた事で特集はそれになりました。最初は僕も彼のことがある意味では可哀想だと思ったけど、今はそうは思わない。
自分から動くしか世界は変わらないのに動かないで社会を呪詛して認められない自分が嫌で他人を巻き添えにして注目を浴びた、巻き込まれた人が可哀想でならない。そんなやつのために。しかも最後は警察に抵抗もしないですぐに捕まったシーンが当時よく流れた、せめて抵抗してぼこぼこにされるぐらいの覚悟もなく、自分の痛みだけには敏感だった。
しかしこの事件が風化するのがあまりにも速すぎる。一気に消費されてしまった感じはなにかがやばい、やばいことに繋がってしまっているような気がしてならない、古谷実の「ヒミズ」以降の作品を読むといつもそれを考える。
Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)
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