Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

「しょうせつの食べかた」

 「いのちの食べ方」DVDを借りた。まだ観てはいない、観ればすぐに影響を受けてしまうような僕だから今の逆の状態になるのだろうか、結局の所はわからん。この所ストレスが溜まっているようで、「鬱」かと思うぐらい気持ちが極端だ。
 自分に対してムカつく事が多くて現状を打破できないことがそれを加速させているみたい、なにかがなんだかおかしいんだけど、その正体を言ってしまうと身も蓋もないことを知っている。でも人生は身も蓋もないことばかりだ。

いのちの食べかた [DVD]

いのちの食べかた [DVD]


 「少女七竃と七人の可哀想な大人」も半分を過ぎた。休憩中にしか読んでいないが面白い、もう少し桜庭一樹作品読もうと思う。


ゴールデンスランバー映画化、監督が表敬
http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000000903270006


 伊坂幸太郎ゴールデンスランバー」が伊坂作品「アヒルと鴨のコインロッカー」と「フィッシュストーリー」の映画を監督した中村義洋監督によって映画化で仙台でロケをするらしい、昨日マイミクの人に教えてもらって知ったのだけど。


 僕はすごく伊坂幸太郎作品好きだし、「ゴールデンスランバー」読んで面白いって思って、読み終わったその日に一応僕もメンバーであるPWの飲み会があって主宰の岩井俊二さんも来られると言うので行く予定だったけど、それまでシナリオの開発でブラッシュアップする過程で僕は担当やPWに対してすごく不満があって、「ゴールデンスランバー」読んで小説いけるじゃんって思って、やっぱりやりたいことできるのは小説なんじゃないかって思ってそのまま爆睡したら飲み会の時間過ぎてて行かなかった。後からPWの人から怒られたけど。


 これは映画化できないだろうって思ってたし。して欲しくなかった。伊坂さんも中村さんならっていう理由で彼に託したとは思う。でも、これは映像化できないように、小説家として小説の可能性を試す為の作品だと僕は受けとめていたのでやっぱり残念でならない。


 それを読み終わったのは12月だった、たぶん07年の発売してすぐだった。次の年の08年に古川日出男作品を読み漁ったのは、文体と物語というかある種の神話性に惹かれてのことだった。で、たぶん一番古川さんに惹かれた理由は簡単で彼の作品は映像化しづらい。
 文体のリズムで物語が浮かび上がるから映像にするとものすごく画としては面白さに欠けるはずだ、しかし音楽みたいな文体のリズムは小説として圧倒的な強度を持つ。それは小説としての可能性だし未来だと感じる。


 邦画で原作あったりするのは悪いとは言わないし、いい作品もあるけど一時のように漫画原作が金になるからって多くの大手の映画会社が企画が通しやすいという理由で映画化しまくったのが嫌だったし。そういうことでオリジナル脚本の邦画が少なくなると結局の所は日本映画が弱体化するだけじゃんって思ってた。
 映画は映画だからこそできることがあるし、小説には小説だけにしかできない表現があるのに、そういうのがないがしろにされている気がしてしまう。


 伊坂作品の映像化権はほぼ買われているらしい、伊坂作品とある意味世界観が似ている森見登美彦作品も映像化権買われているんだろうか? 伊坂作品は仙台、森見作品は京都。物語と物語がリンクしたりしてある種のサーガ的世界観を作り上げているしどちらも読みやすい。万城目学作品も「鹿男あをによし」はドラマ化したし、「鴨川ホルモー」も映画化する。せめて彼らに映画用の原作書いてもらってそれを基に脚本書いて映画化するとかじゃあ、企画書通らないんだろうか、そういうのならいいコラボだと思うんだけど。その場合小説としては出さないとかね。


 オリジナルで脚本書いて映画撮る人がカッコいいと思うのはそういうのが僕にあるからだろう。園子温作品に惹かれるのは園さんが自分で書いた作品で自分で撮る、しかも圧倒的で魂に響くものを。実際に会って話せばわかる、園さんは映画を撮らないといけない人だと。その意味は作品を観れば伝わるものだし、話した時に感じる創造する事に関しての発言はこの人の作品は観たいと思わせる何かが存在している、その何かが映画に現れているから響いてしまう。
 



 ↑園さんがやってた「東京ガガガ」の頃の写真。なんかサイト(http://www.sonosion.com/)で久しぶりに読んだらやっぱりすげえなって改めて思った。フランスの映画監督ジャン・ジャック・ベネックス(あの『ベティー・ブルー』の監督ダヨ)が渋谷警察署に軟禁されている園子温を救いに身元引受人として来てくれた時はうれしかった。って!みたいな。


 当時のことを聞いたことあるけどバイタリティの凄い人だし、「自転車吐息」公開時には武道館前で映画に来そうな客がいそうなバンドの時はライブ終わった後にひたすら映画のビラ配ったり、紀伊国屋書店に朝一で行ってその日に出た雑誌に勝手にビラ入れてたとか、それで毎回立ち見になるぐらいで、一日の上映回数や上映期間延びてその映画館の記録動員更新したって聞いた。
 「自転車吐息」はPFFスカラシップ作品ででも、まったく宣伝とかしてくれなかったから俺がやるしかなかったし、そのぐらい力入れないとダメなんだって言われたのが凄く記憶に残っている。だから作品から興味持って、実際に会ってご本人に惹かれた部分がデカいから僕は園さんの名前や古川さんの名前をよく出す。そういう意味で憧れの人だ、クリエイターとして。


 「ゴールデンスランバー」が公開されたら観に行くと思う。で中村監督なら傑作にしてしまう可能性が極めて高い。「フィッシュストーリー」の映画に関して原作を読んでいて映画を観た感想としては原作の「フィッシュストーリー」よりも伊坂臭の強い「フィッシュストーリー」だったってことだ。「ゴールデンスランバー」を観て僕が思うのはきっと「伊坂さん映像化なんてできない小説読みたい」って。それにしても主役誰やんだ?

フィッシュストーリー

フィッシュストーリー

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー