Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「フリーランチの時代」

 小川一水「フリーランチの時代」の文庫を五分の三読んだ。つまり三つの短編が終わった。表題作「フリーランチの時代」「Live me Me.」「Slowlife in starship」の三作。いわゆるSFもので、まあ早川書房から出てるし。
 「フリーランチの時代」「Live me Me.」の二作はある意味で不老不死についてのSFもので。単語とか普段SFものや理系ではない僕には知らないものが出てくるが読んでて楽しい。「フリーランチの時代」は地球外生命体に出会った四人が、彼らと接するというか取り込まれたりしてある意味で死なない肉体になっていくというもの。
 「Live me Me.」は事故で脳死状態になった主人公が、意識をシンセットというものに移行して肉体はあるが意識はシンセットの中で生きていく主人公。想像してみるとこんな未来になっても不思議じゃないのかもって思える。
 「Slowlife in starship」は小型宇宙船で暮らす主人公、人との関わりを避けている彼が最後には少し変わっていくというもの。かんなり読んでてSFは楽しい、昔からこの手のものを読んでいたわけではないので古典的なSFとか知らないけど漫画「プラテネス」を読んでSFって面白いなって思った。この漫画マイフェイバリットなのでってもデカイ。毎回同じとこで号泣する、この漫画嫌いな人とはやっていけない気もする。

フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)

フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)

プラネテス(4) (モーニング KC)

プラネテス(4) (モーニング KC)


 「ソラニン」の映画化はかなり話題になっているというか僕が好きなので視線が向いているだけか。芽衣子が宮崎あおい、種田が高良健吾ってのは公表されていたけど、問題の脇のある意味最初から最後まで二人に関わる超重要人物のビリーと加藤の配役。
 ビリーは桐谷健太、加藤はサンボマスターのベーシストの近藤さん!と近藤の彼女で芽衣子の親友でもあるアイが伊藤歩ととりあえず近藤さんが来たからなんとか音楽的にはいいだろう。「リンダリンダリンダ」でもベースボールベアーの関根史織がベーシストだったのと同じ効果を期待しよう。
 でも、となると音楽はサンボマスターか? でもサンボマスター銀杏BOYZは関係性は近いわけでとか思うと銀杏もありなのではと。


 そんな「ソラニン」の映画化を手がけるアスミック・エース ラインナップ2009-2010が出てた。
http://www.asmik-ace.co.jp/release/090410b.html


 「重力ピエロ」「ソラニン」「ノルウェイの森」「のぼうの城」「大奥」と原作もので興味があるものが。
 「ノー ボーイズ、ノー クライ」は脚本が渡邊あやさんだった気がするので彼女が脚本なら間違いなく観に行く。
 「大奥」はよしながふみさんの漫画で出てる巻は読んでいるので内容を知ってるけど、疫病で将軍が女になって大奥が美男子集団になってる話なんだけどね。これはイケメン出せばいいわけですよ、大量のイケテル面構えの連中を。普通に客入るでしょ、でプロデューサーが「木更津」とかの磯山さんらしいから男前を揃えてきそうだ、ジャニ使ったりするのかな、でもそうすると他の事務所の男前をたくさん使えなさそうだけど。


 とりあえず近藤さんの加藤にすごい期待を、正直主演の二人は美男美女すぎて漫画とかけ離れているので、彼が漫画と実写を結ぶ役割を、ビリー役の桐谷は芽衣子と二人でのあの何度読んでも泣いてしまうあのシーンを期待して。まあ、あのシーンを映画でカットしてたら本当にすごい監督と脚本家だと思うけど、あれは外せないしビリーの一番って言えるシーン。冴木役も本当のミュージシャンがした方がいいかもなって思ったりするけど。


 でも、「おやすみプンプン」のシュールさが「ソラニン」とはまったく違うベクトルで、しかも通り過ぎた季節のことなので鈍器で殴られたような痛みがあって好きだったりする。「世界の終わりの夜明け前」の「東京」とかは実家に帰った時に読んだら妙にノスタルジックな気持ちになった。



http://www.kadokawa.co.jp/yasei/


 今日は角川の野性時代が出る日。古川日出男最新作シリーズ「黒いアジアたち」が本格的に連載開始だったはず。表紙は山田孝之みたい、万城目学著「鴨川ホルモー」の映画の主役だからだろう。「野性時代」はわりと表紙のビジュアルは映画化した作品の役者さんが多いかな、幻冬舎パピルス」はミュージシャンが多いような気はするけど。それにしても表紙の山田は前に近所のすき屋に入っていく時と同じ風貌だな。


 古川作品が映像化する日はしばらく来ないような気がする、村上春樹ノルウェイの森」がようやく映像化になったぐらい時間かかったりするんだろうか、今パッと本棚にある古川日出男作品見たけどほとんど映像化に向いていない。そういえば仲俣さんが解説を書いている「ルート350」が文庫で出る。収録作「一九九一年、埋め立て地がお台場になる前」が本当に傑作。古川さんが東京を歩いて地と足が繋がって東京の歴史を吸い上げて、街や町から浴びる物語の精子を受胎して産み落としたノンフィクション≒フィクション。

ルート350 (講談社文庫)

ルート350 (講談社文庫)