松江哲明さんと古泉智浩さんの「童貞の教室」を深夜のツタヤで購入。前から気になっていたのだが読んでなかった。ツタヤでは新刊のとこで平台に載ってました、近くつうか隣には以前読んだ村上龍「無趣味のすすめ」があった。
理論社「よりみちパン!セ」シリーズは西原理恵子「この世でいちばん大事な「カネ」の話」だけなのだが、この本がすごくよくてほんとに「カネ」の話なんだけど「カネ」=「仕事」ということに関しての本だった。「仕事」=「生き方」だから読んでかなり考えさせられたし、西原さんの考え方とか半生のことが書かれている、人はやっぱり幼少期や周りの環境、親との関係性の中で生きることについての考え方が決まってくるものだなあって読みながら思った。
「童貞の教室」は松江さんの映画「童貞。をプロデュース」のことや松江さんの家族のこと、自身の童貞だった時の頃の考えだったりと松江さんが濃厚に思ったことを書いている。すごく読みやすくて休憩中に半分読んでさっき帰ってから読み終わった。「童貞」と「処女」ってのはずっと語られるキーワードだし、中高生の頃なんて男女ともまあ身近な問題だったし、大人になってもそれが重くのしかかる人もいる。
読みながら映画館で観た「童貞。をプロデュース」を思い出した。ユーロスペースのレイトショーで観た時にmixiで書いた日記から。
以下参照↓
童貞の彼らを観て笑っている自分、笑っている観客。 だけど、これって笑えるのか? 今童貞や処女の人はきっと笑えないと思う、数年前の僕だったら笑えないなとも思った。 他人の滑稽なとも取れる行動や言動は笑いを誘う、それって皮肉だとも感じる自分がいる。
以前、松江監督に園子温監督のトークショーで会った時に、その時ゲストだった山下敦弘監督に松江監督が「山下君のしてることって『ごっつ』を映画でしてるだけだよね」って言ったのが未だに印象に残ってる。 『ごっつ』とは『ダウンタウンのごっつええ感じ』ですが、あのコント作品にあったのは「皮肉」と「哀愁」だったように思います。思ってます。
それに強烈に刺激された、毒のようにしびれて観てしまった世代というのはそこからの影響ってのが絶対にあるように感じます。 『とかげのおっさん』は哀愁です、人間でもトカゲでもないどっちつかずの生き物の悲哀と人間の愚かしさを描いたコントだと思うし。 『兄貴』はコミュニケーションをしようとするが伝わらない哀しみを笑いにコーティングしていたように思うのです。
なにかこの「童貞。をプロデュース」もある種の皮肉のようにも思えたし、笑ってる自分を笑えないだろって思ってるもう1人が見てるようにも感じられた。なんか不思議な感じだな。
1のほうではアダルトビデオを「汚い職業」と見下す高慢さとイケメンへのルサンチマンに満ち溢れたどうしようもないヘタレ男・童貞1号君はAV監督カンパニー松尾さんの撮影現場に行かされ、女の子とも手ぐらしか握ったことない彼はチ●ポを触られ、逃げ出し、連れ戻されてフェラチオされてもすいません、勘弁してくださいと土下座をするのだが、AV女優にだけどビンビンじゃんと言われたりとすごく人間ってものが生で出てる感じだった。そこは爆笑の感じでしたが場内では。
銀杏BOYZの峯田君も特別出演で童貞1号の作った「穴便器」という歌を熱唱してます、歌詞だけならこれはって思うけど峯田君が歌うと味が出てた。 笑ってしまうんだけど、他人から見れば自分もこんなもんだろうなとか思うしね、帰り道はいろいろ考えながら帰った。
カンパニー松尾さんが童貞1君に「人は他人に迷惑をかけて生きていくんだから気にするな」ってのは名言だなあ。それは一生続くことだし、忘れてなければいいことだって。 迷惑かけまくりですね、僕もあなたも。でも気にしないで、忘れてなければいいみたいですよ。 他人に迷惑かけずに生きてますみたいなのは傲慢だよね、人間関係では絶対に迷惑かかるし、傷つけるし、痛みもあるし、まあその逆もね。 ↑
って書いてた。帰り道に道玄坂を三茶方面に歩きながらいろいろ昔のこと思い出した記憶がある。カンパニー松尾さんの「人は他人に迷惑をかけて生きていくんだから気にするな」という発言は本の中でも言及されているがこの言葉の持つ意味はデカイ、映画で観た時よりも今読んだ方がでかく感じた気がした。
よく「人様に迷惑かけるような子になるな」とか祖母とかに言われた気はするんだけど、生きてるだけでいろんな人に迷惑かけてるし、実際にかけられてもいる。松江さんも書いてたんだけど他人と関わると言う事は迷惑をかけるしかけられるわけで、でもさ、人と向き合うってことはそういうことでそれを怖がってたら誰とも関係を結べない。
一方的な悪意とか本気でムカつくようなことをしてくるやつは迷惑の度を超している場合があるので、縁を切る可能性は高いですが。本人がそれをわかっていないのは他者を理解しようとかしないで自分が自分がって人だろうし、他者との関係性がうまく結べない人はわりとそういう自分を客観的に見れない人が多いような気がする。
「童貞」も「処女」も喪失するには相手がいるわけで、その場限りの関係だと違うかもしれないけど、喪失するには圧倒的な自分ではない他者との交わりと繋がりがある。しかも異性(同性の人もいるけどその場合も他者だから)だしね、「童貞」「処女」を喪失するということは実は絶対的に違う他者との肉体的な関係性を人生に持ち込むということだ、今までのような僕だけの私だけのイノセントな世界を喪失するということ。
松江さんの「童貞。をプロデュース」を観て僕はすごく劇場で笑った記憶があって、それは彼ら(童貞1号、2号)を卑下したわけじゃない、僕もかつてこんな感じだったんだって思ったから、ふんわりと痛くて、それを踏まえた上で笑えた。
映画はソフト化してないのでこの本を買って読んでみるといいと思う。本はね、借りて読んでもいいけど、映画もレンタルでもいいけどCDもそうだけどさ、金がないけどできるだけ買ったり観に行ったりしたほうがいいと思ってて。
CD高いから最近は好きなアーティスト以外借りることが多くて申し訳ないけど、映画は劇場でできるだけ観たいのは観るし、本は金なくても読みたいのは買ってる。作り手にきちんと金を払うことでまた新しいものが世に出るチャンスが増えるし、そうしたらまた自分が楽しめたり考えるきっかけができるから。
金出して買ったものには絶賛もできるし否定もできると思ってる。タダだったりとか金払ってないものに関してはあんまり意見を言うべきではないと感じる。不景気だからって文化的なものに使う金は減ってると思うけど僕にとってそれは大事なものだし、きちんと金を払っていかないと本当に文化的なものは世の中から消えてしまうし、縮小されて売れるものだけが店に置かれてしまうようになると多様性がなくなっておもしろくないから。
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家に帰ってポストを見るとTBSラジオから郵便が来てた。文化系トークラジオ「Life」からバッジが来てた。
「Life」バッジがたくさんになりました。放送で読まれたのは二回だけど。「Life堂」の時の中村佑介さんの絵柄のやつは本買ったらくれたやつ。最初に浅野いにおさんデザインの女の子のバッジは蓮沼フェスでcharlieに初めて会った時にもらって、それから「Life」聴き始めてと、なんだか歳月を感じます。
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「Life」のおかげというか繋がりで書かせてもらった「音楽誌が書かないJポップ批評」の「コブクロ」の短編があったり、また短編ではないけど書かせてもらった四月十八日に出る「SMAP」特集では「らいおんハート」に関しての記事を書かせてもらいました。ボツになってなれけばね、載ってます。あとそのページの僕の名前の後ろが「小説家」になってますが気にしないでください、そのうちなります。
「コブクロ」の時に「岩井俊二に見出された新人小説家」みたいになってましたが、あれも編集の人が考えてくれた文です。僕が「プレイワークス」メンバーなだけですが、押すならここだろってことです。未だに岩井さんには会ってないし。
いつか「Life」本の二巻目が出た時には短編書かせてもらえるようになりたいと思う今日この頃です。一応希望ですが。
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「アメトーーク」の「○○じゃないほう芸人」を見て、面白かったね。派手な相方を持つ地味な方の芸人さんは。
でなんかもう一番組撮ってたからなんだって思って見たらフジテレビの「ノイタミナ」枠の新番組「東のエデン」だった。
http://juiz.jp/blog/
原作・脚本・監督は神山健治(「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「精霊の守り人」)でキャラクター原案は羽海野チカ、オープニング主題歌はoasisだった。一話のエンディングの脚本は神山さんと伊藤ちひろさんだった。 彼女は確か「スカイ・クロラ」の映画も脚本であとは行定勲作品で「春の雪」「世界の中心で愛を叫ぶ」「クローズド・ノート」などで脚本を書いている僕と同世代の人だ、この年でメジャーな作品の脚本を書いている人はまだ少ないので印象に残っている。
アニメ自体はまだ始まったばかりで謎だらけ。お話はというと
【ストーリー】
2010年11月22日(月)。日本各地に10発のミサイルが落ちた。ひとりの犠牲者も出さなかった奇妙なテロ事件を、人々は「迂闊な月曜日」と呼び、すぐに忘れてしまった。それから3ヶ月。卒業旅行でアメリカに出かけた森美 咲(もりみ・さき)は、ホワイトハウスの前でトラブルに巻き込まれ、ひとりの日本人に窮地を救われる。滝沢 朗(たきざわ・あきら)。彼は記憶を失っており、一糸まとわぬ全裸の姿で、拳銃と、82億円もの電子マネーがチャージされた携帯電話を握りしめていた…。
滝沢 朗とは何者なのか? 謎の携帯電話の正体は? 失われた、滝沢の記憶とは何だったのか?
わりと現代的なことがモチーフにされている。これからどう動き出すか久しぶりに毎週見ようと思うアニメ。
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