Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「Grand Touring」

 清志郎さんの訃報を朝のニュースでしている。大ファンとかそういう人ではなかったけど、カッコいいロック親父が亡くなったなと思いながら仲俣さんのブログ(http://d.hatena.ne.jp/solar/20090503#p1)を読むとものすごい影響を受けていたんだと知った。しかも夢見てるし!


 それでブログにあったユーチューブの画像見るとそこにファンの人たちのコメントがあってそれ読むとその曲知らないんだけどなんか泣けてきた。すごく愛されたミュージシャンだったんだなと改めて思った。ご冥福をお祈りします。ニュースでの泉谷しげるさんのコメントが深く何十年も付き合ってるからこその言葉でそれも泣きそうになった。


 いつも通りすぐに寝れないので昨日は「仮面ライダーディケイド」を見た。「電王」の世界かな、もう設定とか物語わからんわっていう次は「カブト」の世界らしい。でももちろん「カブト」の主役だった水嶋ヒロは出ないわけだが。
 その後「ドラゴンボール改」を初めてみた。どこが「改」なんだろう、ピッコロと孫悟飯の師弟関係の最初のことだった。ベジータとなんかデカイやつが来るのに備えてぐらいのとこ。見終わって気になったのでウィキペディア孫悟飯を調べてみた。あと「ドラゴンボール」のことも。


 我が家の父は漫画好き(小山ゆう「がんばれ元気」から僕の名前を「元気」にしようとしたが祖父に阻止された経緯があるらしい)だったので、物心ついた時から少年ジャンプ/マガジン/サンデー/月刊ジャンプ/マガジンは発売日には家にあったので気が付いたら「ドラゴンボール」を読んでいた。だけど、「ドラゴンボール」も普通に好きだったぐらいで大好きじゃないし、「スラムダンク」も特に好きだったわけでもない。僕はバスケを「スラムダンク」ではなく「I'll」を読んで始めたマイノリティな方だ。


 確かに後半の方はあんまり記憶にないというかパラパラ読みしてた気がする。どっちかというと「聖闘士星矢」の方が好きだったなあ、完全版も買ったし。神話的なほうが好きなだけだが。一番好きなジャンプ漫画はきっと「王様はロバ」だけど。


 昨日思ったのは「ドラゴンボール」って止めたくなった時にはもう巨大な産業になってしまっていていろんな会社の利害関係が絡んで結局延ばし延ばしで続けた漫画だった。しかも、アニメに至っては「ドラゴンボールGT」まであるし。
 やりすぎコージーでは「GT」の意味は「ごめんなさい鳥山先生」と言っていたが「Grand Touring(グランド・ツーリング)」(壮大なる旅)という意味らしい、僕はずっと「GT」の意味を「じっちゃんたたかって」だと思っていたが、よく考えるとGだからじっちゃんにならない、でもGrandfatherなら伝わるか。


 そこで寝る前に考えたのは息子の悟飯に主役を受け継ぐこともなく、最終的にはアニメで子供戻ってなお主役でい続けた孫悟空というキャラクター。世代交代しない物語だったんだなと思った。
 

 90年代の「ドラゴンボール」と「ジブリ」作品は本当に大人になれない子供を増やした要因なんじゃないかという気がする。素晴らしい作品なのは疑いようもないんだけど、ライナスの毛布みたいに大人になれば捨て去っていくべきものを引きずって年を重ねているのが今の日本社会なんじゃないのかなんて考えた。遅れてきた青年のようにゼロ年代に入ってからジャンプで漫画の連載してた時の前史や息子達の話が今になって展開されているのは全てのことは反復でしかないということの表れなのかな。


 世代交代できない物語はひたすら延命させられていく定め。終わらない物語=死なない肉体。漫画の神さま手塚治虫は戦争体験を持って「死なない肉体」だった漫画の世界に「傷ついて死んでしまう肉体」を持ち込んだ。だって現実の僕らはやがて死んでいってしまうから。「ワンピース」と「コナン」はいつ終わるんでしょうか?